登校しぶりは、お子さんが「学校に行きたくない」気持ちを行動で示している状態です。
「『お腹が痛い』と言うけれど、本当に体調が悪いのか分からなくて…」
「朝になると突然『行きたくない』と言い出すようになって…」
「どう声をかけて関わればいいか分からなくて、毎朝悩んでしまう…」
朝になるとお子さんが学校へ行きたがらない。
そんな状況で、どう声をかけて関わればいいか戸惑っている親御さんも多いのではないでしょうか。
登校しぶりが起こる背景には、新学期の環境変化、お友達との関係、勉強の不安だけでなく、親と離れたくない気持ちや、はっきりした理由のない不安など、さまざまな要因があります。
保護者の声朝、学校へ行く時間になるとお腹が痛いと訴えています。
仮病なのか、本当に体調が悪いのか分からなくて、どう声をかけて関わればいいか迷っています。
ひかりすまいるアドバイザーお子さんの体の症状は、気持ちの揺れが形になって出ているサインのことが多いです。
この記事では、全国の不登校支援情報をまとめてきたひかりすまいる編集部が、
- 登校しぶりの主な原因と背景
- 休ませるか行かせるかの判断ポイント
- 年代別の対応と声かけのコツ
- 親御さんが疲れたときの考え方と相談先
などについて詳しくご紹介します。
登校しぶりとは?不登校との違いと最新の状況

登校しぶりとは、お子さんが学校に行きたがらない様子を見せている状態のことです。
明確な公式の定義はなく、「行きたくない」と訴える、朝の準備が進まない、親と離れたくないと泣くなど、状況の幅は広い言葉として使われています。
登校しぶりは「行きたがらない状態」を広く指す言葉
登校しぶりは、お子さんが学校に行くことに気持ちが向かわず、登校をためらう様子をひとまとめに表した言葉です。
具体的には、次のような状況が当てはまります。
- 朝、「学校に行きたくない」と訴える
- 朝の準備が進まない、玄関で動けなくなる
- お腹や頭の痛みを訴える
- 親と離れたくないと泣く
- 休み明けや月曜日だけ強く渋る
これらは、学校への抵抗だけでなく、親と離れたくない気持ちや、はっきりした理由のない不安が背景にあることもあります。
ひかりすまいるアドバイザー状況や背景はお子さんによってさまざまです。
不登校との違いは何ですか?
不登校との違いは、欠席日数と公式の定義があるかどうかの2点です。
| 項目 | 登校しぶり | 不登校 |
|---|---|---|
| 欠席日数 | 決まりなし | 年間30日以上 |
| 公式定義 | なし | あり |
| 状況の幅 | 行きたがらない様子全般 | 何らかの理由で登校できない状態 |
文部科学省は不登校を「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にあること(病気や経済的な理由を除く)」と定義しています。
一方、登校しぶりには明確な定義がなく、お子さんが学校に行くことに気持ちが向かわない様子を広く指す表現として使われています。
「不登校の前段階」と決めつけなくていい
メディアでは「登校しぶりは不登校のサイン」と語られることがありますが、登校しぶりがそのまま不登校につながるわけではありません。
ひかりすまいるアドバイザー登校しぶりの背景は一人ひとり違い、しばらくしたら落ち着いていく場合もあれば、お子さんのペースでゆっくり整っていく場合もあります。
「予備軍」と決めつけて、ご家庭で不安を強める必要はありません。
文部科学省が令和7年10月に公表した最新の調査では、新規に不登校になる児童生徒の数や、不登校が続く割合は前年から減少しており、状況には変化の兆しも見えています。
お子さんの様子を見ながら、目の前の関わり方を一つひとつ整えていくことが、結果的に落ち着きにつながっていきます。
※出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果概要」(令和7年10月29日公表・令和8年1月16日更新)
登校しぶりが朝だけ起こる主な原因

登校しぶりが朝だけ起こるのは、学校での出来事や、親と離れたくない気持ち、漠然とした不安などが、朝という登校時間が近づくタイミングで強く表に出るためです。
原因は一つだけでなく、複数が重なっているケースも多くあります。
環境の変化や生活リズムの乱れが影響する
新学期やクラス替え、長期休み明け、新しい習い事のスタートなど、環境が大きく変わるタイミングで登校しぶりは起こりやすくなります。
特に小学校1年生は、保育園・幼稚園とは異なる時間割や集団生活に慣れるまでに時間がかかります。
また、長期休み中に夜更かしや朝寝坊が習慣になると、生活リズムを戻すこと自体が大きな負担になり、朝起きづらくなることもあります。
ひかりすまいるアドバイザーご家庭でできる工夫としては、休みの後半から少しずつ就寝・起床時間を整え、朝に好きな朝食や音楽など、ちょっとした楽しみを用意することが挙げられます。
お友達や先生との関係に不安がある
人間関係の悩みも、登校しぶりの大きな背景です。
具体的には、次のような状況が当てはまります。
- お友達とけんかをした、仲間外れにされている気がする
- 特定の子からきつい言葉をかけられている
- 先生の叱り方が怖い、相性が合わない
- 班やグループの中で居心地が悪い
お子さん自身がうまく言葉にできない場合もあります。
ひかりすまいるアドバイザー「誰かに何か言われた?」と直接聞くと黙ってしまうことが多いので、休み時間や給食時間など、特定の場面の話から聞いてみると気持ちが出てきやすくなります。
スマホやゲームの過剰使用で生活リズムが乱れているケース
スマートフォンやオンラインゲームの過剰な使用も、登校しぶりの背景になることがあります。
文部科学省が委託した「不登校の要因分析に関する調査研究 報告書」(令和6年3月)でも、不登校の要因のひとつとして「ゲーム・スマホ依存傾向」が挙げられており、教師よりも家庭で気づきやすい要因として位置づけられています。
また、文部科学省の「不登校児童生徒の実態把握に関する調査」では、不登校の中学生が「最初に学校に行きづらいと感じたきっかけ」として「インターネット、ゲーム、動画視聴、SNS」を挙げた割合が17.3%という結果でした。
夜遅くまでスマホやゲームを続けると睡眠時間が削られ、朝起きるのがつらくなります。
その結果、登校時間に間に合わない、体がだるくて動けない、といった形で登校しぶりが現れることがあります。
ひかりすまいるアドバイザーただ、スマホ・ゲームを使っているお子さんすべてが該当するわけではありません。
気になるサインとしては、次のようなものがあります。
- 夜中まで使用していて朝起きられない
- 使用時間や課金がご家庭の中で話せず、注意するとイライラが強く出る
- 食事や入浴の時間にも使用が止まらない
- スマホ
- ゲーム以外の楽しみに関心が向かなくなっている
このような様子がある場合は、いきなり取り上げるのではなく、「夜の使用時間を一緒に決める」「寝る前は別の部屋に置く」など、お子さんと話し合いながら少しずつルールを整えていく方が、衝突を避けながら生活リズムを取り戻しやすくなります。
長く続くようであれば、児童精神科や、依存症対策の専門医療機関(国立病院機構久里浜医療センターなど)に相談することもできます。
※出典:文部科学省「不登校の要因分析に関する調査研究 報告書」(令和6年3月)
文部科学省「不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書」(令和3年10月)
勉強への不安や、ついていけない気持ち
学習面の不安も見落とせない要因です。
ひかりすまいるアドバイザー授業のスピードについていけない、宿題が終わらない、テストでうまくいかない経験が続くと、「学校に行ってもまた怒られる」「分からなくてつらい」という気持ちにつながります。
低学年では、ひらがなや計算など、目に見える「できる・できない」が比較されやすく、自己肯定感が下がりやすい時期です。
高学年や中学生では、学習内容の難しさが急に上がる時期と重なり、つまずきが見えにくくなることもあります。
宿題や授業について悩んでいる様子が見える場合は、担任の先生に状況を共有して、お子さんに合うペースを相談していくと安心です。
親と離れたくない、漠然とした不安が大きい
特に小学校低学年で多いのが、「親と離れたくない」という気持ちから登校しぶりが起こるケースです。
このような状態は、一般的に「分離不安」と呼ばれることがあります。
ひかりすまいるアドバイザー家や親元から離れることに強い不安を感じ、登校の場面でつらさが出るお子さんもいます。
学校自体が嫌なわけではなく、「お母さんと離れたくない」「家に帰れないかもしれない」という気持ちが前面に出ているケースもあります。
また、理由をはっきり言葉にできず、漠然とした不安に押しつぶされそうになっているお子さんもいます。
「何が嫌?」と聞いてもお子さん自身が分からないことがあり、答えが出ないまま朝の時間だけが過ぎていく状況になりがちです。
ここがポイント!
この場合は、原因を急いで探すよりも、まずは「不安なんだね」「離れるのが心細いんだね」と気持ちをそのまま受け止める言葉をかけてみましょう。
身体の症状や発達特性が関わるケース
朝だけの腹痛・頭痛・吐き気は、登校しぶりに伴ってよく見られる症状です。
仮病のように見えても、実際には不安や緊張、体調不良が重なって症状として出ている場合があります。
また、自律神経の働きが関係する「起立性調節障害」という、朝に体調が悪くなる病気が背景にあるケースもあります。
発達特性が関わっている場合もあります。
たとえば、集団行動が苦手、音や光に敏感、急な予定変更が苦手といった特性があると、学校生活の中でいつもより大きなエネルギーを使うため、朝になると登校に向かう気力が出にくくなることがあります。
ひかりすまいるアドバイザー体の症状が長引いている、または特定の場面で強く反応する様子が見られる場合は、小児科や児童精神科、スクールカウンセラーに相談すると、専門的な視点で見てもらえます。
登校しぶりへの親の対応|やってよいこと・避けたいこと

登校しぶりへの基本の対応は、お子さんの気持ちをそのまま受け止めることです。
「学校に行きたくない」「不安」と訴える瞬間に、否定したり原因を急いで探したりせず、まずは気持ちに寄り添う関わりが、その後の落ち着きにつながっていきます。
まずはお子さんの気持ちをそのまま受け止める
朝、お子さんが「行きたくない」と訴えたとき、最初にしてほしいのは、その気持ちを否定せずに受け止めることです。
「そっか、行きたくないんだね」「不安なんだね」と、お子さんが感じていることを言葉でなぞるだけで、緊張がふっと緩むことがあります。
逆に、「なんで?」「理由は?」と原因を急いで聞き出そうとすると、お子さん自身も理由が分からない場合に、追い詰められた気持ちになりがちです。
原因探しよりも、まずは「分かったよ」と一度受け止めてから、ゆっくり話を聞く時間を作る方が、背景にある気持ちが見えてきやすくなります。
ひかりすまいるアドバイザー特に、親と離れたくない気持ちが強く出ているお子さんには、「離れるのが心細いんだね」「いっしょにいたいんだね」と、その不安に名前をつけてあげると、本人も「自分は今、こういう気持ちなんだ」と整理しやすくなります。
不登校に関する親相談を長年受けている医師・臨床心理士のインタビュー記事でも、「どうすれば再登校できるか」と急いで結論を求めるのではなく、お子さんを信じて気持ちを受け止める関わりが推奨されています。
やってよい声かけと、避けたい声かけ
具体的な声かけの例を整理します。
| 場面 | やってよい声かけ | 避けたい声かけ |
|---|---|---|
| 「行きたくない」と言われたとき | 「そっか、行きたくないんだね」 | 「なんで?理由はあるでしょ?」 |
| 体の不調を訴えたとき | 「お腹痛いんだね、つらいね」 | 「仮病でしょ?甘えないで」 |
| 親と離れたくないと泣くとき | 「離れるのが心細いんだね」 | 「もう◯年生でしょ、しっかりして」 |
| 理由が分からないとき | 「うまく言葉にならないんだね」 | 「ちゃんと説明して」 |
| 学校を休みたいと言われたとき | 「今日はゆっくり休もうか」 | 「休んだら勉強が大変になるよ」など、不安を強める言葉 |
声かけは、内容そのものよりも、口調や表情の方が伝わる部分が大きいです。
同じ言葉でも、急いだ口調や疲れた表情で言ってしまうと、お子さんは「やっぱり迷惑なんだ」と受け取ってしまいがちです。
ひかりすまいるアドバイザー朝の忙しい時間にすべてを完璧に対応するのは難しいですが、深呼吸を一度はさんでから声をかけるだけでも、伝わり方は変わってきます。
スクールカウンセラーが監修する子育てメディアでも、「『頑張ったね』など素直にほめる」「『学校に行った』事実ではなく、『行くために努力した』行動に焦点を当てる」など、お子さん自身の努力そのものを認める声かけが共通して推奨されています。
避けたい対応とその理由
良かれと思って続けている対応でも、お子さんを追い詰めてしまうものがあります。
避けたい対応の例
- 原因を問い詰める:本人も分からないことが多く、追い詰められやすい
- 他の子と比べる:「○○ちゃんは行ってるよ」は自己否定の気持ちを強める
- 無理やり連れていく:恐怖と結びつき、登校への抵抗がさらに強まることがある
- 「明日は行ける?」と毎晩確認する:プレッシャーが翌朝の不安につながる
- 親の不安をぶつける:「このままだと将来どうするの」は、お子さんの安心感を奪う
すぐに改善しなくても焦らないことが大切です。
ひかりすまいるアドバイザー気持ちが落ち着くまでには時間がかかるお子さんもいますが、安心できる関わりを続けていくことで、徐々に表情や行動に変化が出てくることがあります。
精神科医(国立精神・神経医療研究センター)の監修により、保護者向けに公開された「学校休んだほうがいいよチェックリスト」(2023年8月公開・LINEで無料利用可能)も、お子さんを無理に登校させて追い詰めないための判断材料として東京新聞で紹介されています。
※参考:東京新聞「学校休ませた方がいい? LINEで20項目のチェックリスト 行きたくない子の様子を伝えると精神科医が回答」
ご家庭だけで抱え込まず、後ほどご紹介する相談先も活用しながら、無理のない範囲で進めていきましょう。
登校しぶりで休ませるか行かせるかの判断

登校しぶりで悩む親御さんが最も迷うのは、「今日休ませてよいのか」「行かせるべきなのか」という判断ではないでしょうか。
基本的には、お子さんの心と体の状態を優先し、無理に登校させないことが大切です。
判断のサインや、休ませた日の過ごし方を整理します。
こんなサインがあれば休ませる方が安心
朝、お子さんに以下のような様子が見られる場合は、無理に登校させず、休ませる方を選ぶのが安心です。
休ませることを検討したいサイン
- 体の不調が強い(顔色が悪い、何度も嘔吐、強い腹痛
- 頭痛)
- 泣き止まない、玄関で動けないほどの状態
- 自分を強く否定する言葉が続いている
- 気持ちが追い詰められている様子が言葉や行動に出ている
- 睡眠が極端に取れていない
- 前日から学校の話題で強い緊張
- 恐怖を示している
特に自分を強く否定する言葉が出ていたり、追い詰められた様子が見られたりするときは、無理に登校させず、すぐに専門家に相談することが大切です。
精神科医の監修により公開されている「学校休んだほうがいいよチェックリスト」(2023年8月公開・LINEで無料利用可能)も、保護者が判断に迷ったときの参考になります。
※参考:東京新聞「学校休ませた方がいい? LINEで20項目のチェックリスト 行きたくない子の様子を伝えると精神科医が回答」
何日まで様子を見るかの目安
「何日休んだら学校に連絡すべきか」「いつまで様子を見るのが適切か」という相談はよくあります。
明確な日数の決まりはありませんが、目安として整理します。
| 期間 | 対応の目安 |
|---|---|
| 1〜2日 | 一時的な疲れや不調の可能性。 ゆっくり休ませて様子を見る |
| 3日〜1週間 | 担任の先生に状況を共有し、学校での様子も確認する |
| 1〜2週間以上 | スクールカウンセラーや、地域の教育相談窓口に相談する |
| 30日を超える | 文部科学省の定義では「不登校」となり、医療・支援機関の活用を検討 |
ここに注意!
ただし、これはあくまで目安です。
1日でもつらそうな様子があれば、無理せず相談先に連絡して大丈夫です。
文部科学省も「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」の中で、予兆への対応を含めた初期段階からの組織的支援の重要性を示しています。
休ませた日の過ごし方
学校を休んだ日に、無理に勉強をさせたり、ルールを厳しくしたりする必要はありません。
休んだ日の過ごし方の例
- 朝はゆっくり起きてもOK(ただし夜更かしには注意)
- 好きなことをして気持ちをほぐす時間を作る
- 勉強は無理に進めず、「気が向いたら少し」程度で
- お子さんが話したくなったら、ゆっくり話を聞く
- 「休んでズルい」のような言葉はかけない
休ませた日は「サボらせている」のではなく、「気持ちを回復させる時間」として捉えると、親御さん自身の心も少し落ち着きます。
共働きで日中の対応が難しいご家庭もあると思いますが、完璧に寄り添えなくても大丈夫です。
ひかりすまいるアドバイザー夕方や夜にちょっと声をかける、安心できる空間を作るだけでも、お子さんには十分伝わります。
休み明けに登校を考えるときのポイント
休んだ翌日や、数日休んだ後の朝は、お子さんも親御さんも緊張しやすいタイミングです。
無理に「明日は行けるよね?」と確認するのではなく、お子さんの様子を見ながら自然に切り替えていく方が、結果的にスムーズです。
ポイントは以下のような関わり方です。
- 「明日は行く?」とプレッシャーをかけない
- 前夜に学校の話を強く出さない
- 朝、お子さんが少しでも準備できたら肯定する
- 「行けたら行こう」「無理なら休もう」と選択肢を残す
- 登校できた日に過剰に喜ばない(次へのプレッシャーになる)
休む・行くを繰り返すお子さんもいますが、それ自体が「悪い状態」ではなく、お子さんが自分のペースを探している過程と捉えることもできます。
年代別|登校しぶりの特徴と対応

登校しぶりは年代によって背景が大きく変わります。
小学校低学年は親と離れることへの不安、思春期に入ると人間関係や自分自身への悩み、高校生では進路や対人疲労が重なることがあります。
お子さんの年代に合わせた関わり方を整理します。
小学校1年生|環境の変化と親と離れる不安
小学校1年生の登校しぶりで最も多い背景は、保育園・幼稚園からの環境の変化と、親と離れることへの不安です。
時間割、集団生活、宿題、給食のルール、新しい先生やお友達など、変化が一気に押し寄せる時期です。
お子さんによっては、頭で理解していても気持ちが追いつかず、「行きたくない」「お母さんといたい」と訴えることがあります。
ひかりすまいるアドバイザーこのタイミングで親御さんがしてあげたい関わり方は、まず気持ちをそのまま受け止めることです。
「離れたくないんだね」「不安だね」と気持ちに名前をつけてあげるだけで、お子さんは落ち着きやすくなります。
また、可能なら以下のような工夫も助けになります。
- 登校前に少しスキンシップの時間を作る
- 玄関までいっしょに行く、または学校の手前まで送る
- 帰ってきたときに「おかえり」と笑顔で迎える
- 寝る前に翌日の不安を聞いて受け止める
なお、文部科学省の最新の調査によると、小中学校の不登校児童生徒数は近年増加していますが、新規不登校児童生徒数や不登校継続率は前年より減少しており、状況には変化の兆しも見えています。
小学校中学年〜高学年|思春期入り口の揺れ
小学校3〜6年生になると、お子さんは自分の気持ちを少しずつ言葉にできるようになりますが、思春期の入り口でもあり、感情の揺れが大きくなる時期です。
この年代の登校しぶりの背景には、次のようなものがあります。
- 友人関係の複雑化(グループ、仲間外れの感覚)
- 勉強の難しさが急に上がる
- 先生との相性、評価のされ方への敏感さ
- 自分への自信が揺らぐ
「うまく言葉にできない」「親に話すと心配されるから言わない」というお子さんも増えてきます。
直接「何があったの?」と聞くよりも、好きなことを一緒にしている時間にふと話しやすくなることもあります。
また、この時期は親御さんに反発する一方で、内心では支えを求めている時期でもあります。
ひかりすまいるアドバイザー「気にしているよ」というメッセージを、押しつけにならない形で伝え続けることが、結果的に話しやすい空気につながります。
中学生|人間関係と進路、自分の意味への悩み
中学生になると、登校しぶりの背景はさらに複雑になります。
中学生で多い背景
- 友人関係の複雑化(グループ内の力関係、SNSでのやり取り)
- 部活動の人間関係や負担
- 学習内容の急激な難化
- 受験
- 将来への不安
- 思春期特有の感情の揺れ、自分とは何かという問い
- スマホやSNSを通じたトラブル
中学生のお子さんに対しては、本人の自立を尊重する関わりが大切です。
「親に話したくない」気持ちも自然なものとして受け止め、無理に聞き出さない姿勢を保つ方が、結果的に話してくれる場面が増えていきます。
ひかりすまいるアドバイザーまた、中学生は人と関わること自体に疲れていることも多く、家の中だけは静かに過ごせる時間を確保してあげることが、心の回復につながります。
文部科学省の調査では、不登校の中学生が「最初に学校に行きづらいと感じたきっかけ」として、「インターネット、ゲーム、動画視聴、SNS」が17.3%、「学業の不振」「友人関係をめぐる問題」なども多く挙げられています。
背景は一つではなく、複数が重なっていることがほとんどです。
高校生|進路の重圧と対人疲労
高校生の登校しぶりは、進路の重圧、対人疲労、自分の生き方への悩みなど、より深い背景を持つことが多くなります。
高校生で多い背景
- 進路(大学受験、就職)への重圧
- 授業内容と自分の興味のずれ
- 対人疲労(教室で過ごすこと自体がしんどい)
- 自分の生き方への問い、無気力感
- アルバイトや家庭環境とのバランス
高校生は中学生以上に、本人の意思とプライバシーを尊重する関わりが大切です。
「どうしたの?」を繰り返すよりも、「いつでも話していいよ」というメッセージを言葉と態度で伝え、お子さんが自分のペースで動けるよう見守る姿勢が向いています。
高校生の場合、登校できない日が続くと「単位」「進級」「卒業」が関わってくるため、出席日数や評価のあり方について、学校に早めに相談しておくことが安心につながります。
ひかりすまいるアドバイザー通信制高校や、進路の選び直しという選択肢もあるため、本人と一緒に少しずつ話せる土壌を作っていけると安心ですね。
親が「疲れた」「もう限界」と感じたときの考え方

お子さんの登校しぶりが続くと、親御さん自身がぐったり疲れてしまうことは、ごく自然な反応です。
「自分が頑張れていないからだ」と責める必要はなく、親御さん自身が休んだり、相談したりすることが、ご家庭全体の落ち着きにつながっていきます。
親が疲れるのは自然な反応
毎朝、お子さんと向き合い、声をかけ、見送り、仕事に向かう。
日中も気がかりで、帰ってきてもまた向き合う。
これだけのことを毎日続けていれば、疲れない方が不自然です。
「自分はうまく対応できていない」「他の親はもっと頑張っているのでは」と感じる必要はありません。
お子さんの不安と毎日向き合うこと自体が、想像以上に体力と気力を使う時間です。
ひかりすまいるアドバイザー疲れているときは、無理に対応のレベルを上げようとせず、「今日はこれだけできた」と最低限を肯定するだけで十分です。
自分を責めない、罪悪感を持たなくていい
「子育てを間違えたのかも」「自分のせいで登校しぶりになったのかも」と、自分を責めてしまう親御さんも少なくありません。
文部科学省も、不登校支援の方針として「不登校は、どの児童生徒にも起こり得るもの」「特定の子どもに特有の問題があることによって起こることではない」と明示しており、お子さんの登校しぶりや不登校は、親御さんの育て方だけが原因ではないとされています。
罪悪感や自責の気持ちは、お子さんへの関わり方にも影響しやすいので、できるだけ早めに第三者と話して気持ちをほぐすことをおすすめします。
仕事をどうするかは、ひとりで急いで決めない
お子さんが登校しぶりの状態になると、特に小さなお子さんを抱えるご家庭では、「仕事をどうするか」という現実的な悩みが一気に押し寄せます。
ただ、ここで大切なのは、ひとりで短期的に判断しないことです。
「もう仕事を辞めるしかない」「明日からどうしよう」と切迫した状態で決めると、後から後悔につながりやすくなります。
まずは目の前の数日〜1週間の対応を、家族や周囲の人と相談しながら整えていく方が現実的です。
仕事のことを考えるときに整理したいこと
- 配偶者や同居家族と、当面の役割分担を話し合う
- 職場の上司や人事に状況を伝え、休暇
- 在宅勤務などの調整ができるか確認する
- 学校の担任やスクールカウンセラーと、お子さんの状態と家庭の状況を共有する
- 自治体の家庭児童相談室や教育相談センターに、対応の選択肢を相談する
- 退職
- 転職などの大きな決断は、お子さんの状況が落ち着いてから改めて考える
ひとり親のご家庭や、頼れる人が身近にいない場合は、自治体の窓口やスクールソーシャルワーカーに「自分ひとりでは難しい」とそのまま伝えてみてください。
家庭の状況に応じた支援につながる可能性があります。
ひかりすまいるアドバイザーひとりで抱え込み、短期で結論を出そうとしないことが、結果的にお子さんとご家庭を守ることにつながります。
親自身も相談できる場所がある
親御さん自身が「もう限界」と感じたときは、ひとりで抱え込まず、相談できる場所につながってください。
文部科学省は、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが「保護者支援」の役割を担うことを明示しており、お子さんの相談だけでなく、親御さん自身の気持ちの相談先としても活用できます。
親御さん自身が活用できる相談先の例
- スクールカウンセラー(学校に在籍)
- スクールソーシャルワーカー(教育委員会経由)
- 自治体の教育相談センター
- 自治体の家庭児童相談室
- 国立成育医療研究センターなど、子どもの心の専門医療機関
「自分の話を聞いてほしい」というだけでも、相談先につながる理由として十分です。
登校しぶりが続くときの相談先と学校との関わり方

登校しぶりが続いてご家庭だけで抱え込まないために、相談できる窓口を知っておくと安心です。
担任の先生、スクールカウンセラー、自治体の教育相談センター、医療機関など、状況に応じて使い分けられる選択肢があります。
担任の先生への相談|伝え方のコツ
学校での様子と家庭での様子をすり合わせるために、担任の先生への相談は有効です。
ひかりすまいるアドバイザーただ、登校しぶりや不登校の相談は、親御さんにとって心理的なハードルが高いものです。
「責められるのではないか」「うちだけ問題視されるのでは」と感じてしまうこともあります。
伝え方のコツとしては、以下のような流れが取りやすいです。
- 最初は連絡帳や電話など、対面以外の方法でも構わない
- 「家でこういう様子があり、相談したいことがあります」と事実を共有する
- 原因を探るより、当面の対応について意見を聞きたいというスタンスで
- 面談を希望する場合は、時間と場所を相談する
担任の先生も、お子さんの様子について家庭からの情報を得たいと思っているケースが多いです。
「責められる」ではなく「協力する」関係として捉えると、話しやすくなります。
スクールカウンセラーへの相談
スクールカウンセラーは、学校に在籍している心理の専門家で、お子さんと親御さんの両方の相談を受けられます。
文部科学省も、スクールカウンセラーが「保護者支援」を担う役割を明示しており、お子さんを連れていく必要はなく、親御さんだけで相談に行くこともできます。
スクールカウンセラーへの相談で得られるもの
- お子さんの状態を心理の視点から整理してもらえる
- 親御さん自身の気持ちを聞いてもらえる
- 必要に応じて、外部の支援機関を紹介してもらえる
予約方法は学校によって異なるため、担任の先生または学校の事務窓口を通じて確認できます。
教育支援センター・自治体の相談窓口
学校以外の選択肢として、自治体が運営する相談窓口があります。
代表的な相談先
- 教育支援センター(旧
- 適応指導教室):学校に通えないお子さんのための公的な居場所
- 自治体の教育相談センター:電話
- 面談で相談を受け付ける
- 自治体の家庭児童相談室:家庭全体の状況を含めて相談できる
教育支援センターは、お子さんが学校以外で過ごせる公的な居場所として、全国の自治体に設置されています。
在籍校との連携があるため、通った日が出席扱いになる場合もあります。
ひかりすまいるアドバイザー詳しくは、お住まいの自治体のホームページや教育委員会で確認できます。
医療機関に相談すべきサイン
以下のような様子が続く場合は、児童精神科や小児科、心療内科への相談も選択肢になります。
- 腹痛
- 頭痛
- 吐き気などの体の不調が長く続いている
- 夜眠れない、朝起きられない状態が1〜2週間以上
- 気持ちの落ち込みが強く、好きなことにも反応しない
- 強い不安や恐怖を訴える
- 自分を強く否定する言葉が続いている
国立成育医療研究センターのような子どもの心の専門医療機関のほか、地域の小児科でも初期相談には対応してもらえます。
「どこに行けばいいか分からない」場合は、まずスクールカウンセラーや自治体の窓口に相談し、適切な紹介先を聞くと進めやすくなります。
学校以外の選択肢

学校に通うのが難しい時期があったときに、知っておきたい選択肢があります。
教育支援センター、フリースクール、通信制学校など、お子さんに合った居場所を探せる仕組みが整いつつあります。
教育支援センター|自治体が運営する公的な居場所
教育支援センター(旧・適応指導教室)は、学校に通うのが難しい時期のお子さんのために、自治体が運営している公的な居場所です。
主な特徴
- 自治体(教育委員会)が運営しているため、利用料は無料または低額
- 学校との連携があり、通った日が出席扱いになる場合がある
- 学習支援、相談、軽い活動など、お子さんのペースに合わせて過ごせる
- 通うかどうかは、お子さんの気持ちを尊重して決められる
詳しくは、お住まいの自治体のホームページや、学校の担任・スクールカウンセラーに確認できます。
フリースクール|民間が運営する多様な居場所
フリースクールは、民間が運営している、学校に通えない時期のお子さんの居場所です。
主な特徴
- 運営形態や活動内容がスクールによってさまざま
- 通学型、オンライン型、合宿型など多様なスタイルがある
- 学校との連携で、出席扱いになる場合もある
- お子さんが安心して過ごせる雰囲気を重視している場所が多い
近年は、東京都のようにフリースクール等の利用料を助成する自治体も出てきています。
ただし、助成制度の有無や対象条件、金額は自治体によって大きく異なります。
ひかりすまいるアドバイザー利用を検討する場合は、お住まいの自治体の教育委員会や公式ホームページで確認しておくと安心です。
スクールごとに方針や雰囲気は異なるため、ご家庭とお子さんに合うかどうかは、見学や資料請求で確認していくと安心です。
通信制高校・サポート校|中学生・高校生の選択肢
中学生・高校生のお子さんで、通学のスタイルそのものを変えたい場合は、通信制高校やサポート校という選択肢もあります。
主な特徴
- 通学日数が週1〜5日など柔軟に選べる
- 自宅学習中心のスタイルが基本
- サポート校は、通信制高校に在籍するお子さんの学習
- 生活面を支援する施設
- 通信制高校に在籍することで、高校卒業資格の取得を目指せる
中学生の場合は、現在の中学校に在籍したまま、卒業後の進路として通信制高校を検討する形になります。
高校生の場合は、転入・編入が可能です。
COCOLOプラン|誰一人取り残されない学びの保障
文部科学省は、令和5年に「COCOLOプラン(誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策)」を公表し、学校以外の多様な学びの場の整備を進めています。
このプランの中では、不登校により学びにアクセスできないお子さんをゼロにすることを目指し、教育支援センターの設置・充実、フリースクールと学校の連携強化、自治体による補助制度の拡充など、複数の施策が示されています。
学校に行きにくい時期があっても、地域の中で別の居場所や学びの選択肢にアクセスしやすい仕組みが、少しずつ整ってきています。
ひかりすまいるアドバイザーお住まいの自治体や教育委員会に問い合わせると、利用できる窓口や制度を確認できます。
登校しぶりに関するよくある質問
登校しぶりについて、ご家庭からよくいただく質問をまとめます。

登校しぶりは甘えですか?
甘えではありません。
登校しぶりは、お子さんが「不安」「疲れ」「困りごと」を、行動として表現しているサインです。
甘えに見える行動の裏側には、お子さん自身がうまく言葉にできない感情や、環境への戸惑いが隠れていることが多くあります。
「甘え」と決めつけて叱ると、お子さんは気持ちを話せなくなり、状況がこじれる可能性があります。
まずは「行きたくないんだね」と気持ちを受け止めるところから始めると、本人も自分の状態を整理しやすくなります。
登校しぶりはいつまで続きますか?
期間はお子さんによってさまざまです。
数日で落ち着く場合もあれば、数週間〜数か月続く場合もあります。
「いつまで」と期限を区切るよりも、お子さんの様子を見ながら関わり方を整えていく方が、結果的に落ち着きにつながります。
長引いて不安が大きくなる場合は、ご家庭だけで抱え込まず、担任の先生やスクールカウンセラー、自治体の教育相談センターなどに、早めに相談先を広げていくと安心です。
共働きで日中の対応が難しいときはどうすればいいですか?
ひとりで抱え込まず、まず家族や周囲の人と話し合うことが大切です。
配偶者や同居家族との役割分担、職場との調整、学校やスクールカウンセラーへの相談、自治体の家庭児童相談室など、活用できる選択肢を整理してから動くと、現実的な対応につながります。
「自分ひとりでは難しい」とそのまま伝えるだけでも、地域の支援窓口は対応してくれるところが多いです。
担任に相談しても改善しないときはどうすればいいですか?
担任の先生だけで状況が動かないときは、スクールカウンセラーや学年主任、自治体の教育相談センターに相談先を広げる方法があります。
家庭・学校・専門家がそれぞれ別々に動くのではなく、お子さんの状態と関わり方を共有しながら進めることが大切です。
スクールソーシャルワーカーは、家庭と学校・関係機関の調整役として相談できる存在です。
まとめ|登校しぶりは焦らず一緒に整理することから

最後にこちらの記事をまとめていきましょう。
こちらの記事では、
- 登校しぶりの主な原因と背景
- 休ませるか行かせるかの判断ポイント
- 年代別の対応と声かけのコツ
- 親御さんが疲れたときの考え方と相談先
- 学校以外の選択肢
などについてご紹介しました。
【登校しぶりに向き合うときに大切にしたいこと】
- お子さんの気持ちを否定せず、そのまま受け止める
- 「親と離れたくない」「漠然とした不安」も大切な背景として捉える
- 休ませる判断は、お子さんの心と体の状態を優先する
- 親御さん自身も疲れていることを認めて、ひとりで抱え込まない
- 担任、スクールカウンセラー、自治体の窓口など、複数の相談先につながっておく
登校しぶりは、原因をひとつに決めつけず、お子さんの心と体の状態を見ながら、学校や相談先と一緒に整理していくことが大切です。
※対応の選択は、お子さんの年齢や状況によって変わってきます。
ひかりすまいるアドバイザー記事内でご紹介した情報を参考に、ご家庭に合った関わり方を整えていただけたら幸いです。
登校しぶりは、お子さんからの大切なメッセージのひとつだと言われます。
原因を急いで突き止めなくても、無理に「いつまで」と区切らなくても大丈夫です。
朝のやり取りに疲れた日は、親御さんご自身もどうか休んでくださいね。
お子さんとご家庭が落ち着きを取り戻せる関わり方を、焦らず、一緒に整えていきましょう。




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