「学校に通えていなくても、海外留学はできるのかな…」
「英語力や成績表、費用はどのくらい必要なんだろう…」
「環境を変えることが、進路を考えるきっかけになるのかな…」
不登校の期間がある中学生・高校生でも、参加できる短期留学や海外高校への進学支援は実際にあります。
英語力を問わない体験プログラムや、通信制高校に在籍しながら留学できる場合もあります。
ただし、留学は不登校の状況を解決する特別な方法ではありません。
国・学校・期間によって、参加条件や費用、現地で受けられる支援、単位の扱いが異なります。
保護者の声日本の学校から離れることが、「逃げ」にならないかも気になります。
ひかりすまいるアドバイザー留学は、環境や学び方を変える選択肢の一つです。
海外で何を経験したいのか、現地の支援や費用、帰国後の進路を分けて確認すると、ご家庭に合うか考えやすくなります。
この記事では、全国のフリースクールや不登校後の進路を紹介してきたひかりすまいる編集部が、
- 不登校経験者を対象とした実際の留学募集
- 留学で考えられるメリットとリスク
- 国や期間によって異なる費用
- 通信制高校の在籍・単位認定
- 留学後に考えられる進路
などについて、保護者向けにわかりやすくご紹介します。
不登校からの留学とは?「逃げ」ではなく選択肢の一つという捉え方

不登校の期間があるお子さんにとっても、海外留学は検討できる進路の一つです。
ただし、海外へ行けば現在の悩みがすべて解消されるわけではありません。
留学の目的や期間、現地での過ごし方がお子さんの希望や状態に合っているかを分けて考える必要があります。
まずは、不登校から留学を考えるときに生まれやすい迷いと、主な留学の種類を整理していきます。
「不登校 留学」と検索する親御さんが抱えやすい迷いを整理する
不登校からの留学を調べている親御さんのなかには、期待と不安の両方を感じている方も多いのではないでしょうか。
- 学校へ通えていなくても留学できるのか
- 成績表や出席日数が足りなくても受け入れてもらえるのか
- 英語が得意でなくても現地で生活できるのか
- 留学後に日本の高校や大学へ進めるのか
- 途中で続けられなくなった場合はどうなるのか
留学会社のサイトでは、留学後の変化やメリットが大きく紹介されていることもあります。
一方で、学校への出願条件、ビザ、滞在先、費用、日本の在籍校での単位認定などは、国や学校、プログラムによって異なります。
「海外なら通えるかもしれない」という期待だけでなく、どのような留学なら現実的に続けられるのかまで確認することが大切です。
留学は「治療」でも「逃げ」でもなく、環境を変える選択肢の一つ
不登校から海外留学を考えることを、「日本の学校から逃げることではないか」と心配する親御さんもいます。
ひかりすまいるアドバイザーしかし、留学は日本の学校へ通えない状態を治すための方法でも、現在の状況から逃れるためだけの方法でもありません。
海外で学びたいことがある、異なる教育環境を経験したい、現地の高校卒業資格を取得したいなど、目的に合わせて選ぶ進路の一つです。
学校に行きづらくなった理由は、お子さんによって異なります。
生活する国や学校を変えても、言葉や人間関係、集団生活などに負担を感じる可能性はあります。
そのため、「環境を変えれば通える」と決めつけず、次の点を分けて確認しておく必要があります。
- お子さん自身が留学を希望しているか
- 海外で経験したいことがあるか
- 寮やホームステイで生活できそうか
- 困ったときに相談できる支援体制があるか
- 帰国後の進路をどのように考えているか
留学を選ぶ場合も、国内の学校や通信制高校、フリースクールなどを選ぶ場合も、どちらが優れているというものではありません。
ここがポイント!
現在のお子さんとご家庭にとって、続けられる可能性のある環境かどうかが判断の中心になります。
まず知っておきたい留学の主な種類
留学は、目的や期間によって内容が大きく異なります。
JASSOでは、海外留学の種類として、語学留学、高校以下の学校への留学、大学などの高等教育機関への留学を紹介しています。
中学生・高校生が検討しやすい主な留学は、次のとおりです。
| 留学の種類 | 主な内容 |
|---|---|
| 語学留学 | 語学学校などで外国語を学ぶ |
| 短期・体験留学 | 数週間から3か月未満を中心に海外生活を体験する |
| 交換留学 | 日本の学校に在籍しながら、提携校などで一定期間学ぶ |
| 正規・卒業留学 | 現地の学校に入学し、高校卒業資格などの取得を目指す |
短期・体験留学は、春休みや夏休みを利用するプログラムもあり、長期間の渡航を決める前に海外生活を経験する方法として検討できます。
交換留学や正規留学では、現地校の授業を受けるための語学力や学力、成績証明書などを求められる場合があります。
留学の名称が同じでも、参加条件や現地で受けられる支援は異なります。
ひかりすまいるアドバイザー「不登校の受け入れ実績がある」という説明だけでなく、どの学校で何を学び、どの資格や単位につながるのかまで確認が必要です。
留学が注目される背景と、あくまで「合う子に合う」という前提
海外留学は、一部の高校生だけが選ぶ特別な進路とは限りません。
文部科学省の令和5年度調査では、高校生の海外研修旅行など3か月未満の渡航は31,711人、3か月以上の留学は3,174人でした。
渡航先は、3か月未満ではオーストラリア、アメリカ、台湾などが多く、3か月以上ではカナダ、アメリカ、ニュージーランドなどが上位となっています。
ただし、この調査は高校生全体を対象としたものであり、不登校を経験した高校生に限定した調査ではありません。
この数字から、不登校から留学した場合の成果や、留学後に学校へ通えるようになる割合は分かりません。
ひかりすまいるアドバイザー海外という異なる環境が合うお子さんもいれば、言葉や生活習慣の変化が新たな負担になるお子さんもいます。
留学を前向きな選択肢として考えながらも、「留学すれば変われる」と期待を集中させず、本人の希望、生活面の準備、現地の支援、費用、帰国後の進路まで含めて判断することが大切です。
不登校の期間があっても留学できる?実際の募集例と参加条件

不登校の期間がある中学生・高校生を対象にした海外留学や、学校に通いづらいお子さんの参加を想定したプログラムは実際にあります。
ここに注意!
ただし、「不登校でも留学できる」と案内されていても、希望すれば無条件で参加できるわけではありません。
短期の体験留学は運営団体の参加条件、海外の学校へ入学する留学は現地校の審査によって決まります。
年齢、英語力、成績、現在の生活状況などを確認し、お子さんに合う受け入れ先を探す形が基本です。
実際に不登校経験者を対象とした留学が募集されている
ひかりすまいるアドバイザー不登校経験のある中学生・高校生に対応する留学支援会社では、短期留学や海外高校への留学を案内しています。
2026年8月6日時点で確認できる募集例は、次のとおりです。
| 募集・プログラム | 主な内容 |
|---|---|
| ターニングポイント | 中学1年生~高校1年生を対象とした、ニュージーランド9日間の留学体験ツアー |
| WSOセンター | 13~17歳を対象とした、ニュージーランドでの4週間以上または10週間の留学 |
ターニングポイントは、日本の学校に通いづらいお子さんへの留学支援を行っている会社です。
2026年10月に実施するニュージーランド留学体験ツアーでは、英語力を不問とし、日本からスタッフが同行します。
現地高校の視察やホームステイを含む9日間のプログラムです。
WSOセンターは、不登校や長期欠席を経験した中学生・高校生を対象とする「リスタート留学」を扱っています。
2026年の公式募集ページでは、ニュージーランドの語学学校や現地中学・高校で学ぶ、4週間以上の短期留学や10週間のワンターム留学が案内されています。
※出典:WSOセンター「短期留学」
募集時期、対象年齢、費用、参加条件は変更されます。
記事公開後も募集が続いているとは限らないため、申し込み前には各運営会社の公式情報を確認する必要があります。
小学生・中学生・高校生で参加できる留学は異なる
留学できる年齢は、国や学校、ビザ、滞在方法によって異なります。
| 年代 | 主に確認したいこと |
|---|---|
| 小学生 | 保護者の同行、受け入れ校、現地での監護体制 |
| 中学生 | 寮やホームステイ、現地の責任者、帰国後の学年 |
| 高校生 | 入学条件、単位認定、卒業資格、帰国後の進路 |
たとえば、イギリスのChild Student visaは、4~17歳がイギリスの私立学校で学ぶ場合に利用できるビザです。
カナダでは、17歳未満のお子さんが保護者を伴わずに留学する場合、原則として現地のカストディアンが必要です。
カストディアンとは、カナダで未成年者の生活を支える責任者を指します。
アメリカでは、F-1ビザによる公立小学校への留学は認められていません。
公立高校への留学も、最長12か月という制限があります。
小学生から参加できる留学はありますが、「小学生・中学生・高校生の誰でも、同じ条件で留学できる」という仕組みではありません。
※出典:イギリス政府「Child Student visa」/カナダ政府「Studying in Canada as a minor」/アメリカ国務省「Foreign Students in Public Schools」
英語力や学力に自信がなくても参加できる?
英語力を問わない短期留学はありますが、すべての留学で英語力や学力が不問になるわけではありません。
実際に、ターニングポイントが2026年に募集している9日間の留学体験ツアーは、英語力不問とされています。
ひかりすまいるアドバイザー一方、海外の中学校・高校へ入学し、現地の授業を受ける留学では、学校ごとに入学条件があります。
確認される可能性があるのは、次のような内容です。
- 現在の英語力
- これまでの学習状況
- 本人が留学を希望しているか
- 海外で学びたい目的
- 寮やホームステイで生活できるか
- 現地で必要な支援内容
留学を申し込む時点で、英語を流ちょうに話せる必要があるとは限りません。
ただし、「不登校経験者を受け入れているから、英語力や学力をまったく確認されない」とは限らない点に注意が必要です。
短期の体験留学と、海外高校の卒業を目指す留学は、分けて考える必要があります。
成績表や出席日数が足りない場合はどうなる?
成績表の評価がついていない場合や欠席日数が多い場合でも、相談できる留学支援会社はあります。
ただし、成績表や出席日数を確認せずに、海外の学校へ入学できるとは限りません。
海外教育研究所では、不登校期間のあるお子さんの留学について、本人の希望や不登校の期間、欠席中の過ごし方、年齢、語学力などにより、受け入れ可否が変わると説明しています。
海外の学校へ受け入れを打診する際に必要となる書類の例として、次のものが挙げられています。
- 過去2年分の英文成績証明書
- 不登校の期間や現在の状況に関する記録
- 本人が書いたエッセイ
- フリースクールや塾などによる評価書
- 必要に応じて医師の診断書など
すべての学校で同じ書類が必要になるわけではありません。
ひかりすまいるアドバイザー成績がついていない教科がある場合や、長期間学校へ通っていない場合は、候補となる学校へ状況を伝え、受け入れが可能か個別に確認することになります。
留学エージェントが相談を受け付けていても、最終的に入学を認めるのは海外の学校です。
「不登校でも必ず入学できる」という意味ではありません。
長期留学を決める前に短期で体験する方法もある
海外高校への入学をすぐに決めず、数週間程度の短期留学から検討する方法もあります。
短期留学では、英語力だけでなく、次のような点を実際に確認できます。
- 家族と離れて過ごせるか
- ホームステイや寮で生活できそうか
- 食事や生活時間の変化に対応できるか
- 困ったときに現地スタッフへ相談できるか
- 海外でさらに学びたいと感じるか
ターニングポイントの9日間の引率付きツアーや、WSOセンターの4週間以上の留学など、不登校経験のあるお子さんを想定した短期プログラムも募集されています。
ただし、短期間であれば負担が少ないとは限りません。
本人が海外留学を希望しているか、生活環境の変化を受け止められそうか、困ったときの支援があるかまで確認することが大切です。
短期留学は、長期留学へ進むためだけのものではありません。
海外での生活がお子さんに合うかを確認し、帰国後に別の選択肢を考えるための経験としても利用できます。
不登校からの留学で考えられるメリット

留学では、語学だけでなく、生活環境や人との関わり方にも変化があります。
一般社団法人海外留学協議会(JAOS)が、留学経験のある小中高生の保護者262人に行った調査では、帰国後の変化として「語学力・学習意欲の向上」が51%、「将来を考えるようになった」が42%、「積極性が増した」が32%でした。
この調査は、不登校経験の有無を分けず、留学を経験した小中高生の保護者全体から寄せられた回答です。
不登校の状況が改善したことを示すものではありませんが、留学後に保護者が感じた変化の一例として参考にできます。
自信を持ち直すきっかけになる場合がある
日本の学校でうまくいかない経験が続くと、お子さんが自分の力を低く感じてしまうことがあります。
留学先では、移動や買い物、必要なことを相手に伝えるなど、自分で対応する場面が増えます。
現地スタッフやホストファミリーの支援を受けながら、できることが増える経験が、自信につながる場合があります。
ただし、海外生活が負担になることもあります。
ひかりすまいるアドバイザー留学すれば自信を取り戻せると決めつけず、困ったときに相談できる体制も確認しておくことが大切です。
過去を知らない環境で新しい人間関係を築ける場合がある
海外の学校では、日本での欠席状況や過去の人間関係を知らない人たちと出会います。
以前の学校で持たれていた印象から離れ、新しい関係を築けることは、留学を考える理由の一つです。
ひかりすまいるアドバイザー一方で、海外でも人間関係の悩みがなくなるわけではありません。
言葉や文化の違いに加え、寮やホームステイ先の生活習慣に合わせる必要もあります。
現地で無理なく過ごせる人数や生活スタイル、相談相手の有無まで確認しておくと安心です。
語学力や自分で生活する力を身につける機会になる
留学中は、授業だけでなく、買い物や移動、ホストファミリーとの会話などでも現地の言葉を使います。
JAOSの調査では、帰国後に「語学力・学習意欲が向上した」と回答した保護者が51%でした。
生活面でも、自分の持ち物や予定を管理する場面が増えます。
ただし、海外で生活するだけで自然に語学力や自立心が身につくとは限りません。
現在できることと、現地で支援が必要なことを分けておくと、本人だけに負担が集中しにくくなります。
※出典:一般社団法人海外留学協議会(JAOS)「小中高生の留学に関する実態調査レポート2025」/JASSO「留学に必要な条件」
これまで知らなかった世界に触れ、考え方が変わるきっかけになる
ひかりすまいるアドバイザー日本では、住んでいる地域によって通う学校が決まり、同じ地域や年代の人たちと過ごす時間が長くなります。
留学先では、国籍や文化、家庭環境、得意なことが異なる人たちと出会います。
授業の進め方や科目の選び方、進路に対する考え方も、日本と同じではありません。
異なる価値観に触れることで、次のような気づきにつながる場合があります。
- 学校や学び方にはさまざまな形がある
- 自分の当たり前が世界共通とは限らない
- 日本の学校での経験だけで将来が決まるわけではない
- 自分に合う環境や進路は一つではない
JAOSの調査でも、42%の保護者が、留学後にお子さんが「将来について考えるようになった」と回答しています。
留学経験そのものが進学を保証するわけではありませんが、日本の高校へ戻る、通信制高校で学ぶ、海外の高校を卒業するなど、進路を考える材料が増えることがあります。
※出典:一般社団法人海外留学協議会(JAOS)「小中高生の留学に関する実態調査レポート2025」/JASSO「留学準備を始める前に」
見落としたくないデメリット・リスクと、その備え方

留学は環境を変えられる一方で、言葉や文化、生活習慣の違いが新たな負担になることもあります。
「海外へ行けば状況が変わる」と期待を集中させず、続けられなくなった場合も含めて準備しておくことが大切です。
言葉や文化の違いが負担になることがある
留学先では、授業だけでなく、買い物や移動、寮・ホームステイでの生活にも現地の言葉を使います。
自分の体調や困りごとを十分に伝えられず、負担を抱えてしまう場合もあります。
食事、生活時間、集団生活のルールなど、日本との違いに戸惑うこともあるでしょう。
渡航前には、次のような支援を確認しておくと安心です。
- 日本語で相談できる窓口
- 夜間や休日の緊急連絡先
- ホストファミリーや寮を変更できる条件
- 学校内の留学生サポート
- 体調を崩した場合の対応
ひかりすまいるアドバイザー本人の努力だけに任せず、困ったときに周囲が気づける体制があるかも確認する必要があります。
留学すれば不登校の状況が解決するとは限らない
海外へ移ることで、以前とは違う過ごし方ができるお子さんもいます。
一方で、学校に行きづらくなった背景や生活上の負担が、環境を変えるだけでは軽くならない場合もあります。
海外でも授業、提出物、出席、寮生活などの決まりがあるためです。
ひかりすまいるアドバイザー留学の目的を「学校へ通えるようになること」だけにすると、思うように参加できなかったときに、本人もご家庭も落胆しやすくなります。
海外生活を経験したい、異なる学び方を知りたいなど、本人が留学に何を求めているのかを確認することが大切です。
予定より早く帰国する場合もある
体調、生活環境、費用などの事情により、予定していた期間より早く帰国することもあります。
JASSOの令和7年度調査では、留学経験者の8.4%が予定より期間を短縮したと回答しました。
短縮した理由には、健康上の理由や経済的な理由などが含まれています。
(この調査は20〜49歳の留学経験者を対象としており、不登校経験のある中高生に限定した数ではありません。)
リスクを減らすために渡航前に確認したいこと
留学先を決めるときは、学校や滞在先だけでなく、緊急時や帰国時の対応まで確認します。
| 確認項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 現地の支援 | 日本語相談、緊急連絡、学校との連携 |
| 滞在先 | 寮・ホームステイのルール、変更条件 |
| 費用 | 追加費用、返金条件、途中帰国時の負担 |
| 保険 | 治療費、救援費用、損害賠償などの補償 |
| 日本の学校 | 学籍、単位、進級・卒業への影響 |
| 帰国後 | 相談先、進路、学びを続ける方法 |
JASSOでは、短期・長期を問わず、事故や病気に備えた保険への加入を案内しています。
国や学校によっては、指定された保険への加入が入学やビザの条件になる場合もあります。
外務省は、3か月未満の渡航では「たびレジ」への登録、3か月以上の滞在では在留届の提出を案内しています。
ひかりすまいるアドバイザー渡航先の安全情報や現地の連絡先も、出発前に確認しておきましょう。
うちの子に留学は合う?渡航前に確認したいこと

留学が合うかどうかは、不登校の期間や成績だけでは判断できません。
本人が海外へ行くことをどう感じているか、家族と離れた生活を受け止められそうか、現地で困ったときに頼れる人がいるかなど、生活面まで含めて考える必要があります。
ここで紹介する項目は、留学の可否を決める診断ではありません。
今すぐ渡航するか、もう少し準備するかを整理するための確認項目です。
留学を具体的に検討しやすい状態
次のような様子がある場合は、留学について具体的な情報を集めやすい段階と考えられます。
- 本人が海外での生活に関心を持っている
- 行ってみたい国や学びたいことがある
- 家族と離れることを本人なりに考えられる
- 困ったときに周囲へ伝えようとする気持ちがある
- 寮やホームステイの生活を受け入れられそう
すべてに当てはまる必要はありません。
ひかりすまいるアドバイザー英語力や生活面に不安があっても、現地スタッフの同行や日本語相談に対応した短期プログラムを選べる場合があります。
ここがポイント!
大切なのは「不登校だから海外へ行く」のではなく、本人が留学先で経験したいことを少しでも持っているかどうかです。
※出典:JASSO「留学までの準備」
心と生活の準備が整っているか確認する
渡航前は、語学力や成績だけでなく、現地での生活と支援体制も確認します。
本人の気持ち
- 海外へ行くことを本人も希望している
- 留学先でやってみたいことがある
- 不安に感じていることを確認できている
現地での生活
- 寮・ホームステイの違いを理解している
- 食事や生活時間の違いを確認している
- 服薬や通院がある場合の対応を確認している
- 家族との連絡方法や頻度を決めている
学校・サポート
- 授業内容と入学条件を確認している
- 日本語で相談できる窓口がある
- 緊急時の連絡先が決まっている
- 滞在先を変更できる条件を確認している
費用・帰国後
- 授業料以外の費用も確認している
- キャンセルや途中帰国時の返金条件を確認している
- 日本の在籍校での学籍や単位を確認している
- 帰国後に考えられる進路を整理している
確認できていない項目があっても、留学できないと決まるわけではありません。
留学会社や学校へ問い合わせる内容を整理し、必要な支援を受けられるか確認する材料になります。
本人の気持ちを置き去りにせず検討する
留学は、渡航する本人の生活が大きく変わる選択です。
親御さんが「環境を変えれば通えるかもしれない」と期待していても、本人が同じように感じているとは限りません。
ひかりすまいるアドバイザー一度の話し合いで結論を出すのではなく、本人が関心を示した情報から共有する方法があります。
国や学校、費用を一度に決めず、短期留学と長期留学の違いを知るところから始めても構いません。
本人だけに判断を任せる必要もありません。
親御さんは費用や安全面、進路へのつながりを確認し、本人は現地での生活や学びに対する気持ちを伝えるなど、それぞれの立場から情報を持ち寄ることが大切です。
海外に出るだけじゃない|通信制高校に在籍しながらの留学と国内の選択肢

環境を変えたい場合も、海外の学校へ完全に移る方法だけではありません。
通信制高校に在籍しながら留学する方法や、日本国内で生活環境を変える山村留学もあります。
留学を選ばず、国内で学びや居場所を探すことも含めて比較してみましょう。
通信制高校に在籍しながら留学できる場合がある
通信制高校に在籍したまま、短期留学や海外研修へ参加できる場合があります。
文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」でも、通信制高校の生徒は、在籍校を通じて応募できると案内されています。
ただし、通信制高校であれば、どの学校でも同じように留学できるわけではありません。
渡航前には、次の内容を在籍校へ確認する必要があります。
| 確認すること | 主な内容 |
|---|---|
| 在籍の扱い | 在籍を続けるか、休学するか |
| 学習方法 | 海外でレポートやスクーリングを続けられるか |
| 単位 | 現地での履修が単位として認められるか |
| 卒業時期 | 留学によって卒業時期が変わらないか |
在籍を続けたまま留学した場合は、帰国後もそのまま学習を続けます。
休学した場合は、帰国後に復学手続きが必要です。
ひかりすまいるアドバイザー留学制度がある学校と、個人で手配した留学への対応は異なるため、留学会社へ申し込む前に学校の規定を確認しておくことが大切です。
外国の高校で学んだ内容は36単位まで認定される場合がある
高校在籍中に外国の高校で履修した内容は、日本の在籍校の校長が認めた場合、36単位を超えない範囲で自校の単位として認定できます。
ただし、36単位が自動的に認められる制度ではありません。
次のような点は、学校ごとに判断されます。
- 留学先が外国の高等学校にあたるか
- どの科目を履修したか
- 日本の高校の科目として認められるか
- 卒業に必要な必修科目を満たしているか
語学学校への短期留学や海外での体験活動が、同じように単位認定されるとは限りません。
高校生の場合は、小・中学校の「出席扱い」とは分けて考えます。
留学中の出席日数ではなく、単位、進級、卒業時期を在籍校へ確認してください。
国内で環境を変える山村留学もある
海外まで行かず、日本国内で生活環境を変える方法として山村留学があります。
山村留学は、農山村地域の共同宿泊施設や農家などで生活し、地元の学校へ通いながら自然体験や生活体験を行う取組です。
通常は1年間で、親子で転居する方式もあります。
ひかりすまいるアドバイザー海外留学との主な違いは、外国語やビザが必要ない一方、受け入れ先の地域へ転校する場合があることです。
対象学年、生活する施設、費用、帰省の頻度は受け入れ団体によって異なります。
不登校経験があれば一律に参加できる制度ではないため、現在の通学状況や必要な支援を伝えて確認します。
留学しない道も残して比較する
環境を変えたい理由によっては、海外へ行かなくても目的に近い選択肢が見つかる場合があります。
たとえば、通学日数を調整できる通信制高校、自宅から参加できるオンライン型、家以外で過ごせるフリースクールなどがあります。
親元を離れた生活を検討している場合は、全寮制の学校やフリースクールも比較できます。
ここがポイント!
留学を選ばなかったことが、消極的な判断になるわけではありません。
本人が求めているのが海外での学びなのか、現在の学校や地域から離れることなのかによって、合う選択肢は変わります。
費用、手続き、生活環境、取得できる資格まで含めて、ご家庭が続けられる方法を比較することが大切です。
不登校からの留学にかかる費用の目安と負担を抑える方法

留学費用は、渡航先や期間、滞在方法、サポート内容によって大きく変わります。
欧米への留学だけでなく、フィリピンやインドネシアなど、比較的費用を抑えた短期プログラムもあります。
候補となる国やプログラムごとに総額を確認することが大切です。
フィリピンやインドネシアなど費用を抑えやすい募集例もある
2026年に募集された中学生・高校生向けプログラムを見ると、渡航先によって参加費に違いがあります。
| 渡航先・期間 | 参加費の募集例 |
|---|---|
| フィリピン・セブ島/14日間 | 38万円 |
| インドネシア・バリ島/8日間 | 36万4,000円 |
| オーストラリア/8日間 | 56万8,000円 |
| カナダ/11日間 | 74万8,000円 |
ひかりすまいるアドバイザーフィリピンやインドネシアには、欧米より低い金額で募集されている短期プログラムがあります。
ただし、上記は留学費用の平均ではなく、2026年に実際に募集されたプログラムの一例です。
フィリピンの例は参加費として案内された金額ですが、バリ島の例には往復航空券と海外旅行保険が含まれていません。
期間や出発地、料金に含まれる内容も異なるため、金額だけの単純な比較はできません。
※出典:広島県教育委員会「短期留学プログラム参加者の募集について」/RaJA英会話スクール「2026年夏 バリ島現地校短期留学プログラム」
留学費用には何が含まれる?
留学の案内に書かれた金額が、そのまま最終的な支払総額とは限りません。
| 費用 | 主な内容 |
|---|---|
| プログラム費 | 授業料、教材費、体験活動 |
| 滞在費 | 寮、ホテル、ホームステイ、食事 |
| 渡航費 | 航空券、空港使用料、燃油代 |
| 手続き費 | ビザ、パスポート、未成年者用の申請 |
| 安全・生活費 | 海外旅行保険、交通費、通信費 |
| サポート費 | 引率、空港送迎、現地相談 |
航空券込みのプログラムもあれば、現地での授業・宿泊だけを含むプログラムもあります。
費用を比べるときは、表示料金に何が含まれ、別途いくら必要になりそうかを確認しましょう。
費用を抑えたいときに比較したいポイント
費用を抑えたい場合は、金額だけでなく、次の条件を比べます。
- フィリピンなどアジア圏のプログラムも候補にする
- 航空券込みか別料金かを確認する
- ホテル・寮・ホームステイの違いを見る
- 引率や日本語サポートが必要か整理する
- 短期留学と長期留学の総額を分けて考える
- 奨学金の対象になるか確認する
ひかりすまいるアドバイザー短期留学は長期留学より総額を抑えやすい一方、航空券や保険など、期間にかかわらず必要な費用もあります。
文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」では、条件を満たす高校生に返済不要の奨学金が支給されます。
通信制高校や定時制高校の生徒も、在籍校を通して応募できます。
募集期間や対象となる留学計画が決められているため、利用を考える場合は最新の募集要項を確認する必要があります。
留学先・エージェントの選び方と渡航までの準備

留学先は、国の知名度や費用だけで決めるものではありません。
授業の内容、滞在先、現地で受けられる支援、帰国後の進路まで確認し、お子さんとご家庭が続けられるプログラムを比べることが大切です。
国を選ぶ前に「何を経験したいか」を整理する
同じ国でも、語学学校、現地高校、短期体験、卒業留学では過ごし方が異なります。
最初に、次の3点を整理します。
| 確認すること | 主な内容 |
|---|---|
| 留学の目的 | 語学、海外生活、現地高校への進学など |
| 希望する環境 | 少人数、寮、ホームステイ、日本人の人数 |
| 必要な支援 | 日本語相談、引率、学習・生活面の支援 |
不登校経験者の受け入れを掲げていても、支援内容は事業者によって異なります。
「受け入れ可能」という言葉だけでなく、学校へ通えない日があった場合の対応や、滞在先で困ったときの相談方法まで確認しましょう。
相談から渡航までは順番に準備する
JASSOでは、留学準備を次のような流れで案内しています。
- 留学の目的と期間を決める
- 国・学校・プログラムを調べる
- 入学条件と必要書類を確認する
- 出願して入学許可を得る
- ビザ・航空券・保険を手配する
- 滞在先と緊急連絡先を確認する
未成年者の留学では、保護者の同意書や現地の責任者が必要になる国もあります。
海外高校へ進学する場合は、英文の成績証明書や在学証明書などの準備にも時間がかかります。
ひかりすまいるアドバイザー申し込み期限から逆算し、学校と留学先の両方へ確認しながら進めます。
安全面と生活面も渡航前に確認する
外務省は、渡航前に海外安全情報を確認し、3か月未満の渡航では「たびレジ」へ登録するよう案内しています。
3か月以上滞在する場合は「在留届」の提出が必要です。
あわせて、次の内容も確認しておきます。
- 病気やけがをしたときに利用する医療機関
- 海外留学保険の補償内容
- 学校・滞在先・日本側の緊急連絡先
- 家族との連絡方法
- パスポートや貴重品の管理方法
- 災害や治安悪化が起きた場合の対応
現地サポートがある場合も、24時間対応とは限りません。
「困ったら連絡できる」だけでなく、誰が、何時まで、どのような内容に対応するのかまで確認しておくと安心です。
気になる帰国後の進路|留学経験をどう次につなげるか

留学後の進路には、日本の高校へ戻る、海外高校を卒業して日本や海外の大学へ進むなどの道があります。
実際に選べる進路は、留学期間、日本の高校での在籍状況、取得した単位や卒業資格によって異なります。
渡航前にすべてを決める必要はありませんが、単位や資格の扱いは確認しておく必要があります。
帰国後に日本の高校へ戻る道
日本の高校に在籍したまま留学した場合は、帰国後に同じ高校で学び続けられることがあります。
ひかりすまいるアドバイザー外国の高校で履修した内容は、日本の在籍校の校長が認めた場合、36単位を超えない範囲で自校の単位として認定できます。
ただし、外国の高校で取得した単位が自動的に認められる制度ではありません。
学校によって、次の扱いが異なります。
- 留学中に在籍を続けるか、休学するか
- 認定される科目と単位数
- 帰国後に履修が必要な科目
- 進級や卒業の時期
語学学校や短期体験プログラムでの学習は、外国の高校での履修と同じ扱いにならない場合があります。
留学先を決める前に、プログラムの内容を日本の在籍校へ伝え、単位や卒業時期への影響を確認することが大切です。
海外高校を卒業した後の進路
海外高校を卒業した後は、日本の大学へ帰国して進学する道と、海外の大学で学び続ける道があります。
日本の大学へ進む場合は、原則として、外国の正規の学校教育における12年の課程を修了していることが大学入学資格の条件です。
海外高校を選ぶときは、次の点を確認します。
- 現地で正規の学校として認められているか
- 修了までの教育課程が12年にあたるか
- 取得できる卒業資格は何か
- 希望する大学の出願資格を満たすか
国によっては、高校までの教育課程が12年未満の場合もあります。
その場合は、大学が指定する準備教育課程などの修了が必要になることがあります。
海外の大学へ進む場合も、高校の成績、履修科目、語学試験の結果、学生ビザなど、大学ごとの出願条件があります。
短期留学後に日本へ戻る、海外高校卒業後に日本の大学へ進むなど、留学した国にそのまま残ることだけが進路ではありません。
予定より早く帰国した場合も、日本の在籍校への復学や通信制高校などを検討できます。
受け入れ時期や引き継げる単位は学校ごとに異なるため、渡航前に途中帰国時の扱いも確認しておくと、帰国後の選択肢を整理しやすくなります。
不登校からの留学に関するよくある質問

不登校からの留学について、費用や英語力、日本の学校での扱いなど、よくある疑問をまとめました。
英語がまったく話せなくても留学できますか?
英語力を問わない短期の体験プログラムはあります。
一方、海外の中学校・高校へ入学して現地の授業を受ける場合は、学校ごとに英語力や学力の条件が設けられています。
語学の補習があるか、授業についていくためにどの程度の英語力が必要かを、プログラムごとに確認する必要があります。
中学生でも不登校から留学できますか?
不登校経験のある中学生を対象にした短期留学や、海外高校への進学を見据えたプログラムは実際にあります。
ただし、年齢、本人の希望、滞在先、現地の監護体制などによって参加条件は異なります。
帰国後の学年や日本の中学校での学籍についても、渡航前に在籍校へ確認しておく必要があります。
まずは短期留学から試すことはできますか?
数日から数週間程度の短期留学もあります。
引率付きのツアーや、英語力を問わないプログラムであれば、長期留学を決める前に海外での生活を経験できます。
ただし、短期でも家族と離れることや生活環境の変化はあります。
期間だけで判断せず、現地の支援や本人の希望も確認しましょう。
子ども本人が留学に乗り気でないときはどうすればいいですか?
本人が留学を希望していない段階で、申し込みを進める必要はありません。
海外の学校や生活に関心があるのか、現在の地域や学校から離れたい気持ちがあるのかによっても、必要な選択肢は変わります。
留学以外にも、通信制高校、フリースクール、国内で環境を変える方法があります。
留学している間、日本の学校の籍や出席はどうなりますか?
高校生の場合は、在籍を続ける、休学する、海外の学校へ転校するなど、学校によって扱いが異なります。
外国の高校で履修した内容は、在籍校の校長が認めた場合、36単位を超えない範囲で単位認定されることがあります。
小・中学生についても、海外留学中の学籍や出席の扱いは在籍校や教育委員会へ確認が必要です。
2024年8月29日の文部科学省通知は、海外留学を一律に出席扱いとする制度ではありません。
※出典:文部科学省「学校教育法施行規則の一部改正について」/文部科学省「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について」
途中で帰国したくなったらどうなりますか?
体調や生活環境などにより、予定より早く帰国することはあります。
途中帰国した場合の航空券、返金条件、日本の在籍校への復学、取得した単位の扱いは、契約先や学校によって異なります。
渡航前に「途中帰国した場合」を想定し、連絡先や費用、帰国後の進路を確認しておくと整理しやすくなります。
まとめ

最後にこちらの記事をまとめていきましょう。
こちらの記事では、
- 不登校の期間があっても参加できる留学は実際にある
- 短期留学と海外高校への進学では条件が異なる
- 留学は語学だけでなく、世界や進路を知るきっかけにもなる
- 費用は国・期間・滞在方法によって大きく変わる
- 日本の高校へ戻る道や海外高校を卒業する道がある
などについてご紹介しました。
| 項目 | 確認しておきたいこと |
|---|---|
| 参加条件 | 年齢、英語力、成績、本人の希望 |
| 現地生活 | 寮・ホームステイ、相談先、緊急時の対応 |
| 費用 | 航空券や保険を含めた総額 |
| 日本の高校 | 在籍・休学、単位、卒業時期 |
| 帰国後 | 復学、日本や海外の大学への進学 |
不登校の期間がある中学生・高校生を受け入れている留学や、英語力を問わない短期プログラムも実際にあります。
ただし、参加条件や入学の可否は、プログラムや学校によって異なります。
本人の希望に加えて、費用や現地の支援体制なども確認が必要です。
留学は、不登校の状況をすぐに変えるための方法ではありません。
ひかりすまいるアドバイザー一方で、これまで知らなかった文化や学び方に触れることが、自分の状況や将来を違う角度から考えるきっかけになる場合があります。
留学すること自体を目的にせず、お子さんとご家庭に無理のない選択肢かどうかを、落ち着いて考えていくことが大切です。



