「生活保護を受けているけど、フリースクールに通わせてあげられるのかな…」
「教育扶助でフリースクールの費用は出るの?」
結論からお伝えすると、生活保護を受給しているご家庭でもフリースクールを利用できる選択肢はあります。
ただし、国の生活保護制度の「教育扶助」では、フリースクールの利用料は対象外となっています。
そのため、自治体独自の補助金制度や、無料で通える教育支援センター(適応指導教室)が現実的な選択肢になります。
保護者の声生活保護を受けています。
子どもが不登校になって、フリースクールに興味があるのですが、教育扶助で費用が出るのか、補助制度はあるのかを知りたいです。
ひかりすまいるアドバイザー生活保護世帯を優遇する自治体の補助金制度や、教育支援センターなど無料で利用できる支援についてご紹介していきますね。
ご家庭の状況に合わせた相談先もご案内しますので、参考にしてみてくださいね!
この記事では、これまで全国のフリースクール・不登校支援を取材・調査してきたひかりすまいる編集部が、
- 生活保護の教育扶助とフリースクールの関係
- 生活保護世帯が利用できる自治体の補助金制度
- 無料で通える教育支援センター
- 費用負担をさらに抑える方法
- 生活保護世帯がフリースクールを利用するときの相談先
などについて詳しくご紹介します。
生活保護世帯はフリースクールに通える?まず知っておきたいこと

生活保護を受給しているご家庭でも、フリースクールに通える選択肢はあります。
ただし、国の生活保護制度(教育扶助)からフリースクールの利用料が出るわけではない、という点は最初に知っておきたい大切なポイントです。
生活保護世帯がフリースクールを利用するときの主な選択肢を整理すると、次のようになります。
| 選択肢 | 費用の目安 | 概要 |
|---|---|---|
| 教育支援センター(適応指導教室) | 無料 | 教育委員会が運営する公的支援。生活保護の有無に関わらず利用可能 |
| 自治体独自のフリースクール補助金 | 自治体による | 生活保護世帯を優遇する自治体が複数存在(全額補助の自治体も) |
| 寄付・ボランティア運営の民間フリースクール | 無料 | 数は限られるが全国に存在 |
| 月額1万円台のオンラインフリースクール | 月額1万円台〜 | 自治体補助金と組み合わせて負担を抑える方法も |
国の制度(教育扶助)ではフリースクール利用料は対象外ですが、お住まいの自治体に補助金制度があれば、生活保護世帯は優遇される(全額補助になる場合もある)ケースが少しずつ増えてきています。
「お金のことで相談しにくい」と感じる方も多いと思いますが、生活保護を受給していること自体が、フリースクール利用を妨げる理由にはなりません。
ひかりすまいるアドバイザーお住まいの自治体や福祉事務所に相談しながら、ご家庭に合う選択肢を一緒に探していけるとよいですね。
フリースクール利用料は生活保護の教育扶助の対象外

生活保護制度の「教育扶助」は、義務教育を受けるために必要な費用を支給する制度です。
フリースクールの利用料は、この教育扶助の対象には含まれません。
ここでは、教育扶助の対象範囲と、フリースクール利用料が対象外となる理由を整理していきますね。
教育扶助の対象になるもの
教育扶助は、生活保護法第13条に基づいて、義務教育(小学校・中学校)を受けるお子さんがいる世帯に支給される扶助です。
具体的に対象となる費用は、以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 基準額 | 学用品費・通学用品費(文房具など)として毎月支給 |
| 教材代 | 学校が指定する教材費の実費 |
| 学校給食費 | 給食費の実費 |
| 通学交通費 | 通学に必要な交通費(最も安価な定期券が基準) |
| 学習支援費 | 学校のクラブ活動・部活動にかかる費用の実費 |
| 学級費 | 学級費・PTA会費など |
※出典:生活保護法第13条/厚生労働省「生活保護制度の概要等について」
教育扶助の対象になるのは「義務教育の費用」のみ
教育扶助の対象は、主に小学校・中学校などの義務教育に伴って必要となる費用です。
フリースクールは民間の施設であり、義務教育を提供する学校ではないため、教育扶助の支給対象から外れています。
これは、教育扶助の根拠が「最低限度の生活の内容として、義務教育への就学を保障する」という考えに基づいているためです。
就学援助制度もフリースクールは対象外が一般的
生活保護世帯や経済的に困窮している世帯を支援する制度として、もう一つ「就学援助制度」があります。
修学旅行費など、教育扶助で賄えない費用を補う制度です。
ただし、就学援助制度も基本的には公立小中学校に通うお子さんが対象で、フリースクール利用料は対象外となるのが一般的です。
※出典:文部科学省「就学援助制度について(就学援助ポータルサイト)」
国の制度ではなく、自治体独自の補助金が現実的な選択肢
このように、国の制度(教育扶助・就学援助)ではフリースクール利用料は支援されません。
ただし、不登校児童生徒の増加を背景に、自治体が独自にフリースクール利用料の補助制度を設けるケースが増えています。
生活保護世帯や就学援助世帯を対象に、利用料の一部または全額を支援する自治体もあります。
お住まいの地域に制度がある場合は、現実的な選択肢として検討できます。
自治体独自のフリースクール補助金で生活保護世帯が優遇されるケース

国の生活保護制度ではフリースクール利用料は支援されませんが、自治体が独自に設けている補助金制度の中には、生活保護世帯を優遇するものがあります。
自治体によっては、生活保護世帯であれば利用料の全額が補助される(実質無料になる)制度もあり、お住まいの自治体に該当する制度があるかどうかが重要なポイントになります。
生活保護世帯を優遇する自治体の例
2026年5月時点で、生活保護世帯を優遇する補助制度を設けている自治体には、以下のような例があります。
| 自治体 | 生活保護世帯への補助内容 |
|---|---|
| 滋賀県守山市 | 助成率10/10(実質無料)/月額40,000円が上限 |
| 北海道高須町 | 助成率10/10(実質無料)/月額20,000円が上限 |
| 横須賀市 | 就学援助受給世帯対象で指定フリースクールを無料利用(週3回・2時間程度) |
| 山形市 | 利用料の1/2(上限月額15,000円) |
| 長浜市 | 利用料の補助(上限月額10,000円) |
| 群馬県前橋市 | 月額限度10,000円 |
| 三重県 | 利用料の1/2 |
| 新潟県上越市 | 学費月額22,500円・寮費月額7,500円ほか |
※出典:各自治体公式ホームページ(2026年5月時点)
このように、自治体ごとに補助の内容や条件が大きく異なります。
ひかりすまいるアドバイザー生活保護世帯であることで全額補助になる自治体もあれば、一部補助の自治体もあるため、お住まいの自治体の制度を個別に確認することが大切です。
補助金を申請するときの基本的な流れ
自治体ごとに細かい違いはありますが、一般的な申請の流れは以下のとおりです。
- お住まいの自治体の教育委員会に補助金制度の有無を確認する
- 自治体が認定するフリースクールに通う(認定施設のみ対象のケースが多い)
- 補助金交付申請書・受給資格認定申請書などを提出
- 利用実績を報告し、補助金が支給される
申請には、生活保護受給証明書・通所証明書・領収書などの書類が必要になることが一般的です。
ひかりすまいるアドバイザーフリースクールへの入会前に、自治体の窓口で利用条件を確認しておくと安心ですね。
認定フリースクールに通う必要がある点に注意
多くの自治体では、補助金の対象となるのは「自治体が認定したフリースクール」に限られています。
お子さんが通いたいフリースクールが認定対象かどうかは、事前に自治体・フリースクールの両方に確認しておきましょう。
認定外のフリースクールを利用する場合は補助金が受けられないため、施設選びの段階から自治体の認定情報を意識しておくと、スムーズに支援を受けられますね。
全国の補助金制度を一覧で確認する
ひかりすまいるでは、全国792市町村のフリースクール補助金制度を独自調査でまとめています。
ひかりすまいるアドバイザーお住まいの地域に該当する制度があるかどうか、そして生活保護世帯向けの優遇措置があるかどうかを、こちらの記事から確認してみてくださいね。
原則無料で通える教育支援センター(適応指導教室)も選択肢に

教育支援センター(適応指導教室)は、教育委員会が設置・運営する不登校の小中学生のための公的支援施設で、費用は無料です。
生活保護を受給しているかどうかに関わらず、対象となるお子さんであれば利用を相談できます。
ただし、対象学年や利用条件、申込方法は自治体によって異なるため、在籍校や教育委員会に確認しておくと安心です。
民間のフリースクールに通う場合の費用負担を考えると、教育支援センターは経済的な負担を心配せずに利用できる選択肢のひとつです。
教育支援センターの基本情報
教育支援センターは、各市区町村の教育委員会が設置・運営する施設です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営主体 | 各市区町村の教育委員会 |
| 対象 | 不登校の小学生・中学生(一部高校生も対象) |
| 費用 | 入会金・授業料は無料(教材費・実費分のみ) |
| 出席扱い | 在籍校と連携し、校長先生の判断で出席扱いになる場合があります |
| スタッフ | 教員免許保持者・カウンセラーなど専門スタッフ |
教員免許を持つ指導員やカウンセラーが常駐しているため、学習面・心理面の両方でサポートを受けられる体制が整っています。
在籍校との連携もスムーズで、出席扱いになることが多いのも特徴です。
生活保護世帯のご家庭にとってのメリット
教育支援センターは公的な施設のため、申請時に生活保護受給を理由に利用が制限されることはありません。
費用面の心配なく通えるのは、家計の負担が大きいご家庭にとって大きな安心材料になります。
通う頻度や過ごし方も、お子さんのペースに合わせて柔軟に対応してもらえる施設が多くあります。
ひかりすまいるアドバイザー「フリースクールに通いたい気持ちはあるけど費用面が心配」というご家庭は、まず教育支援センターを検討してみるのも一つの選択肢ですね。
お住まいの地域の教育支援センターを探す
教育支援センターは、自治体ごとに名称・運営方法・受け入れ条件が異なります。
実際に通うことを検討する場合は、お住まいの地域の情報を確認することが大切です。
ひかりすまいるでは、全国47都道府県・792市区町村のフリースクール・不登校支援情報を掲載しています。
お住まいの地域から教育支援センターを探してみてくださいね。
寄付・ボランティアで運営される無料の民間フリースクール

民間のフリースクールの中にも、寄付やボランティアによって運営されている無料のスクールがあります。
教育支援センターと並んで、生活保護世帯のご家庭が費用負担を気にせずに利用できる選択肢の一つです。
「経済的な事情で通えない子どもたちにも居場所を届けたい」という理念で運営されている施設が、全国に少しずつ増えてきています。
無料の民間フリースクールの主なタイプ
無料で運営されている民間フリースクールには、大きく分けて以下のようなタイプがあります。
| タイプ | 形態 | 運営の仕組み |
|---|---|---|
| メタバース活用型のオンラインスクール | オンライン | 寄付・支援者の応援によって運営/完全無料 |
| 寄付サポーター制の通所型スクール | 通所型 | 月額のサポーターによる継続寄付で、経済的事情のある家庭が無料利用 |
教育支援センターが「学校復帰や社会的自立」を目的としているのに対し、民間フリースクールはお子さん一人ひとりの自主性や個性を尊重した居場所づくりを大切にしているのが特徴です。
利用するうえで知っておきたいこと
無料の民間フリースクールは選択肢として魅力的ですが、利用にあたって知っておきたい点もあります。
- 全国に施設数が少なく、お住まいの地域にあるとは限らない
- 運営状況によっては、受け入れ人数が制限されている場合がある
- 寄付ベースの運営のため、活動内容や開所日数が施設ごとに異なる
- 出席扱いになるかどうかは在籍校の判断による
ご家庭から通える範囲に該当する施設があるかどうかは、ひかりすまいるのエリア検索からも確認できます。
無料で通える選択肢を比較したいとき
教育支援センター、寄付運営の民間フリースクール、自治体補助金など、無料・低コストで通える選択肢をまとめてご覧いただける記事もご用意しています。
生活保護世帯がフリースクールを利用するときの相談先

「生活保護を受けているからフリースクールの相談はしにくい」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
お子さんに合う居場所を探すことは、生活保護を受給しているかどうかに関係なく、どのご家庭にとっても大切な選択肢です。
ここでは、相談しやすい窓口をいくつかご紹介していきますね。
お住まいの自治体の教育委員会
お住まいの市区町村の教育委員会では、不登校に関する相談や、教育支援センター(適応指導教室)の利用案内、自治体独自の補助金制度についての情報を得ることができます。
- 教育支援センターの利用方法・受け入れ条件
- 自治体認定のフリースクールの一覧
- 補助金制度の有無・申請方法
教育委員会への相談は無料で、生活保護を受給していることを伝えても不利になることはありません。
担当のケースワーカー(福祉事務所)
生活保護を受給している世帯には、福祉事務所の担当ケースワーカーがついています。
お子さんの不登校やフリースクール利用について、まずは担当ケースワーカーに相談してみるのも一つの方法です。
ケースワーカーは生活保護世帯のさまざまな事情を理解したうえで、地域の支援制度や相談窓口を案内してくれる立場の人です。
「フリースクールに通わせたい」という相談を切り出すことで、自治体独自の補助制度や、利用できる支援につながりやすくなります。
学校のスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー
在籍校にスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが配置されている場合は、こちらも相談先として活用できます。
特にスクールソーシャルワーカーは、福祉と教育の両方の知見を持つ専門家で、ご家庭の状況に合わせた支援機関の紹介をしてくれることがあります。
一人で抱え込まず、相談しながら進めていく
経済的な事情があるご家庭にとって、お子さんの教育に関する相談は気が重いものかもしれません。
ですが、相談すること自体に費用はかかりませんし、相談したからといって生活保護に関する不利益が生じることもありません。
ひかりすまいるアドバイザー「お金のことが気になって動けない」という気持ちを抱えたままにせず、まずは一つの窓口に問い合わせてみることから始めてみてくださいね。
生活保護とフリースクールに関するよくある質問

最後に、生活保護世帯のフリースクール利用について、保護者の方からよくいただく質問にお答えしていきますね。
生活保護のケースワーカーにフリースクール利用を相談しても大丈夫ですか?
大丈夫です。
ケースワーカーは、生活保護世帯のさまざまな事情を理解したうえで支援する立場の人です。
お子さんの不登校やフリースクール利用について相談すること自体が、直ちに生活保護の支給に不利に働くとは考えにくいです。
ただし、自治体の補助金や支援を利用する場合は、事前にケースワーカーへ確認しておくと安心です。
子どもがフリースクールに通うと、生活保護に影響しますか?
フリースクールに通うこと自体が、生活保護の支給要件に影響することはありません。生活保護は世帯の経済状況に基づいて支給されるもので、お子さんの通学先(学校・フリースクール・教育支援センター)によって支給が左右されることはないのでご安心ください。
ただし、自治体の補助金などフリースクール関連で別の支援を受ける場合は、ケースワーカーに事前に伝えておくとスムーズです。
フリースクールの利用料は、生活保護費から支払うのですか?
教育扶助としてフリースクールの利用料が支給されることはないため、利用する場合は生活費の中から支払うか、自治体の補助金制度を活用することになります。
お住まいの自治体に補助金制度がある場合は、生活保護世帯が優遇されることがありますので、まずは制度の有無を確認してみてくださいね。
教育支援センターの利用にもお金はかかりますか?
教育支援センター(適応指導教室)は、教育委員会が運営する公的な支援施設のため、入会金や授業料は無料です。
教材費や校外活動の実費分のみ自己負担となる場合がありますが、民間のフリースクールと比べて費用面の負担はほとんどありません。
フリースクールに通うと出席扱いになりますか?
民間のフリースクールでも、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになることがあります。
ただし、最終的な判断は在籍校の校長先生によります。
出席扱いの仕組みについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
ひとり親家庭の場合は、別の支援もありますか?
ひとり親家庭の場合、生活保護とは別にひとり親家庭向けの支援制度(児童扶養手当・医療費助成・就学支援など)が用意されています。
フリースクール利用時の支援についても、自治体によって独自の制度がある場合がありますので、お住まいの自治体の窓口で確認してみてくださいね。
※ひとり親家庭の方向けの支援については、別記事で詳しくご紹介する予定です。
まとめ|生活保護世帯でも頼れる選択肢はある

最後にこちらの記事をまとめていきましょう。
こちらの記事では、
- 生活保護の教育扶助とフリースクールの関係
- 生活保護世帯が利用できる自治体の補助金制度
- 完全無料で通える教育支援センター
- 寄付・ボランティア運営の無料民間フリースクール
- 生活保護世帯がフリースクールを利用するときの相談先
などについてご紹介しました。
教育扶助 フリースクール利用料は対象外(義務教育のみ)
自治体補助金 生活保護世帯を優遇する自治体が増加中/全額補助の自治体もある
教育支援センター 公的支援で完全無料/生活保護受給の有無に関わらず利用可能
無料の民間フリースクール 寄付・ボランティアで運営/全国に施設数は限られる
相談先 教育委員会・ケースワーカー・スクールソーシャルワーカーなど
※自治体補助金の内容や条件は地域・時期によって異なるため、最新情報は各自治体の公式情報をご確認ください。
「生活保護を受けているからフリースクールに通わせるなんて贅沢…」と思って、気持ちを抑えてきた方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、お子さんに合う居場所を探すことは、ご家庭の経済状況に関係なく、お子さんが持つ大切な権利です。
教育支援センターのように費用負担のない選択肢もありますし、自治体によっては生活保護世帯が無料でフリースクールを利用できる制度もあります。
一人で抱え込まず、相談しながら、ご家庭のペースでお子さんに合う居場所を探していけるとよいですね。




コメント