「保健室登校したいと子どもに言われて、どう動けばいいか分からない」
「学校にどう切り出せばいいのか、伝え方が想像つかなくて…」
「相談する前に何を準備しておけばいいんだろう…」
結論からお伝えすると、保健室登校の相談は、まず担任の先生に連絡を入れるところからスタートし、校内での話し合いを経てルールが決まる、という流れが一般的です。
文部科学省の最新調査(令和7年10月発表)では、小・中学校の不登校児童生徒数は35万3,970人と過去最多を更新しています。
保健室登校を選ぶご家庭は決して珍しい状況ではありません。
ただ、はじめての相談だと、誰に・何を・どう伝えればいいのか、つかみにくいですよね。
保護者の声教室に入れないと子どもが言うのですが、学校にどう切り出せばいいのか分からなくて…
ひかりすまいるアドバイザー担任の先生への連絡から、校内での話し合い、ルール決め、スタートまで、ステップを順番に整理していくと、お子さんに合った形が見えてきますよ。
この記事では、これまで全国のフリースクール・不登校支援機関を取材・調査してきたひかりすまいる編集部が、
- 「保健室登校したい」と思ったときに知っておきたい基本
- 学校に相談する流れと窓口
- 伝え方のポイントと準備しておきたいこと
- 相談がうまくいかないときの選択肢
などについて詳しくご紹介していきますね。
「保健室登校したい」と思ったときに知っておきたいこと

保健室登校は、教室には入りづらいお子さんの過ごし方のひとつです。
まずは、保健室登校がどんな状態を指すのか、似た言葉との違い、いまどのくらいのお子さんが選んでいるのかを整理していきますね。
保健室登校とはどんな状態?
「保健室登校」とは、教室には入らずに、保健室で過ごしながら学校に通うことを指します。
公益財団法人日本学校保健会では、保健室登校を次のように定義しています。
常時保健室にいるか、特定の授業には出席できても学校にいる間は主として保健室にいる状態
たとえば、次のような過ごし方がイメージしやすいかと思います。
- 朝の登校はできるが、教室には入りにくい
- 1日の大半を保健室で過ごす
- 朝の会と給食だけ教室で過ごし、ほかの時間は保健室にいる
- 体調や気分に合わせて、早退・遅刻をしながら保健室で過ごす
ひかりすまいるアドバイザー保健室では、養護教諭(保健室の先生)が見守るなか、自習や読書、軽い課題、休息といった時間の使い方が中心になります。
学校によっては、スクールカウンセラーと話せる日が決まっていたり、教科の先生がプリントを届けてくれたりするケースもありますよ。
保健室登校・別室登校・放課後登校の違い
保健室登校に似た過ごし方として、「別室登校」「放課後登校」があります。
学校によって名称や運営の仕方が違いますが、おおまかな違いは下の表のとおりです。
| 名称 | 過ごす場所 | 主に対応する先生 | 過ごし方の特徴 |
|---|---|---|---|
| 保健室登校 | 保健室 | 養護教諭 | 自習・読書・休息が中心。学習指導は基本的にない |
| 別室登校(相談室登校) | 空き教室・相談室など | 担当教員・支援員 | 個別の学習支援が受けられる場合がある |
| 放課後登校 | 教室・相談室など | 担任 | 放課後の短時間、先生と話す・課題に取り組む |
保健室は本来、体調を崩したお子さんが利用する場所でもあるため、人の出入りが多い時間帯があったり、養護教諭の手が空かない場面があったりします。
ひかりすまいるアドバイザーお子さんの状態や学校の体制によっては、別室登校や放課後登校のほうが合うケースもありますので、相談の段階で「保健室以外の選択肢はあるか」も聞いてみるとよいですよ。
保健室登校をしているお子さんは珍しくない
「うちの子だけが特別なのでは…」と感じている親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、教室以外の場所で過ごすお子さんは年々増えています。
文部科学省の最新調査(令和7年10月29日公表)によると、令和6年度の小・中学校の不登校児童生徒数は35万3,970人と過去最多を更新しました。
| 学校種 | 不登校児童生徒数 | 全児童生徒に占める割合 |
|---|---|---|
| 小学校 | 137,704人 | 約2.3%(約44人に1人) |
| 中学校 | 216,266人 | 約6.8%(約15人に1人) |
中学校では1クラスに2〜3人があてはまる計算になり、保健室登校をはじめ、教室以外で過ごす選択をするお子さんは決して特別な存在ではありません。
ひかりすまいるアドバイザー保健室登校は、教室から完全に離れる前の段階や、家から少しずつ動き出す段階の居場所として、多くのご家庭で活用されています。
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(令和7年10月29日/令和8年1月16日更新)
保健室登校の基本的な仕組みや、教室での過ごし方、親としての関わり方については、こちらの記事でもくわしくご紹介しています。
保健室登校の相談を学校に切り出す流れ

保健室登校の相談は、担任の先生への連絡から始まり、校内での話し合いを経て、ルール決定とスタートという流れで進むのが一般的です。
学校によって細かな進め方は違いますが、おおまかなステップを順番に整理しておきますね。
まずは担任の先生に連絡する
最初の窓口は、お子さんの担任の先生になります。
連絡の方法は、電話・連絡帳・面談など、ご家庭のやりやすい形で大丈夫です。
最初の連絡で伝えておきたい内容は、次のとおりです。
- お子さんが教室に入りづらい状況にあること
- 保健室登校を検討していること
- 一度、学校と相談の場を持ちたいこと
ひかりすまいるアドバイザーこの段階では「保健室登校をさせてください」と決定事項のように切り出すよりも、「相談したい」「学校でどんな対応ができるか聞きたい」というスタンスで連絡するほうが、その後の話し合いに進みやすいです。
担任の先生に話しにくいときは、養護教諭やスクールカウンセラーが最初の窓口になっても問題ありません。
学校で受け入れの準備が進む
担任の先生に相談すると、お子さんの状況に応じて、養護教諭やスクールカウンセラーなど、学校内の関係する先生に話が共有されます。
学校によっては、保健室での受け入れ体制や過ごし方を整えるために、担任・養護教諭・スクールカウンセラーが連絡を取り合いながら準備を進めてくれます。
ひかりすまいるアドバイザーご家庭としては、まずは担任の先生にお願いすることで、あとは学校側が必要な先生に話を通してくれる、というイメージです。
参考に、お子さんに関わってくれる先生の役割を整理しておきますね。
| 役割 | 主な内容 |
|---|---|
| 担任の先生 | お子さんの日常の様子を共有・ご家庭との窓口 |
| 養護教諭(保健室の先生) | 保健室での受け入れ・健康面の確認 |
| スクールカウンセラー | 心理面の相談、必要に応じた面談 |
| 学年主任・教頭・校長 | 学校としての判断 |
文部科学省でも、不登校のお子さんへの対応は、担任ひとりに任せるのではなく、複数の先生で連携して進めることが大切とされています。
ここに注意!
学校側で準備が整うまでに、数日から数週間かかることもあります。
「すぐにお返事がもらえないかもしれない」と分かっていると、待つ間のもどかしさが少し軽くなりますよ。
出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)
ルールが決まったら保健室登校がスタート
校内での話し合いが終わって学校としての方針が固まったら、ご家庭との打ち合わせを経て、保健室登校がスタートします。
スタート前に、おおむね次のような点が学校との間で共有されます。
- 何時から何時まで保健室で過ごすか
- どの時間にどんな過ごし方をするか
- 給食・昼食の取り方
- テスト・課題の進め方
- ご家庭との連絡の方法と頻度
- 出席の扱い
ここがポイント!
最初から完璧なルールを決めようとせず、お子さんの体調や気持ちに合わせて柔軟に変えていけるよう、定期的に学校と話し合う場を持つことが大切です。
文部科学省の「COCOLOプラン」でも、不登校のお子さんへの支援は、画一的なルールではなく、一人ひとりの状況に応じた個別の対応が求められています。
ひかりすまいるアドバイザースタートしてみて「合わない」と感じたら、過ごし方や時間帯を見直すことも遠慮なく相談していきましょう。
保健室登校の相談|伝え方のポイントと話し方

学校に話す前に、伝えたいことをご家庭で整理しておくと、相談の場でスムーズに話を進めやすくなります。
何から伝えればいいか分からない、というときに役立つポイントをまとめておきます。
お子さんの状況を整理しておく
最初の相談で学校側に伝えておきたいのは、いまのお子さんの状況です。
頭のなかで考えるだけでなく、メモに書き出してから相談に臨むと、話す内容が整理しやすくなります。
書き出しておきたい主な項目は、次のとおりです。
- 教室に入りづらくなった時期(おおまかでも大丈夫)
- きっかけとして思い当たること(あれば)
- 体調面の変化(頭痛・腹痛・睡眠の乱れなど)
- 家での過ごし方
- お子さん自身の言葉(「教室がしんどい」「保健室なら行ける」など)
きっかけが分からない場合や、お子さん自身もうまく言葉にできない場合は、無理に理由を絞り込まなくて大丈夫です。
「はっきりした理由は分からない」「本人もうまく説明できない」と、そのまま伝えて問題ありません。
希望する過ごし方を共有する
学校との話し合いでは、お子さんが希望する過ごし方も共有しておきたいポイントです。
たとえば、次のような視点で考えてみてください。
- 朝から登校したいのか、途中から登校したいのか
- 1日中保健室で過ごしたいのか、一部の授業には出てみたいのか
- 自習・読書・課題など、保健室での過ごし方の希望
- 給食は教室で食べたいか、保健室で食べたいか
- 担任の先生やクラスメイトと顔を合わせたいか
お子さんの希望が固まっていない場合も、無理に決める必要はありません。
ひかりすまいるアドバイザー「いまはまだ決められない」「やってみて考えたい」と、そのままお伝えして大丈夫です。
なお、学校によって受け入れの体制や姿勢には差がある場合もあります。
担任の先生に話しにくいときの相談先
担任の先生に話しにくい、というケースもあるかと思います。
その場合は、次のような相談先を入り口にしても問題ありません。
| 相談先 | 特徴 |
|---|---|
| 養護教諭(保健室の先生) | 保健室登校に最も近い立場。 お子さんの体調面の話もしやすい |
| スクールカウンセラー | 心理面の相談に専門的に対応。 学校での面談予約が可能 |
| 学年主任 | 学年全体の対応を見ている立場 |
| 教頭・校長 | 学校全体の判断に関わる立場 |
| スクールソーシャルワーカー | 家庭・学校・地域の連携を支援する立場 |
学校によっては、教育相談係や生徒指導担当の先生が窓口になっていることもあります。
「担任の先生にしか相談してはいけない」というルールはありません。
ひかりすまいるアドバイザー担任の先生との相性が合わない、話しても響かない、と感じる場合も、無理にそこを通す必要はありませんので、話しやすい入り口を選んでいきましょう。
保健室登校の相談がうまくいかないときの選択肢

学校への相談が思うように進まないときや、保健室登校がお子さんに合わないと感じるときに、頼れる相談先や選択肢を整理しておきます。
学校がすべてではありませんので、ご家庭にとって無理のない選択肢を、ゆっくり見ていきましょう。
学校以外の相談窓口
学校との話し合いだけでは難しい場合や、第三者の意見を聞きたい場合は、次のような相談窓口があります。
| 相談先 | 内容 |
|---|---|
| 自治体の教育相談センター | 不登校・教育に関する総合相談 |
| 教育委員会の不登校支援担当 | 学校との橋渡し、地域の支援情報の提供 |
| スクールソーシャルワーカー | 家庭と学校・地域をつなぐ役割 |
| 児童相談所 | お子さんの権利と福祉に関する相談 |
| ひとり親家庭等相談窓口 | 家庭環境を踏まえた相談 |
多くの自治体では、無料で相談できる窓口を設けています。
ひかりすまいるアドバイザー「学校に話す前に第三者の意見が聞きたい」「学校との話し合いでうまくいかない」というときに、利用してみるのもひとつの方法ですよ。
教育支援センター・フリースクールという選択肢
学校外で過ごせる場所として、教育支援センター(適応指導教室)や、フリースクールという選択肢もあります。
| 選択肢 | 特徴 |
|---|---|
| 教育支援センター(適応指導教室) | 自治体が運営する公的な支援施設。在籍校との連携あり |
| フリースクール | 民間の支援施設。お子さんの居場所として柔軟に過ごせる |
| ICT教材・オンライン学習 | 自宅で取り組める仕組み。学校との連携で出席扱いになる場合もある |
文部科学省の通知では、学校外の機関・施設で学んでいる場合も、一定の条件のもとで在籍校の出席扱いになる仕組みが認められています。
ひかりすまいるアドバイザーご家庭の状況やお子さんの希望に合わせて、無理のない範囲でひとつずつ検討してみてくださいね。
▼フリースクールの仕組みや費用、出席扱いについては、こちらの記事もあわせてご参考にしてみてください。
保健室登校に関するよくある質問
保健室登校の相談についてよく寄せられる質問にお答えしていきますね。

保健室登校は誰でもできますか?
保健室登校の受け入れは、最終的に校長先生の判断によって決まります。
学校によって受け入れの体制や姿勢が異なるため、まずは在籍校に相談してみることが第一歩です。
文部科学省の通知でも、お子さん一人ひとりの状況に合わせた柔軟な対応が求められており、相談自体は誰でも申し出てよいとされていますよ。
相談しても保健室登校を断られることはありますか?
学校の体制や、保健室の利用状況によっては、希望どおりに受け入れてもらえないこともあります。
その場合は、別室登校・放課後登校・校内サポートルームなど、ほかの過ごし方について相談してみるのもひとつの方法です。
それでも難しい場合は、教育委員会や自治体の教育相談センターなど、学校以外の相談窓口を活用してみてくださいね。
高校生でも保健室登校はできますか?
高校でも保健室登校という選択肢はあります。
ただし、小・中学校と高校では仕組みが異なり、「出席扱い」と「単位認定」が別の問題になる点に注意が必要です。
授業に出ていない期間が長くなると、単位認定に影響が出るケースもあります。
高校生のお子さんの保健室登校については、こちらの記事でくわしくご紹介していますよ。
保健室登校中の勉強はどうすればいいですか?
保健室では、自習や読書を中心とした過ごし方になることが多いです。
養護教諭は学習指導の専門ではないため、勉強の進め方は別途、担任の先生や教科担当の先生と相談する形になります。
無理に学校の進度に合わせる必要はなく、お子さんのペースで取り組める範囲から始めて大丈夫です。
家庭でICT教材を活用するご家庭もありますよ。
まとめ|保健室登校したいと言われたら、お子さんのペースで一歩ずつ

最後にこちらの記事をまとめていきましょう。
こちらの記事では、
- 「保健室登校したい」と思ったときに知っておきたい基本
- 学校に相談する流れと窓口
- 伝え方のポイントと話し方
- 相談がうまくいかないときの選択肢
などについてご紹介しました。
基本情報まとめ
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 相談の流れ | 担任の先生に連絡 → 学校で準備 → ルール決定 → スタート |
| 最初の相談先 | 担任・養護教諭・スクールカウンセラーなど話しやすい先生 |
| 伝える内容 | お子さんの状況・希望する過ごし方 |
| 学校に確認したいこと | 出席扱い・テスト・通知表・内申点(中学生)・単位(高校生) |
| うまくいかないときの選択肢 | 教育委員会・教育支援センター・フリースクール・ICT学習 |
保健室登校の相談は、担任の先生への連絡から始め、学校内で準備とルール決めを進めていく流れが基本です。
出席扱い・テスト・通知表・内申点・単位の扱いは、在籍校への確認が必要です。
ひかりすまいるアドバイザー焦らず、ご家庭のペースで、お子さんに合う相談先や過ごし方を一緒に探していけるとよいですね。
※対応の仕組みは学校ごとに異なります。最新の情報は、お子さんが在籍する学校にご確認くださいね。
焦らず、お子さんと一緒に、ご家庭にとって無理のない一歩を見つけていけますように。
ひかりすまいる編集部は、これからもお子さんとご家庭の選択肢が広がるような情報をお届けしていきます。





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