「朝になると起きられず、学校を休む日が増えている…」
「夜は元気そうなのに、本当に身体の不調なのかな…」
「勉強や高校進学は、このままで大丈夫なのだろうか…」
日本小児心身医学会によると、起立性調節障害は、本人の意思や甘えではなく、自律神経による身体の調整がうまく働かないことで起こる病気です。
午前中に体調が悪く、午後から動けることもあるため、周囲から「怠けている」と誤解される場合があります。
しかし、朝起きられないことを、お子さんの性格や親御さんの育て方だけで説明することはできません。
保護者の声朝は何度声をかけても起きられないのに、夕方になると元気そうに見えます。学校への連絡や勉強の遅れも気になり、どう対応すればよいのか分かりません。
ひかりすまいるアドバイザー起立性調節障害のあるお子さんには、朝から教室へ通う以外にも、遅刻や別室利用、自宅学習、教育支援センター、フリースクールなどの選択肢があります。
病院の探し方や学校との相談方法も含め、順番に整理していきます。
この記事では、全国の不登校支援や学校外の学びを紹介してきたひかりすまいる編集部が、次の内容を分かりやすくご紹介します。
- 起立性調節障害と不登校の関係
- 朝起きられないお子さんの家庭での対応
- 病院の探し方と検査の流れ
- 学校との連携や出席扱い
- 自宅学習・居場所・高校進学の選択肢
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/
起立性調節障害と不登校は「怠け」ではない|まず知っておきたいこと

日本小児心身医学会によると、起立性調節障害は、自律神経の働きがうまく調整できず、立ち上がったときの血流に影響が出る病気です。
軽い状態を含めると、中学生の約10%にみられるとされています。
朝起きられない状態を、本人の意思の弱さや親御さんの育て方だけで説明することはできません。
ここがポイント!
まずは、起立性調節障害について公的な情報をもとに整理することが大切です。
※「起立性調整障害」と表記されることもありますが、正式名称は「起立性調節障害」です。
朝起きられないのは意思や甘えではなく身体の不調
日本小児心身医学会によると、起立性調節障害は、立ち上がった際に起こる身体の変化を、自律神経がうまく調整できないことで生じるとされています。
自律神経とは、血圧や心拍などを、本人が意識しなくても調整している神経です。
ひかりすまいるアドバイザーこの働きに不調があると、朝に身体を起こすことが難しくなったり、学校へ向かう時間帯に動けなくなったりする場合があります。
一方、午後から夕方になると動けることもあるため、周囲から「本当は学校へ行けるのでは」「夜は元気なのに」と受け取られることがあります。
しかし、時間帯によって状態が変わることも、起立性調節障害でみられる特徴の一つです。朝の様子だけを見て「怠けている」「やる気がない」と判断することはできません。
お子さんが朝起きられない日が続くと、「声のかけ方が悪かったのでは」「もっと早く気づくべきだったのでは」と、親御さんがご自身を責めてしまうこともあります。
ただし、起立性調節障害は身体の病気として説明されています。
親御さんの関わり方だけが原因ではありません。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/※出典:東京大学 子ども睡眠検診プロジェクト「起立性調節障害」
https://sys-pharm.m.u-tokyo.ac.jp/childsleep/od.html
起立性調節障害は決して珍しくない|中学生の約10人に1人
日本小児心身医学会によると、起立性調節障害は、軽い状態を含めると中学生の約10%にみられるとされています。
およそ10人に1人にあたり、思春期のお子さんにとって珍しい病気ではありません。
また、日本小児心身医学会や東京大学の資料では、不登校の子どもの約3〜4割に起立性調節障害が併存しているとされています。
ひかりすまいるアドバイザーただし、この数字は「不登校の原因がすべて起立性調節障害である」という意味ではありません。
起立性調節障害による身体のつらさが、欠席や遅刻と関係している場合がある、という整理が適切です。
文部科学省の令和6年度調査では、小・中学校の不登校児童生徒数は35万3,970人でした。学校へ行けない状態を抱えているお子さんや、その対応に悩むご家庭は少なくありません。
身体の不調だけでなく、学校での過ごし方や学習、友人関係など、複数の事情が重なっていることもあります。
そのため、起立性調節障害のあるお子さんについても、病名だけで状況を決めつけず、現在の体調や学校で困っていることを分けて考える必要があります。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/※出典:東京大学 子ども睡眠検診プロジェクト「起立性調節障害」
https://sys-pharm.m.u-tokyo.ac.jp/childsleep/od.html※出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果(概要)」
https://www.mext.go.jp/content/20260116-mxt_jidou02-100002753_1_3.pdf
起立性調節障害とは?症状・原因をわかりやすく解説

日本小児心身医学会によると、起立性調節障害は、自律神経の働きがうまく調整できず、立ち上がったときの血流に影響が出る病気です。
朝起きられないことだけが特徴ではなく、立ちくらみや頭痛、身体のだるさなどが重なる場合もあります。
ここに注意!
ただし、症状だけで起立性調節障害と判断することはできません。
ここでは、保護者が状況を整理するために知っておきたい範囲に絞って説明します。
起立性調節障害とはどんな病気?
起立性調節障害は、立ち上がったときに起こる身体の変化へ、自律神経がうまく対応できないことで生じる病気です。
人が横になった状態から立ち上がると、重力によって血液が下半身に集まります。
通常は自律神経が血管や心拍を調整し、脳や身体へ必要な血液を送ります。
日本小児心身医学会によると、起立性調節障害では、この調整がうまく働かず、脳や身体への血流のバランスが崩れるとされています。
そのため、朝に身体を起こせなかったり、立ち上がったときに体調が悪くなったりする場合があります。英語の「Orthostatic Dysregulation」の頭文字から、「OD」と表記されることもあります。
起立性調節障害は、気持ちが弱いから起こるものではありません。
また、朝起きられない状態だけを見て、本人のやる気や生活態度の問題と決めつけることもできません。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/※出典:東京大学 子ども睡眠検診プロジェクト「起立性調節障害」
https://sys-pharm.m.u-tokyo.ac.jp/childsleep/od.html
主な症状|朝起きられない・立ちくらみ・頭痛・倦怠感
日本小児心身医学会によると、起立性調節障害では、朝起きられないことのほか、立ちくらみ、めまい、頭痛、身体のだるさなどがみられるとされています。
主に挙げられている症状は、次のとおりです。
- 朝に起き上がることが難しい
- 立ち上がると、めまいや立ちくらみがする
- 頭痛や身体のだるさがある
- 動悸や息切れを感じる
- 食欲が出にくい
- 立っていると気分が悪くなる
症状の現れ方や強さは、一人ひとり異なります。すべての症状が出るわけではありません。
起立性調節障害では、午前中に症状が強く、午後から夕方にかけて軽くなる傾向もあるとされています。
朝は横になっていたお子さんが、夜になると動画を見たり、家族と話したりできることもあります。
その様子だけを見ると、「夕方は元気なのに、なぜ学校には行けないのだろう」と感じる親御さんもいるかもしれません。
しかし、時間帯によって状態が変わることも、この病気でみられる特徴です。
なお、朝起きられないことや頭痛などは、起立性調節障害以外でも起こることがあります。
症状だけで病名を決めるのではなく、気になる場合は医療機関や学校などに相談することが大切です。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/※出典:東京大学 子ども睡眠検診プロジェクト「起立性調節障害」
https://sys-pharm.m.u-tokyo.ac.jp/childsleep/od.html
起立性調節障害には4つのタイプがある
日本小児心身医学会と東京大学の資料では、起立性調節障害は、立ったときの血圧や心拍の変化などによって、主に4つのタイプに分けられています。
| タイプ | 医療機関で確認される主な変化 |
|---|---|
| 起立直後性低血圧(INOH) | 立った直後に血圧が下がる |
| 体位性頻脈症候群(POTS) | 立ったときに心拍数が大きく増える |
| 血管迷走神経性失神(VVS) | 立っている途中に血圧が下がり、失神することがある |
| 遷延性起立性低血圧(DeOH) | 立ってから時間がたった後に血圧が下がる |
タイプ名だけを見ると難しく感じますが、保護者が家庭で見分ける必要はありません。
医療機関では、横になった状態と立った状態の血圧や心拍を調べる「新起立試験」などをもとに、医師が判断します。似た症状があっても、貧血や心臓の病気など、別の原因が関係している可能性もあります。
そのため、インターネット上の症状一覧だけで「このタイプに違いない」と判断しないことが大切です。
この記事でも、タイプは病気の全体像を知るための情報として紹介しています。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/※出典:東京大学 子ども睡眠検診プロジェクト「起立性調節障害」
https://sys-pharm.m.u-tokyo.ac.jp/childsleep/od.html
原因|自律神経の不調を基盤に、複数の要因が関係する
日本小児心身医学会によると、起立性調節障害は、自律神経による循環調整の不調を基盤として起こるとされています。
「学校で嫌なことがあったから」「生活リズムが崩れたから」など、一つの出来事だけを原因とする病気ではありません。
一方で、次のような要因が症状に関係したり、状態を悪化させたりすることがあるとされています。
- 水分の摂取不足
- 身体を動かす機会の減少
- 生活リズムの変化
- 人間関係や環境の変化による負担
心理的な負担が関係することはありますが、「ストレスだけが原因」という意味ではありません。また、親御さんの接し方や育て方が原因と決めつける根拠もありません。
朝起きられない日が続くと、「夜ふかしさせたからでは」「もっと厳しくした方がよかったのでは」と、ご自身を責めてしまうこともあります。
しかし、起立性調節障害は自律神経の働きに関係する身体の病気です。
生活の様子だけを見て、本人やご家庭の責任にすることはできません。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/※出典:東京大学 子ども睡眠検診プロジェクト「起立性調節障害」
https://sys-pharm.m.u-tokyo.ac.jp/childsleep/od.html
なぜ起立性調節障害で不登校になるの?関係と子どもに起きていること

日本小児心身医学会によると、不登校の子どもの約3〜4割に、起立性調節障害が併存しているとされています。
ただし、起立性調節障害だけが不登校の原因とは限りません。
朝の身体症状に加えて、周囲からの誤解や欠席による不安など、複数の負担が重なって学校へ行きづらくなる場合があります。
午前中に体調が悪く登校が難しくなる
起立性調節障害では、学校が始まる午前中に症状が強く出やすいため、登校そのものが難しくなる場合があります。
日本小児心身医学会によると、起立性調節障害では、朝起きられない、頭痛がする、身体がだるい、立ち上がると気分が悪くなるといった症状がみられます。
朝に目を覚ましていても、身体を起こせないことがあります。
着替えや朝食まではできても、家を出る時間になると動けなくなるお子さんもいます。
その結果、次のような状態が続くことがあります。
- 朝から登校することが難しい
- 遅刻や欠席が増える
- 登校できる日とできない日がある
- 午後からなら動ける場合がある
ただし、体調の変化は一人ひとり異なるため、登校状況だけで起立性調節障害と判断することはできません。
朝は動けなかったのに、夕方には会話やゲームができることもあります。
これは、午前中に症状が強く、午後に軽くなるという時間帯による変化が関係している場合があります。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/※出典:東京大学 子ども睡眠検診プロジェクト「起立性調節障害」
https://sys-pharm.m.u-tokyo.ac.jp/childsleep/od.html
「怠け」「仮病」と誤解され心理的な負担が重なる
起立性調節障害は、外見から身体のつらさが伝わりにくいため、「怠けている」「学校を休みたいだけ」と誤解されることがあります。
日本小児心身医学会は、起立性調節障害の子どもが、周囲から「怠け」や「仮病」と見られやすいことを指摘しています。
午後になると動けるお子さんもいるため、家族や学校から「朝も頑張れば起きられるのでは」と思われる場合があります。しかし、朝と夕方では身体の状態が異なることがあります。
ひかりすまいるアドバイザーお子さん自身も、朝になるたびに学校へ行こうとしているのに動けない状態が続くと、「自分が弱いからではないか」と感じることがあります。
学校を休むことへの罪悪感や、家族に心配をかけているという思いが重なり、身体のつらさを周囲に話しにくくなる場合もあります。
親御さんも、夕方の元気な姿を見て、「どこまでが体調で、どこからが気持ちの問題なのか分からない」と戸惑うことがあります。
起立性調節障害では、見た目だけで状態を判断しにくいことを知っておくと、本人とご家庭のどちらかに原因を求めず、状況を整理しやすくなります。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/※出典:東京大学 子ども睡眠検診プロジェクト「起立性調節障害」
https://sys-pharm.m.u-tokyo.ac.jp/childsleep/od.html
欠席が続くことで孤立感や自信の低下につながる
日本小児心身医学会によると、起立性調節障害による欠席や遅刻が続き、周囲から理解されない状態が重なると、心理的な孤立につながることがあるとされています。
欠席が増えると、お子さんは身体の不調以外にも、次のようなことを気にし始める場合があります。
- 授業についていけるか
- 友人からどう思われているか
- 教室に戻ったときに質問されないか
- 高校受験や進路に影響しないか
最初は身体のつらさで休んでいても、欠席が続くうちに教室へ入ることへの不安が重なることがあります。
友人とのやり取りが減ったり、学校の予定が分からなくなったりすると、学校との距離を以前より大きく感じる場合もあります。
一方で、欠席が続いたからといって、進路や学びの道がなくなるわけではありません。在籍校での別室利用や短時間登校、教育支援センター、フリースクール、自宅学習など、学校との関わり方には複数の選択肢があります。
お子さんの状態は、身体の不調だけでなく、学校での不安や学習面の心配を分けて整理することが大切です。家庭だけで抱え込まず、学校や公的な相談先と状況を共有する方法もあります。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/※出典:東京大学 子ども睡眠検診プロジェクト「起立性調節障害」
https://sys-pharm.m.u-tokyo.ac.jp/childsleep/od.html
起立性調節障害のあるお子さんに家庭でできる対応

日本小児心身医学会は、起立性調節障害について、本人だけでなく家族や学校が身体の病気として理解することが重要だと説明しています。
親御さんだけで症状を何とかしようとするのではなく、家庭ではお子さんの状態を責めずに整理し、必要に応じて医療機関や学校と情報を共有することが基本になります。
まず「身体の病気」と理解し責めない
家庭で大切なのは、朝起きられない状態を「甘え」や「やる気の問題」と決めつけないことです。
日本小児心身医学会によると、家族が起立性調節障害を気持ちの問題と受け取ると、お子さんの心理的な負担が大きくなり、症状にも影響することがあるとされています。
朝になるたびに学校へ行けない状態が続くと、お子さん自身も「自分が悪いのではないか」と感じる場合があります。親御さんも、起こし方や生活の整え方が悪かったのではないかと、ご自身を責めてしまうことがあります。
しかし、起立性調節障害は自律神経の働きに関係する身体の病気です。本人の意思や、親御さんの育て方だけが原因ではありません。
家庭では、登校できたかどうかだけで判断せず、朝の体調や午後からの変化などを分けて見ることが、状況の整理につながります。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/
朝の状態に合わせて無理のない過ごし方を考える
起立性調節障害では、午前中に身体のつらさが強く、午後から軽くなる傾向があるとされています。
そのため、朝から予定どおりに動くことだけを目標にすると、お子さんにも親御さんにも負担がかかる場合があります。
朝の様子は日によって違うことがあります。すぐに起き上がれる日もあれば、身体を起こすこと自体が難しい日もあります。
家庭では、次のような状態を簡単に記録しておくと、学校や医療機関へ相談するときに伝えやすくなります。
- 起きられた時間
- 午前中の身体の様子
- 午後からできたこと
- 遅刻や欠席の状況
- 頭痛や立ちくらみなどの有無
記録は、生活を細かく管理したり、お子さんを評価したりするためのものではありません。
時間帯による変化を、親御さん一人の感覚だけで抱えないための資料になります。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/※出典:東京大学 子ども睡眠検診プロジェクト「起立性調節障害」
https://sys-pharm.m.u-tokyo.ac.jp/childsleep/od.html
日常生活の工夫は医療機関の説明をもとに考える
日本小児心身医学会では、起立性調節障害への対応として、水分や食事、身体の動かし方、生活リズムなどに関する説明を行っています。
ただし、必要な対応は、お子さんの症状や持病、年齢などによって異なります。家庭だけで一律の方法を決めるのではなく、医療機関から説明を受けている場合は、その内容をもとに考えることが大切です。
生活リズムが乱れているように見えても、朝起きられないことが、夜ふかしだけを原因として起きているとは限りません。
「早く寝れば朝起きられる」「運動すれば学校へ行ける」と単純に考えると、うまくいかなかったときに本人やご家庭の責任だと感じやすくなります。
家庭では、医療的な対応を自己判断で進めるよりも、現在困っていることを整理し、必要に応じて医療機関へ相談するという位置づけが安全です。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/
焦らせず見守る|親御さん自身も抱え込まない
起立性調節障害では、日によって体調に波があるため、昨日できたことが今日もできるとは限りません。
登校できた日の翌日にまた休むと、親御さんは「元に戻ってしまった」と感じることがあります。
しかし、1日ごとの登校状況だけでは、身体の状態全体を判断できません。
ひかりすまいるアドバイザー一方で、親御さんだけで長く見守り続ける必要もありません。
朝の対応、学校への欠席連絡、学習や進路への不安が重なると、支える側の負担も大きくなります。
家庭内だけでは整理しにくい場合は、次のような相談先があります。
- 担任や養護教諭
- スクールカウンセラー
- スクールソーシャルワーカー
- 教育委員会の相談窓口
- 教育支援センター
- 医療機関
すべての窓口へ一度に相談する必要はありません。現在困っている内容に応じて、学校生活、家庭での負担、身体の状態をそれぞれ相談できる場所があります。
親御さんが相談先を持つことは、お子さんへの対応を誰かに任せることではありません。家庭だけで判断を抱え込まないための方法です。
※出典:文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/kinki.html※出典:文部科学省「不登校への対応について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/04121505/004.htm
起立性調節障害はどこで診てもらえる?病院の探し方と検査の流れ

日本小児心身医学会によると、起立性調節障害の診断では、似た症状が出るほかの病気がないかを確認したうえで、新起立試験などを行います。
ただし、小児科であれば、どこでも起立性調節障害の検査を受けられるとは限りません。
受診先を探すときは、診療内容や対象年齢、予約方法を公式サイトなどで確認する必要があります。
起立性調節障害は何科に相談する?
朝起きられない、立ちくらみや頭痛があるなど、起立性調節障害が気になる場合は、小児科など、子どもの身体の不調を診ている医療機関が相談先の一つです。
ただし、対応する診療科は医療機関によって異なります。小児科のほか、次のような名称の外来で診療している場合もあります。
- 小児心身症外来
- 思春期外来
- 子どものこころ外来
- 起立性調節障害外来
高校生の場合は、年齢によって小児科の対象外となる医療機関もあります。内科や循環器内科などで診療している場合もあるため、公式サイトで対象年齢を確認してください。
「起立性調節障害かどうか」をご家庭で判断してから相談する必要はありません。
現在みられる身体の不調や、学校生活への影響を伝え、必要な判断は医師に委ねます。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/
起立性調節障害を診てもらえる病院の探し方
近くの医療機関は、厚生労働省の「医療情報ネット(ナビイ)」から探せます。
医療情報ネットでは、都道府県や市区町村、診療科、対応する年齢などの条件から、全国の病院や診療所を検索できます。
病院を探すときは、次の順番で確認すると分かりやすくなります。
- 医療情報ネットで近くの小児科などを探す
- 医療機関の公式サイトを確認する
- 「起立性調節障害」「OD」「小児心身症」などの記載を探す
- 対象年齢や予約方法を確認する
- 分からない場合は受診前に問い合わせる
小児科と書かれていても、起立性調節障害の診療や新起立試験に対応しているとは限りません。
ひかりすまいるアドバイザー医療情報ネットだけで判断せず、各医療機関の公式情報も確認してください。
検索しても見つからない場合は、かかりつけの小児科へ相談し、対応できる医療機関について情報を聞く方法もあります。
日本小児心身医学会は、地域別の認定医名簿も公開しています。
ただし、認定医名簿は医療機関の一覧ではありません。
現在の勤務先や初診の受け入れ、起立性調節障害の検査への対応は、医療機関側への確認が必要です。
※出典:厚生労働省「医療情報ネット(ナビイ)」
https://www.iryou.teikyouseido.mhlw.go.jp/znk-web/juminkanja/S2300/initialize※出典:日本小児心身医学会「認定医名簿」
https://www.jisinsin.jp/certification/nintei-2/
予約前に確認したいこと
起立性調節障害の診療内容は、医療機関によって異なります。受診してから「検査に対応していなかった」「対象年齢から外れていた」と分かることもあるため、事前に確認しておくと負担を減らせます。
| 確認すること | 確認する理由 |
|---|---|
| 起立性調節障害を診ているか | 小児科でも対応内容が異なるため |
| 対象年齢 | 高校生は対象外の場合があるため |
| 新起立試験に対応しているか | 医療機関により検査内容が異なるため |
| 初診予約が必要か | 完全予約制の場合があるため |
| 紹介状が必要か | 大きな病院では必要な場合があるため |
| 受診する時間帯 | 検査時間を指定される場合があるため |
公式サイトだけでは分からない場合は、電話や予約フォームで確認できます。
問い合わせるときは、「朝起きられない状態や立ちくらみがあり、起立性調節障害について相談したい」と伝えると、受診できるか確認しやすくなります。
ただし、症状の詳しい内容を電話だけで判断してもらえるとは限りません。問い合わせは、診療や検査に対応しているかを確認するためのものです。
※出典:厚生労働省「医療情報ネット(ナビイ)」
https://www.iryou.teikyouseido.mhlw.go.jp/znk-web/juminkanja/S2300/initialize
診断では問診や新起立試験などを行う
日本小児心身医学会によると、起立性調節障害の診断では、症状だけを確認して病名を決めるのではありません。
まずは、朝起きられない、頭痛や立ちくらみがある、午前中に調子が悪いなど、本人の状態や日常生活への影響を確認します。
そのうえで、貧血、心臓の病気、てんかん、甲状腺の病気など、似た症状が出る別の病気がないかを調べます。
必要に応じて行われるのが「新起立試験」です。
新起立試験では、横になっているときと立ち上がったあとの血圧や心拍数の変化などを確認します。
診断のおおまかな流れは、次のとおりです。
- 症状や日常生活の様子を確認する
- 似た症状が出るほかの病気を確認する
- 新起立試験を行う
- 検査結果と生活への影響を合わせて判断する
検査内容は、お子さんの状態や医療機関によって異なります。新起立試験を受ければ、必ず起立性調節障害と診断されるわけでもありません。
インターネット上の症状一覧は、診断の代わりにはなりません。どのような検査が必要かは、医師が診察したうえで判断します。
受診時には、朝と午後の様子、学校を休んだ日、頭痛や立ちくらみの有無など、分かる範囲で伝えると状況を説明しやすくなります。細かく記録できていなくても、親御さんが気づいている範囲を伝えれば問題ありません。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/
学校との連携|伝え方と協力してもらうポイント

文部科学省は、不登校のお子さんへの支援について、本人の状況に応じて、学校内外の関係者が情報を共有することが大切だとしています。
起立性調節障害のあるお子さんの場合、朝の体調や登校できる時間帯は一人ひとり異なります。
毎日教室へ通うことだけを前提にせず、在籍校で利用できる対応や、学校以外の学び方も含めて相談できます。
担任や養護教諭には朝の様子を具体的に伝える
学校へ相談するときは、担任や養護教諭に、病名だけでなく、学校生活にどのような影響が出ているかを共有すると状況が伝わりやすくなります。
たとえば、次のような内容です。
- 午前中に体調が悪くなりやすい
- 朝は起き上がれない日がある
- 午後から動けることがある
- 遅刻や欠席が続いている
- 教室や通学で負担に感じていることがある
午後に動ける様子だけでは、朝のつらさが学校側へ伝わりにくい場合があります。
ひかりすまいるアドバイザー午前と午後で状態が変わることを共有すると、「夕方は元気だから登校できるはず」といった誤解を減らしやすくなります。
医療機関から説明を受けている場合は、本人とご家庭が差し支えない範囲で、その内容を学校へ伝える方法もあります。
必要に応じて診断書や意見書について相談する場合もありますが、書類の提出が必須とは限りません。
学校との連絡が親御さんの負担になっている場合は、担任だけでなく、養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどを通して相談する方法もあります。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/※出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
遅刻・早退・別室などを学校と相談できる
文部科学省は、不登校のお子さんへの支援として、保健室、相談室、学校図書館などを活用した学校内の居場所づくりを挙げています。
起立性調節障害では、午前中の登校が難しくても、午後からであれば動ける場合があります。
そのため、学校の体制によっては、次のような対応を相談できることがあります。
- 午後から登校する
- 体調に合わせて遅刻や早退をする
- 教室以外の部屋で過ごす
- 保健室で休めるようにする
- 短い時間だけ学校へ行く
- 課題や学校からの連絡を受け取る
すべてのお子さんに登校を勧めるという意味ではありません。
学校とのつながりを残したい場合に、教室へ朝から通う以外の方法も相談できるということです。
対応できる内容は、学校の設備や人員、お子さんの状態によって異なります。
希望した対応が必ず認められるわけではありませんが、学校内で利用できる場所や時間について確認することはできます。
「毎日行くか、まったく行かないか」の二つだけで考えず、お子さんとご家庭が続けられる範囲で学校との関わり方を整理することが大切です。
※出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
学校以外の学びが出席や成績に反映される場合がある
義務教育段階の小・中学生では、学校以外の施設や自宅での学習が、一定の条件を満たした場合に出席扱いとなることがあります。
フリースクールや教育支援センターなどで相談や指導を受けている場合は、施設と在籍校が連携し、校長が認めたときに、学校の出席日数として記録されることがあります。
ひかりすまいるアドバイザー自宅でICT教材などを使って学ぶ場合も、計画的な学習や学校との連携など、文部科学省が示す条件を満たせば出席扱いの対象になりえます。
ただし、フリースクールへ通った日や自宅で学んだ日が、自動的に出席扱いになるわけではありません。最終的な判断は在籍校の校長が行います。
また、文部科学省は2024年8月、学校外や自宅で取り組んだ学習の成果について、一定の条件のもとで成績評価に考慮できることを明確にしました。
出席扱いと成績評価は同じ制度ではありません。出席扱いになっても、必ず教科の成績がつくとは限らないため、学習内容をどのように学校へ伝えるかも含めて確認が必要です。
※出典:文部科学省「義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」
https://www.mext.go.jp/content/1422155_001.pdf※出典:文部科学省「学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の出席扱い」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155_00004.htm※出典:文部科学省「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155_00005.htm※出典:文部科学省「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)」(令和6年8月29日)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155_00002.htm
学校に行けない時間の過ごし方と学習の選択肢

文部科学省は、不登校のお子さんへの支援について、登校だけを目標にするのではなく、本人の状態に応じた学びや居場所を確保することが大切だとしています。
起立性調節障害では、午前中と午後で体調が変わることもあります。
毎日同じ予定をこなすことを前提にせず、体調に合わせて過ごし方や学び方を考えます。
体調に波があるときは学習だけを急がない
起立性調節障害では、日や時間帯によって体調が変わる場合があります。
朝は身体を起こせなくても、午後には会話や軽い活動ができることもあります。
学校を休む日が増えると、親御さんは勉強の遅れや高校受験が心配になるかもしれません。
しかし、体調が安定していない時期に、学校と同じ時間割で学習を進めることが難しいお子さんもいます。
まずは、現在できることを次のように分けて考えると、状況を整理しやすくなります。
- 身体を休める時間
- 食事や入浴など日常生活の時間
- 家族以外の人とつながる時間
- 体調がよいときに学習できる時間
「今日は勉強できたか」だけで一日を判断する必要はありません。
学校からの連絡を確認する、教科書を少し開く、動画教材を見るなど、できる範囲は日によって異なります。
一方で、家庭で過ごす状態が続く場合は、生活、学習、人とのつながりがすべて途切れていないかを確認する視点も必要です。
家庭だけで対応が難しい場合は、在籍校や教育支援センターなどに相談できます。
※出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm※出典:文部科学省「不登校への対応について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/04121505/004.htm
体調に合わせて学べる自宅学習・オンラインの選択肢
午前中の活動が難しい場合は、時間を選びやすい自宅学習やオンライン学習も選択肢になります。
自宅で利用できる学び方には、次のようなものがあります。
| 学び方 | 主な特徴 |
|---|---|
| 学校から出された課題 | 在籍校の学習内容に沿って取り組む |
| ICT教材 | タブレットやパソコンで学ぶ |
| オンライン学習支援 | 支援者とつながりながら学ぶ |
| オンラインフリースクール | 学習や交流に自宅から参加する |
オンラインのサービスは、学校へ通うより負担が少なく見えることがあります。ただし、画面を見ることや、決まった時間に参加することが難しい日もあります。
利用を検討するときは、料金だけでなく、次の点も確認が必要です。
- 好きな時間に取り組めるか
- 顔や声を出さずに参加できるか
- 休んだ場合の振り替えがあるか
- 学校との連携に対応しているか
- 保護者がどの程度付き添う必要があるか
義務教育段階の小・中学生では、自宅でICTなどを使った学習が、一定の条件を満たし、在籍校の校長が認めた場合に出席扱いとなることがあります。
ただし、オンライン教材を利用するだけで、自動的に出席扱いになるわけではありません。
学習計画や学校との連携方法を含めて、在籍校への確認が必要です。
※出典:文部科学省「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155_00005.htm※出典:文部科学省「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)」(令和6年8月29日)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155_00002.htm
家以外の安心して過ごせる居場所という選択肢
学校へ通うことが難しい時期には、教育支援センターやフリースクールなど、家と学校以外で過ごせる場所もあります。
文部科学省によると、教育支援センターは、教育委員会などが設置する公的な施設です。不登校のお子さんや保護者への相談、通所による学習支援、体験活動などを行っています。
ひかりすまいるアドバイザーフリースクールは民間の団体や施設が運営しており、過ごし方や活動内容、費用は場所によって異なります。
学習中心のところもあれば、決まった活動を設けず、安心して過ごすことを大切にしているところもあります。
| 選択肢 | 確認したいこと |
|---|---|
| 教育支援センター | 対象学年、利用時間、通える地域 |
| フリースクール | 費用、通う日数、活動内容 |
| オンラインの居場所 | 参加時間、交流方法、保護者の負担 |
| 在籍校の別室 | 利用できる時間、担当する先生 |
外の居場所を探しても、お子さんがすぐに見学や通所を受け入れられるとは限りません。申し込みや送迎、費用など、ご家庭側の負担もあります。
そのため、学校外の場所を唯一の解決策にせず、資料を見る、親御さんだけで相談する、オンラインで説明を聞くなど、現在の状況に合う関わり方を確認します。
教育支援センターやフリースクールへ通った場合も、出席扱いになるかどうかは施設だけでは決められません。
義務教育段階では、施設と在籍校が連携し、校長が判断した場合に出席扱いとなることがあります。
※出典:文部科学省「不登校への対応について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/04121505/004.htm※出典:文部科学省「義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」
https://www.mext.go.jp/content/1422155_001.pdf※出典:文部科学省「学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の出席扱い」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155_00004.htm
起立性調節障害と不登校のその後|進路の選択肢

文部科学省は、定時制高校や通信制高校を、生活状況や学び方の希望が異なる生徒を受け入れる学校として位置づけています。
起立性調節障害があるからといって、進学先が一つに決まるわけではありません。
体調、登校できる時間帯、学習の進み方、ご家庭が続けられる通学方法などを分けて考える必要があります。
中学生の進路|通信制・定時制という選択肢もある
中学生の進路には、全日制高校のほか、定時制高校や通信制高校があります。
通信制高校は、毎日決まった時間に登校する学校だけではありません。
ひかりすまいるアドバイザー自宅での学習、レポートの提出、学校で授業を受けるスクーリング、試験などを組み合わせて卒業を目指します。
定時制高校も、学校によって授業を行う時間帯や通う日数が異なります。夜間だけでなく、昼間に学べる学校もあります。
| 高校の種類 | 主な学び方 |
|---|---|
| 全日制高校 | 平日の昼間に通う学校が中心 |
| 定時制高校 | 決められた時間帯に通って学ぶ |
| 通信制高校 | 自宅学習とスクーリングなどを組み合わせる |
ただし、「起立性調節障害なら通信制高校が合う」と一律には言えません。
通信制高校でも、スクーリングへ参加する必要があります。
自宅でレポートを進める負担や、学習予定を管理する難しさを感じるお子さんもいます。
学校を比べるときは、入試方法だけでなく、次の点も確認しておくと状況を整理しやすくなります。
- 登校する時間帯と日数
- 体調不良で欠席した場合の対応
- 学習の進め方と提出期限
- 相談できる先生や支援体制
- 通学時間、交通費、学費
朝の登校が難しい場合でも、学校によって通い方は異なります。
現在の体調で続けられるかを、学校説明会や個別相談などで確認する方法があります。
※出典:文部科学省「定時制課程・通信制課程の現状について」
https://www.mext.go.jp/content/20200522-mxt_koukou02-000007159_32.pdf
高校生の進路|在籍校の継続や通信制高校への変更を検討する場合もある
高校生が学校へ通えない状態になった場合は、現在の高校で利用できる対応を確認したうえで、必要に応じて通信制高校などへの転入学や編入学を検討する場合があります。
ただし、学校を変えることは簡単な手続きではありません。
在籍校との相談、学校探し、見学、書類の準備、学費、通学方法など、ご家庭にも負担がかかります。
高校では、小・中学校とは異なり、教科ごとの履修や単位、卒業に必要な条件が重要です。
文部科学省は、高校生が学校外の施設で相談や指導を受けた日を、一定の場合に出席扱いとできることを示しています。
一方で、この出席扱いは、教科の授業へ出席したことや単位の取得を、そのまま認める制度ではありません。
そのため、高校生の場合は、次の内容を在籍校へ確認する必要があります。
- 現在取得できている単位
- 欠席が履修や単位に与える影響
- 補講や課題提出などの対応
- 休学や転入学などの制度
- 卒業までに必要な条件
通信制高校とあわせて「サポート校」が紹介されることもあります。サポート校は、通信制高校のレポートや学習を支える施設であり、サポート校だけで高校卒業資格を得られるわけではありません。
通信制高校とサポート校を利用する場合は、どの高校に在籍するのか、卒業資格を出す学校はどこか、学費がそれぞれいくらかかるのかを確認することが大切です。
※出典:文部科学省「高等学校における不登校生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の対応について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/04121502/1309943.htm※出典:文部科学省「定時制課程・通信制課程の現状について」
https://www.mext.go.jp/content/20200522-mxt_koukou02-000007159_32.pdf
進路は体調と学校生活を分けて整理する
進路を考えるときは、「朝起きられないから高校へ行けない」と、今後の道を狭く決める必要はありません。
一方で、「通信制高校なら必ず通える」と考えることもできません。学校ごとに、登校日、学習方法、支援内容、費用が異なるためです。
ひかりすまいるアドバイザー進路が気になり始めた段階では、すぐに一校へ決めるのではなく、現在の体調、必要な単位、通える時間、ご家庭の負担を分けて確認します。
中学生であれば、在籍校の進路担当や教育相談窓口へ相談できます。
高校生であれば、在籍校で続けられる方法を確認したうえで、必要に応じて別の学校について情報を集める方法があります。
今の登校状況だけで、将来の進路が決まるわけではありません。お子さんの体調と制度の両方を確認しながら、現実的に続けられる学び方を考えていきます。
※出典:文部科学省「定時制課程・通信制課程の現状について」
https://www.mext.go.jp/content/20200522-mxt_koukou02-000007159_32.pdf
相談先|一人で抱え込まないための窓口

文部科学省は、不登校に関する相談先として、学校内の専門職や教育委員会の相談窓口、教育支援センターなどを案内しています。
起立性調節障害と学校生活の悩みは、身体のこと、欠席や学習のこと、親御さんの負担が重なりやすい問題です。
すべてを同じ場所に相談するのではなく、困っている内容に合う窓口を利用できます。
医療機関・スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー
身体の状態について気になることがある場合は、小児科など、地域で子どもの診療に対応する医療機関が相談先の一つです。
学校内では、担任や養護教諭のほか、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーへ相談できる場合があります。
| 相談先 | 主に相談できること |
|---|---|
| 医療機関 | 身体の状態や気になる症状 |
| 担任・養護教諭 | 欠席連絡や学校での過ごし方 |
| スクールカウンセラー | お子さんや親御さんの気持ち |
| スクールソーシャルワーカー | 学校と家庭、外部機関との連携 |
スクールカウンセラーは、子どもや保護者の気持ちを聞き、学校生活について一緒に整理する専門職です。
スクールソーシャルワーカーは、学校だけでは対応しにくい悩みについて、教育、福祉、地域の支援機関をつなぐ役割を担います。
「どちらに相談すればよいか分からない」という場合は、担任や養護教諭に、利用できる専門職がいるか確認する方法があります。
お子さん本人が相談を望まない場合でも、親御さんだけで相談できることがあります。
朝の対応や学校への連絡が負担になっていることも、相談してよい内容です。
※出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
教育相談センター・教育支援センターなど公的な相談先
学校以外では、教育委員会の教育相談窓口や教育支援センターなど、公的な相談先を利用できます。
文部科学省によると、教育支援センターは、不登校のお子さんや保護者への相談に加え、通所による学習支援や体験活動などを行う施設です。
教育支援センターの名称は、自治体によって異なります。「適応指導教室」「教育相談室」などの名前が使われていることもあります。
公的な窓口では、次のような内容を相談できます。
- 学校へ行けない期間の過ごし方
- 在籍校との連絡や調整
- 教育支援センターの利用
- 地域にある学習や居場所の情報
- 親御さん自身の不安や負担
利用できる施設や対象学年、開室時間は自治体によって異なります。毎日通うことを前提とせず、まず親御さんが相談したり、施設の説明を聞いたりできる場合もあります。
ひかりすまいるでは、自治体ごとの教育支援センターやフリースクール、相談窓口も地域別にまとめています。
お住まいの市区町村で利用できる場所を確認するときの参考にしてください。
※出典:文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/kinki.html※出典:文部科学省「不登校への対応について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/04121505/004.htm
起立性調節障害と不登校に関するよくある質問

起立性調節障害と学校生活について、保護者が疑問に感じやすい点をまとめました。
病気の診断や治療、今後の経過は一人ひとり異なります。医学的な判断が必要な内容は、家庭で決めず、医師から受けた説明をもとに確認してください。
起立性調節障害は治りますか?
起立性調節障害の経過は、お子さんの状態によって異なります。
日本小児心身医学会は、状態が落ち着くまでの期間には個人差があると説明しています。そのため、「必ず治る」「何か月で治る」と一律に判断することはできません。
現在の状態や今後の見通しについては、診察を担当する医師の説明を確認してください。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/
起立性調節障害はどのくらいの期間で良くなりますか?
日本小児心身医学会によると、起立性調節障害の経過には幅があります。
体調がよい日とつらい日が混ざることもあります。短い期間の登校状況だけで、状態が良くなった、悪くなったと判断することは難しい病気です。
期間について気になる場合は、お子さんの状態を把握している医師へ確認する必要があります。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/
起立性調節障害は何科に相談できますか?
起立性調節障害について気になる場合は、小児科など、地域で子どもの身体の不調を診ている医療機関が相談先の一つです。
ただし、診療する年齢や対応できる内容は医療機関によって異なります。高校生の場合は、小児科だけでなく、ほかの診療科で対応していることもあります。
受診先が分からない場合は、かかりつけの医療機関や自治体の相談窓口で情報を確認できます。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/
朝は起きられないのに夜は元気なのはなぜですか?
日本小児心身医学会によると、起立性調節障害では、午前中に症状が強く、午後から軽くなる傾向があります。
朝は身体を起こせなくても、夕方には家族と話したり、動画を見たりできることがあります。
時間帯によって状態が変わることも、起立性調節障害でみられる特徴です。夜に動けている姿だけで、朝の不調が仮病だったと判断することはできません。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/※出典:東京大学 子ども睡眠検診プロジェクト「起立性調節障害」
https://sys-pharm.m.u-tokyo.ac.jp/childsleep/od.html
起立性調節障害は甘えや怠けではないのですか?
日本小児心身医学会によると、起立性調節障害は、自律神経による身体の調整がうまく働かないことで起こる病気です。
本人が学校へ行きたくないから、意識して朝起きないわけではありません。午後に動けることがあるため、周囲から誤解される場合があります。
朝起きられない状態を、本人の性格や親御さんの育て方だけで説明することはできません。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/
起立性調節障害のある子どもの勉強はどう考えればよいですか?
体調が安定していない時期は、学校と同じ時間割で学習することが難しい場合があります。
自宅で取り組める学校の課題、ICT教材、オンライン学習、教育支援センターなど、時間や場所を調整しやすい方法もあります。
ただし、学習方法を一つに決める必要はありません。現在の体調、本人が取り組める時間、ご家庭の負担を分けて考えます。
※出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
学校にはどのようなことを伝えればよいですか?
学校には、病名だけでなく、午前中の体調や学校生活への影響を伝えると、状況を共有しやすくなります。
たとえば、朝は身体を起こせない日があること、午後から動ける場合があること、遅刻や欠席が続いていることなどです。
医療機関から説明を受けている場合は、本人とご家庭が差し支えない範囲で共有する方法もあります。
※出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
まとめ

最後にこちらの記事をまとめていきましょう。
この記事では、起立性調節障害と不登校の関係について、家庭での対応、病院の探し方、学校との連携、学習や進路の選択肢を中心にご紹介しました。
- 起立性調節障害は本人の甘えや怠けではない
- 午前中に体調が悪く、午後から動ける場合がある
- 不登校の原因を起立性調節障害だけに決めつけない
- 学校では遅刻や別室利用などを相談できる場合がある
- 自宅学習や学校外の居場所、高校進学にも選択肢がある
| 確認したいこと | 内容 |
|---|---|
| 病気の特徴 | 自律神経による身体の調整がうまく働かない病気 |
| 学校への影響 | 朝の体調により、遅刻や欠席が続く場合がある |
| 病院の探し方 | 小児科などを探し、対象年齢や検査への対応を確認 |
| 学校との相談 | 遅刻、早退、別室、課題提出などを相談できる場合がある |
| 学びの選択肢 | 自宅学習、教育支援センター、フリースクールなど |
| 進路の選択肢 | 全日制、定時制、通信制高校など |
起立性調節障害が気になる場合は、厚生労働省の「医療情報ネット」で近くの医療機関を探し、公式サイトで起立性調節障害への対応、対象年齢、予約の必要性などを確認できます。
ただし、小児科であれば、すべての医療機関が起立性調節障害の検査に対応しているわけではありません。
分からない場合は、受診前に医療機関へ確認する方法があります。
※出典:厚生労働省「医療情報ネット(ナビイ)」
https://www.iryou.teikyouseido.mhlw.go.jp/znk-web/juminkanja/S2300/initialize
学校へ行けない日が続いていても、朝から教室へ通うことだけが、学校とのつながり方ではありません。遅刻や短時間の登校、別室、自宅学習、教育支援センターなど、今の体調に合わせて相談できる方法があります。
ひかりすまいるアドバイザーまた、起立性調節障害があることだけで、高校への進学ができなくなるわけではありません。全日制高校だけでなく、定時制高校や通信制高校など、通う時間や学び方が異なる学校もあります。
親御さんだけで、身体のこと、学校への連絡、勉強、進路のすべてを判断する必要はありません。
医療機関、在籍校、教育相談窓口などと情報を分けて確認しながら、お子さんの体調とご家庭の状況に合う方法を整理していきましょう。
※出典:日本小児心身医学会「起立性調節障害(一般向け)」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/※出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm※出典:文部科学省「定時制課程・通信制課程の現状について」
https://www.mext.go.jp/content/20200522-mxt_koukou02-000007159_32.pdf





