「不登校の将来はどうなるんだろう」
「学校に戻れないままだったら、その後の進学や就職は難しいのかな」
「このまま家で過ごし続けていて、本当に大丈夫なの?」
お子さんが学校へ行けない状態になると、目の前の対応だけでなく、何年も先の将来まで考えて不安になってしまいますよね。
結論からお伝えすると、不登校を経験したからといって、その後の進路が閉ざされるわけではありません。
少し古い国の追跡調査では、20歳時点で多くの人が就学や就業につながっていました。
ただし、「将来は大丈夫」と考えて、現在の生活や学習、家庭外とのつながりをそのままにしてよいわけでもありません。
- 学校へ戻れそうであれば、別室登校なども含めて在籍校と方法を探す
- 難しい場合は、教育支援センターやフリースクール、オンライン支援などを利用する
お子さんの状態に合わせて、次の接点を少しずつつくることが大切です。
保護者の声子どもが学校へ行けなくなってから、このまま進学も就職もできなくなるのではないかと、毎日不安です。
ひかりすまいるアドバイザー不登校のその後は、一つではありません。
学校へ戻る道も、学校以外の場所で学ぶ道もあります。
今すぐ将来を決めるのではなく、現在の状態を確認しながら、利用できる支援や進路を一つずつ整理していきましょう。
この記事では、全国のフリースクールや不登校支援情報を整理してきたひかりすまいる編集部が、次の内容をご紹介します。
- 統計からわかる不登校経験者のその後
- 小学生・中学生・高校生ごとの進路と選択肢
- 学校以外の居場所や学習方法
- 長期化やひきこもりが心配な場合の考え方
- 親御さんができることと相談先
不登校への対応は、学校へ戻すことだけでも、家庭で見守り続けることだけでもありません。
在籍校でできる調整と学校外の支援を組み合わせながら、お子さんと家庭の両方が続けられる方法を探していくことが大切です。
不登校でも将来の選択肢は閉ざされない

不登校になったからといって、お子さんの将来が一つの方向に決まるわけではありません。
今は学校に通えていなくても、元の学校へ戻る、別室で過ごす、転校する、学校以外の場所で学ぶなど、その後に考えられる道は複数あります。
中学校卒業後も、通信制高校や定時制高校、高等学校卒業程度認定試験などを通じて、進学や就職を目指せます。
ただし、選択肢があるからといって、今の状態をそのままにしておけばよいわけでもありません。
心身を休める時間が必要な場合もあれば、学校や家庭以外の人・場所とのつながりを少しずつつくったほうがよい場合もあります。
学校へ戻れそうであれば、その道も含めて考えていくことが大切です。
まずは、不登校支援に関する国の考え方から、不登校と将来をどのように捉えればよいのかを見ていきましょう。
不登校支援の目標は「学校に戻すこと」だけではない
文部科学省は、不登校支援について、登校という結果だけを目標にするのではなく、お子さん自身が進路を主体的に捉え、社会的に自立していくことを目指す必要があると示しています。
これは、学校へ戻ることに意味がないという考え方ではありません。
元の学校へ戻ることがお子さんに合っている場合は、教室復帰だけでなく、別室登校や短時間登校、保健室・相談室の利用なども含めて方法を探せます。
環境自体が合わない場合には、転校や学びの多様化学校を検討する道もあります。
ひかりすまいるアドバイザー一方、今すぐ学校へ戻ることが難しい場合は、教育支援センターやフリースクール、オンライン学習などを利用し、学びや人とのつながりを保つこともできます。
「学校へ戻るか、家で過ごし続けるか」の二択ではありません。
学校復帰だけを求めるのでも、学校へ行かない状態を固定するのでもなく、今のお子さんに合う環境やつながりを探していくことが大切です。
現在学校へ行けていないという事実だけで、将来まで決まるわけではありません。
ただし、今後の学びや進路に備えるためにも、家庭だけで抱え込まず、必要な支援につながる視点は持っておきましょう。
※出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)/ 文部科学省「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針」(平成29年3月31日)
休養が必要な時期もあるが、家庭だけで過ごし続けることがゴールではない
不登校になった直後は、学校へ行くための気力だけでなく、勉強や外出、人との会話に向かう力まで失っていることがあります。
そのような状態で、すぐに登校や進路選択を求めても、お子さんの負担が大きくなる場合があります。
まずは睡眠や食事、体調を整え、安心して過ごせる時間が必要なケースもあります。
文部科学省の通知でも、不登校の時期には、休養や自分を見つめ直す時間としての意味を持つことがあるとされています。
ひかりすまいるアドバイザーただし、休養は「家庭の中だけで過ごし続けること」と同じではありません。
昼夜逆転が長く続く、家族以外との会話がほとんどない、外出や好きだったことへの関心も失われている場合には、お子さんだけで状況を変えるのが難しいこともあります。
そのようなときは、在籍校の先生やスクールカウンセラー、教育支援センターなどへ、まず親御さんだけで相談しても構いません。
外出が難しければ、オンラインの居場所や学習支援から始める方法もあります。
学校との関係が残っている場合は、別室で短時間過ごす、先生と定期的に話す、行事だけ参加するなど、無理のない形で接点を保つことも考えられます。
休みながら相談先を探す、家庭で過ごしながら週に一度だけ外部の居場所を利用するなど、休養と次のつながりづくりを並行して進めることもできます。
学校復帰も学校以外の道も、本人の状態を見ながら考える
不登校のその後は、一人ひとり異なります。
短い休養のあとに元の学校へ戻るお子さんもいれば、別室登校や転校を経て学びを続けるお子さんもいます。
フリースクールや教育支援センターで人との関わりを取り戻し、その後に高校進学や就職へ進むケースもあります。
どの道が合うかは、不登校の期間だけでは決められません。
学校での人間関係、学習のつまずき、心身の不調、発達特性など、背景によって必要な環境や支援は変わります。
特定の人間関係や教室環境が負担になっている場合は、クラス替えや別室登校、転校によって学校へ戻れることがあります。
一方、体調や気力の回復に時間が必要な場合は、教育支援センターやオンラインなど、負担の少ない場所からつながりをつくるほうが合うこともあります。
小学生は安心して過ごせる場所と学習とのつながり、中学生は高校受験や内申、高校生は単位や卒業要件など、年齢によって確認したいことも異なります。
親御さんが情報を集めることは大切ですが、本人がまだ動けない段階で結論を迫る必要はありません。
ひかりすまいるアドバイザーまずは親御さんだけで相談する、複数の選択肢を調べておくなど、負担の少ない形で準備を進めていきましょう。
学校へ戻ることも、学校以外の道を選ぶことも、それ自体が目的ではありません。
お子さんが学びや人とのつながりを持ち、自分に合う進路を少しずつ選べる状態に近づくことが大切です。
【統計データ】不登校のその後はどうなっている?進学・就労の実態

不登校を経験したお子さんが、その後どのような道に進んでいるのかは、公的な統計から一定の傾向を確認できます。
ただし、現在の不登校児童生徒数を示した最新調査と、20歳時点の状況を調べた追跡調査は、対象も調査時期も異なります。
ここでは、2つを分けて見ていきましょう。
今、不登校のお子さんは全国にどれくらいいる?
文部科学省の令和6年度(2024年度)調査では、小・中学校の不登校児童生徒数は353,970人でした。
内訳は、小学生が137,704人、中学生が216,266人です。小・中学生全体では、1,000人当たり38.6人が不登校として計上されています。
高等学校の不登校生徒数は67,782人でした。
| 学校段階 | 不登校児童生徒数 |
|---|---|
| 小学校 | 137,704人 |
| 中学校 | 216,266人 |
| 小・中学校合計 | 353,970人 |
| 高等学校 | 67,782人 |
この数字からも、不登校は一部の家庭だけに起きている特別な出来事ではないことがわかります。
一方で、同じ「不登校」として集計されていても、欠席の期間や背景、家庭での過ごし方は一人ひとり異なります。
人数の多さだけを見て安心したり、反対に深刻に受け止めすぎたりせず、お子さんの状態に合わせて必要な環境を考えることが大切です。
※出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」(2025年10月29日公表)
20歳時点では約8割が就学または就業していた
不登校経験者のその後を調べた全国規模の資料として、文部科学省の「平成18年度不登校生徒に関する追跡調査」があります。
この調査は、2006年度に中学3年生で不登校だった人を対象に、20歳時点の状況を調べたものです。
2014年に公表された少し古いデータですが、不登校経験者の長期的な進路を知る参考になります。
本人アンケートに回答した1,604人の20歳時点の状況は、次のとおりでした。
| 20歳時点の状況 | 割合 |
|---|---|
| 就業のみ | 34.5% |
| 就学のみ | 27.8% |
| 就学と就業の両方 | 19.6% |
| 就学も就業もしていない | 18.1% |
ひかりすまいるアドバイザー就業のみ、就学のみ、就学と就業の両方を合算すると、約81.9%が学校に通っているか、働いていたことになります。
この結果から、不登校を経験したからといって、その後の進学や就職ができなくなるわけではないことがわかります。
ここに注意!
ただし、約81.9%という数字は、現在の不登校児童生徒全体の将来を予測するものではありません。
2014年公表の調査であり、本人アンケートに回答した1,604人を対象とした集計です。
通信制高校やオンライン学習など、現在とは制度や学習環境が異なる点にも注意が必要です。
「将来は必ず大丈夫」と断定する材料ではなく、多くの人が不登校を経験した後も、自分なりの進路につながっていることを示す参考データとして捉えましょう。
※出典:文部科学省「『不登校に関する実態調査』~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(概要版)」(2014年7月公表)
中学卒業後は多くが高校へ進学している
同じ追跡調査では、中学校卒業後の高校進学率は85.1%でした。
不登校だった期間や出席日数、学習状況によって進学先の選び方は変わりますが、不登校を経験していても、多くの人が高校へ進んでいたことがわかります。
現在は、全日制高校のほかにも、通信制高校や定時制高校、学びの多様化学校など、学び方の選択肢があります。
入試で欠席日数や調査書をどのように扱うかも、学校や自治体によって異なります。
そのため、「不登校だから高校へ進学できない」と早い段階で決めつける必要はありません。
中学生の場合は、在籍校と相談しながら、本人の状態や希望に合う進学先を早めに調べておくことが大切です。
ひかりすまいるアドバイザー一方、高校生の不登校では、単位や出席日数が卒業に影響する場合があります。
令和6年度(2024年度)の調査では、高校の不登校生徒67,782人のうち、中途退学に至った生徒は10,566人で、割合は15.6%でした。
高校生の場合、不登校になったからといって全員が中途退学するわけではありませんが、在籍を続けることが難しくなるケースもあります。
出席日数や修得単位を早めに確認し、必要に応じて転校や編入などを検討することも重要です。
なお、追跡調査の高校進学率85.1%と、令和6年度調査の中途退学15.6%は、対象者も調査年度も異なるため、単純に比較できる数字ではありません。
統計は、お子さん一人ひとりの将来を決めるものではない
ここまで紹介した統計は、不登校経験者全体の傾向を知るためのものです。
20歳時点で就学や就業につながっている人が多い一方、すぐに進路が決まらなかった人や、就学も就業もしていなかった人もいます。
また、同じ不登校でも、短期間の欠席から学校へ戻るケースもあれば、学校外の居場所を経て進学するケース、時間をかけて就職や社会との接点を見つけるケースもあります。
大切なのは、約81.9%という数字だけを見て安心することでも、18.1%という数字を見て将来を悲観することでもありません。
目の前のお子さんの体調や生活状況、学習とのつながり、家族以外との接点を確認しながら、必要な支援や進路を考えていくことが重要です。
ひかりすまいるアドバイザー統計は将来を決める答えではなく、「不登校のその後には複数の道がある」と知るための一つの材料として活用していきましょう。
不登校のその後に考えられる学年別の進路と選択肢

不登校のその後に考えたいことは、お子さんの学年や現在の状態によって異なります。
小学生では、生活や学習、人とのつながりをどのように保つかが中心です。
中学生になると高校進学、高校生では単位や卒業要件についても早めに確認する必要があります。
ただし、学校へ戻るか、学校以外の場所へ移るかを、すぐに決める必要はありません。
まずは在籍校で調整できることを確認し、必要に応じて教育支援センターやフリースクールなどを併用しながら、今後の道を考えていきます。
小学生|生活・学習・人とのつながりを整える
| 確認したいこと | 内容 |
|---|---|
| 現在の状態 | 体調、睡眠、食事、外出、人との会話 |
| 学校で相談できること | 別室や保健室の利用、登校時間・滞在時間の調整 |
| 学校外の選択肢 | 教育支援センター、フリースクール、オンライン支援 |
| 親御さんができること | 在籍校や相談機関とつながり、利用できる支援を整理する |
小学生の場合は、遠い将来の進路を急いで決めるより、現在の生活と学びをどのようにつないでいくかを考えます。
学校との関係を続けられそうな場合は、本人の状態と学校の受け入れ体制を確認しながら、次のような方法について相談できます。
- 別室や保健室を利用できるか
- 登校時間や学校で過ごす時間を調整できるか
- 担任や支援担当の先生と定期的に話せるか
- 校内教育支援センターを利用できるか
- 家庭で取り組む学習について連携できるか
最初から教室で一日過ごすことだけを目標にせず、学校との接点をどのような形なら持てるかを相談していくイメージです。
登校が難しい場合は、教育支援センターやフリースクールを利用し、家庭以外で過ごす時間や人との関わりをつくる方法もあります。
外出への負担が大きい時期には、オンラインの居場所や学習支援を入り口にすることも考えられます。
ひかりすまいるアドバイザー一方で、利用先を次々に探したり、遠方の施設へ無理に通わせたりすると、お子さんだけでなく親御さんの負担も大きくなります。
まずは在籍校や自治体の相談窓口で、地域にどのような支援があるかを確認するところから始めます。
中学生|現在の過ごし方と高校進学を並行して考える
| 確認したいこと | 内容 |
|---|---|
| 現在の状態 | 学校とのつながり、学習状況、家庭外の居場所 |
| 学校で相談できること | 別室登校、課題、定期テスト、評価方法 |
| 学校外の選択肢 | 教育支援センター、フリースクール、自宅学習 |
| 進路に向けた準備 | 調査書、欠席日数、入試条件、学校説明会 |
中学生になると、現在の居場所や学習方法に加えて、高校進学についても少しずつ情報を集める必要があります。
学校との関係を続けられそうな場合は、別室登校や短時間登校だけでなく、課題の提出方法や定期テストの受け方、学習評価についても在籍校へ相談します。
学校への登校が難しい場合でも、教育支援センターやフリースクール、自宅学習を利用しながら、高校受験に向けた準備を進めることは可能です。
高校には、主に次のような選択肢があります。
- 全日制高校
- 通信制高校
- 定時制高校
- 学びの多様化学校
- 高等専修学校
入試で調査書や欠席日数をどの程度重視するかは、自治体や高校によって異なります。
不登校だから受験できないと決めつける必要はありませんが、どの高校でも同じ対応を受けられるわけではありません。
本人がまだ進路の話を負担に感じる場合は、まず親御さんが在籍校へ相談したり、学校説明会へ参加したりして情報を集めておきます。
ひかりすまいるアドバイザーすべての選択肢を一度に本人へ示すのではなく、必要になったときに説明できるよう準備しておく形でもよいでしょう。
高校生|単位・出席日数・卒業要件を早めに確認する
| 確認したいこと | 内容 |
|---|---|
| 在籍状況 | 修得単位、欠席日数、成績、進級・卒業条件 |
| 在籍校でできること | 補講、課題提出、別室での学習、履修の相談 |
| 継続が難しい場合 | 通信制・定時制への転入学や編入学を慎重に検討 |
| 親御さんが確認すること | 手続き、時期、単位の引き継ぎ、費用、通学方法 |
高校生の場合は、欠席が単位の修得や進級、卒業に影響する可能性があります。
まずは在籍校へ、次の点を確認します。
- 現在修得できている単位
- 卒業までに必要な単位
- 欠席や遅刻が評価に与える影響
- 補講や課題提出で対応できること
- 現在の学校で学び続けるために利用できる支援
学校によっては、別室での学習や課題提出、補講などを利用しながら在籍を続けられる場合があります。
本人が現在の高校で卒業したいと考えている場合は、まず継続できる方法がないかを学校と相談します。
それでも進級や卒業が難しい場合には、通信制高校や定時制高校への転入学・編入学を検討することがあります。
ただし、学校を変えることは簡単な手続きではありません。
時期や学校によっては、修得した単位をすべて引き継げない場合もあります。
新しい学校の選定や問い合わせ、書類の準備、費用、通学方法の確認に加え、お子さん自身も新しい環境に慣れる必要があります。
「今の学校が難しいなら、通信制へ移ればよい」と早く結論を出すのではなく、在籍校で続ける方法と、学校を変えた場合の負担や卒業までの見通しを比較したうえで判断することが重要です。
高卒認定|高校以外から大学や専門学校を目指す
| 確認したいこと | 内容 |
|---|---|
| 制度の目的 | 大学・短期大学・専門学校などの受験資格を得る |
| 受験できる年齢 | 受験年度末までに満16歳以上 |
| 必要な準備 | 試験科目の学習、受験手続き、その後の進路設計 |
| 注意点 | 合格しても最終学歴が高校卒業になるわけではない |
高等学校卒業程度認定試験、いわゆる高卒認定は、高校卒業者と同等以上の学力があると認める国の試験です。
合格すると、大学や短期大学、専門学校などの受験資格を得られます。
高校での在籍や卒業が難しい場合にも、その先の進学につながる道の一つです。
ひかりすまいるアドバイザーただし、高卒認定は高校卒業資格を取得する制度ではありません。
合格しても最終学歴が高校卒業になるわけではなく、試験に合格した後の進路も考える必要があります。
また、自分で学習計画を立てて複数の科目を勉強する必要があります。
高卒認定を選べば負担がなくなるわけではないため、本人の希望や学習状況を確認し、必要に応じて塾やオンライン教材なども検討します。
高校卒業後|進学・職業訓練・就職から道を探す
| 選択肢 | 主な内容 |
|---|---|
| 大学・短期大学 | 興味のある分野を学び、資格や進路につなげる |
| 専門学校 | 実践的な技術や資格を身につける |
| 職業訓練 | 就職に必要な知識や技術を学ぶ |
| 就職 | 働きながら経験を積む |
| 就労支援 | 支援を利用しながら働く準備を進める |
不登校を経験した後の進路は、大学進学だけではありません。
専門学校で技術を学ぶ、職業訓練を受ける、就職するなど、社会とのつながり方にも複数の道があります。
学校の授業では力を発揮しにくかった人が、実習や仕事を通じて得意なことを見つける場合もあります。
一方で、体調や生活リズムが整わないまま進学や就職を急ぐと、継続が難しくなることもあります。
進路を決めずに家庭だけで過ごし続けるのではなく、今できる準備を確認し、必要に応じて地域若者サポートステーションやハローワークなどの支援につながることも考えます。
学年にかかわらず、選択肢を増やすこと自体が目的ではありません。
ひかりすまいるアドバイザーまずは現在の学校で調整できることを確認し、難しい部分を学校外の支援で補いながら、その後の進路を考えていきます。
環境を大きく変える場合は、お子さんの希望だけでなく、親御さんの手続きや費用、送迎などの負担も含めて、続けられる方法かどうかを慎重に判断する必要があります。
学校以外にも居場所はある|学びや人とのつながりを保つ方法

不登校の時期に考えたいのは、学校へ行けるかどうかだけではありません。
家庭で休む時間が必要な場合もありますが、家族以外との関わりや学習の機会がない状態が長く続くと、外へ出ることへの負担がさらに大きくなることもあります。
すぐに毎日通える場所を見つける必要はありません。
在籍校との接点を残しながら、教育支援センターやフリースクール、オンライン支援などを組み合わせ、今のお子さんが利用できる場所を探していきます。
家庭以外にもつながれる場所を持つ意味
居場所というと、毎日通って勉強する施設を思い浮かべるかもしれません。
しかし、不登校支援における居場所の役割はそれだけではありません。
たとえば、次のようなつながりも考えられます。
- 定期的に話せる学校の先生がいる
- 週に一度、教育支援センターへ通う
- フリースクールの見学や体験に参加する
- オンラインでスタッフや同年代と話す
- 家庭外で学習や活動に取り組む
最初から長時間過ごしたり、集団活動に参加したりすることが難しい場合もあります。
短時間の面談や見学から始め、利用できそうかを確認する形でも構いません。
ここがポイント!
大切なのは、家から出ること自体を目標にするのではなく、本人が学習や人との関わりを再び持てる方法を探すことです。
在籍校へ戻れる可能性がある場合は、学校との関係を切らず、別室や校内教育支援センターなどを利用する方法も検討します。
登校が難しい場合は、学校外の支援を利用しながら、生活や学習とのつながりを保つことを考えます。
校内・公的・民間・オンラインの居場所を比較
不登校のお子さんが利用できる主な居場所には、次のようなものがあります。
| 居場所 | 主な特徴 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 校内教育支援センター・別室 | 在籍校内で、教室以外の場所を利用する | 設置の有無、利用時間、学習や出席の扱い |
| 教育支援センター | 教育委員会などが設置する公的な支援機関 | 対象学年、通所条件、活動内容、在籍校との連携 |
| フリースクール | 民間が運営し、居場所や学習、体験活動を提供する | 支援方針、通い方、費用、スタッフ体制 |
| オンライン支援 | 自宅から学習や交流に参加できる | 交流方法、個別支援、対面での接点の有無 |
| 地域の居場所・親の会 | 地域団体などが交流や相談の場を提供する | 対象者、開催頻度、活動内容 |
校内教育支援センター・別室
学校内に教室以外で過ごせる場所があれば、在籍校との接点を保ちながら利用できます。
利用できる時間や学習内容、先生の配置は学校によって異なります。
ひかりすまいるアドバイザーすべての学校に設置されているわけではないため、まずは担任や不登校支援の担当者へ確認しましょう。
教室へ戻るための一時的な場所として利用される場合もあれば、一定期間、本人の状態に合わせた学びの場として利用される場合もあります。
教育支援センター
教育支援センターは、教育委員会などが設置する公的な支援機関です。
以前は「適応指導教室」と呼ばれることもありました。
学習支援、相談、創作活動、運動、集団活動などが行われています。
基本的に無料で利用できますが、対象学年や開室日、送迎の必要性などは自治体によって異なります。
学校と情報を共有しながら利用できることが特徴ですが、集団の規模や活動内容が本人に合うとは限りません。
ひかりすまいるアドバイザー見学や面談を通じて、実際の雰囲気を確認することが大切です。
フリースクール
フリースクールは、民間団体などが運営する学校外の居場所です。
学習支援を中心にする施設、体験活動や交流を重視する施設、少人数でゆっくり過ごせる施設など、方針は大きく異なります。
通えば必ず学校復帰や進学につながるわけではありませんが、家庭以外で過ごす時間を持ち、スタッフや同年代と関わることが、その後の学習や進路を考えるきっかけになる場合があります。
一方で、月謝や入会金、交通費などがかかることもあります。
送迎が必要な場合は、親御さんの時間的な負担も含めて、無理なく続けられるかを確認する必要があります。
オンラインの居場所・学習支援
外出することへの負担が大きい時期には、オンラインで学習や交流に参加する方法もあります。
自宅から始められるため、対面の施設より参加しやすいことが利点です。
スタッフとの個別面談や少人数の交流、ICT教材を使った学習など、内容はサービスによって異なります。
ここに注意!
ただし、オンラインを利用していても、生活のほとんどを自室だけで過ごしている場合は、対面での接点をどのようにつくるかも考えていく必要があります。
オンラインだけで完結させると決めるのではなく、本人の状態が変わったときに、地域の居場所や学校との接点につなげられるかも確認しておきましょう。
居場所を選ぶときに確認したいこと
居場所を探すときは、施設の知名度や学習内容だけでなく、本人と家庭の両方が続けられるかを確認します。
本人にとっての確認ポイント
- 緊張が強すぎずに過ごせそうか
- 集団参加を一律に求められないか
- 一人で落ち着いて過ごせる場所があるか
- 困ったときに話せるスタッフがいるか
- 活動内容や通う頻度が現在の状態に合っているか
保護者が確認したいポイント
- 在籍校とどのように連携するか
- 利用日数や時間を調整できるか
- 費用や交通費を無理なく負担できるか
- 送迎が必要か
- 通えなくなった場合にも相談できるか
- 進路や学習について相談できる体制があるか
本人が見学を拒んでいる段階で、無理に連れて行く必要はありません。
ひかりすまいるアドバイザーまず親御さんだけで説明を聞き、写真や活動内容を確認してから本人へ伝える方法もあります。
一方で、資料を集めるだけで終わらせず、利用できそうな場所があれば、問い合わせや保護者面談まで進めておくと、本人が動き出したときに選択肢を示しやすくなります。
一つの居場所に決めなくてもよい
在籍校、教育支援センター、フリースクール、自宅学習は、必ずしもどれか一つだけを選ぶものではありません。
たとえば、次のような利用方法も考えられます。
- 学校との面談を続けながら教育支援センターへ通う
- フリースクールを利用しながら在籍校と学習状況を共有する
- オンライン学習と週に一度の外出を組み合わせる
- 体調に合わせて利用日数を調整する
ただし、複数の場所を利用すればよいというわけでもありません。
予定が増えすぎると、本人にも、送迎や連絡を担う親御さんにも負担がかかります。
ここがポイント!
今のお子さんに必要なのが、休養なのか、学習なのか、人との関わりなのかを整理し、無理なく続けられる範囲から始めることが大切です。
不登校の時期をどう過ごす?休養と学びの再開

不登校の時期は、すぐに勉強へ戻すことだけを考えるのでも、家庭で休ませ続けるのでもなく、心身の状態を見ながら次のつながりを探していくことが大切です。
必要な休養の期間や、取り組めることは一人ひとり異なります。
生活・学習・人との関わりのうち、今どこから整えられそうかを考えていきます。
| 確認したいこと | 見ておきたい状態 |
|---|---|
| 心身の状態 | 疲れ、気分の落ち込み、頭痛・腹痛、食欲など |
| 生活リズム | 睡眠、食事、着替え、日中の過ごし方 |
| 学習とのつながり | 教材を開けるか、学校の課題に取り組めるか |
| 人とのつながり | 家族以外と話す機会や、家庭外で過ごす時間があるか |
心身の状態に合わせて休養と支援を考える
不登校になった直後は、学校へ行くための気力だけでなく、勉強や外出、人との会話に向かう力も失っていることがあります。
そのような状態で登校や学習を強く求めると、負担がさらに大きくなる場合があります。
まずは睡眠や食事、体調を確認し、心身を立て直す時間が必要なこともあります。
文部科学省も、不登校の時期には休養や自分を見つめ直す意味を持つ場合があるとしています。
ひかりすまいるアドバイザーただし、休養とは、状態を確認しないまま家庭だけで過ごし続けることではありません。
頭痛や腹痛が続いている、気分の落ち込みが強い、家族との会話も減っているなど、心配な様子が見られる場合は、学校や相談機関、必要に応じて医療機関へ相談します。
本人が動けない時期は、親御さんだけで相談しても構いません。
生活リズムは一気に戻すのではなく、少しずつ整える
不登校が続くと、起きる時間や寝る時間がずれ、昼夜逆転に近い生活になることがあります。
すぐに学校の時間割へ合わせようとしても、本人と家族の双方が疲れてしまう場合があります。
まずは、起床・就寝時間、食事、日中の活動など、現在の生活を把握することから始めます。
ゲームや動画を見る時間が長くても、それだけを問題として取り上げるのではなく、次のような点をあわせて確認します。
- 睡眠や食事が大きく乱れていないか
- 家族との会話があるか
- 入浴や着替えなどの日常生活を続けられているか
- 興味を持てることが残っているか
- 家族以外との接点があるか
生活全体が崩れている場合は、ゲームを取り上げることだけで解決しようとせず、学校や相談機関と一緒に対応を考えます。
ひかりすまいるアドバイザー朝起きる、食事を取る、短時間外へ出るなど、できることを少しずつ増やしながら、学校や教育支援センター、フリースクールなどとの接点につなげていく方法もあります。
学習は「遅れを一気に取り戻す」より、現在地を確認する
不登校になると、親御さんは勉強の遅れが気になると思います。
ただし、学習が止まっている期間や理解度は一人ひとり異なります。
学年相当の内容を最初からすべて取り戻そうとすると、本人が勉強そのものを避けるようになることもあります。
まずは、次のような方法から現在の状況を確認します。
- 学校から配布された課題に取り組む
- 教科書や以前の単元を見直す
- ICT教材で理解度に合うところから始める
- オンライン家庭教師や学習支援を利用する
- 教育支援センターやフリースクールで学ぶ
小学生は、読み書きや計算など基礎的な部分から確認します。
中学生は、高校受験を見据えて主要教科や提出物、定期テストについて在籍校と相談することも必要です。
高校生は、家庭学習だけで判断せず、単位や課題、出席日数への影響を在籍校へ確認してください。
ひかりすまいるアドバイザー興味のある分野を学習の入り口にする方法もありますが、好きなことだけに限定するのではなく、そこから教科学習や外部との活動へつなげられるかを考えていきます。
学校外や自宅での学習が評価される場合もある
義務教育段階の小学生・中学生では、教育支援センターやフリースクールなど学校外の施設で受けた指導が、一定の要件を満たした場合に出席扱いとなることがあります。
自宅でICT教材などを使って学習する場合にも、学校が学習状況を継続的に把握し、校長が認めるなどの要件を満たせば、出席扱いとなる可能性があります。
また、令和6年8月29日の文部科学省通知と法令改正により、義務教育段階では、欠席中に学校外の施設や自宅等で取り組んだ学習成果を、一定の要件のもとで成績評価に反映できることが明確になりました。
ただし、次の点には注意が必要です。
- 出席扱いと成績評価への反映は別の制度
- どちらも自動的に認められるものではない
- 学習内容や状況を在籍校が把握する必要がある
- 最終的な判断は学校や校長が行う
- 高校は同じ制度の対象ではない
家庭学習を始める前や、フリースクールなどを利用する際は、在籍校へ学習内容の共有方法や、出席・成績の扱いを確認しておくことが大切です。
※出典:文部科学省「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)」(令和6年8月29日)/ 文部科学省「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果の成績評価に係る法令改正について」
不登校が長引いたら将来に影響する?ひきこもり・長期化への備え

不登校が続くと、「このまま家から出なくなるのでは」「進学や就職が難しくなるのでは」と心配になる親御さんも多いと思います。
実際に、欠席期間が長くなるほど、学習の遅れや生活リズム、進路選択など、考えることが増える場合があります。
一方で、不登校の期間が長いことだけで、その後の進路が決まるわけではありません。
大切なのは、登校できているかだけではなく、学習や人とのつながり、相談できる場所を持てているかを見ることです。
不登校が長引くお子さんは少なくない
文部科学省の令和6年度(2024年度)調査では、小・中学校の不登校児童生徒のうち、欠席が90日以上だった割合は54.2%でした。
また、前年度に不登校だった児童生徒のうち、卒業などで在籍しなくなった人を除くと、73.0%が翌年度も不登校として計上されています。
不登校は、数週間で元の生活へ戻る場合もあれば、学年をまたいで続く場合もあります。
そのため、「いつまでに学校へ戻ればよい」と一律の期限を決めることはできません。
ひかりすまいるアドバイザーただし、長く休んでいるお子さんが珍しくないからといって、家庭だけで様子を見続ければよいという意味でもありません。
| 確認したいこと | 見ておきたい状態 |
|---|---|
| 心身の状態 | 頭痛・腹痛、気分の落ち込み、食欲、身だしなみ |
| 生活 | 昼夜逆転、食事、入浴、日中の活動 |
| 人とのつながり | 家族との会話、先生や支援者との接点 |
| 学習 | 学校の課題、自宅学習、学習支援の利用 |
| 外との接点 | 外出、通所、オンラインでの交流 |
登校できていなくても、先生と定期的に話している、教育支援センターへ通っている、自宅で学習を続けているなど、外との接点が保たれている場合もあります。
欠席日数だけで判断せず、生活全体が少しずつ動いているかを確認することが大切です。
不登校とひきこもりは同じではない
不登校が続くと、そのままひきこもりになるのではないかと考えてしまうかもしれません。
厚生労働省のガイドラインでは、ひきこもりは、就学や就労、交友などの社会参加を避け、原則として6か月以上、おおむね家庭にとどまり続けている状態とされています。
不登校は学校へ通っていない状態を表す言葉であり、不登校を経験したお子さんがすべてひきこもりになるわけではありません。
文部科学省の追跡調査では、20歳時点で就学も就業もしていなかった人は18.1%でした。
ただし、報告書では、この数字がそのままひきこもりを意味するものではないと説明されています。
| 状態 | 主な意味 |
|---|---|
| 不登校 | 年間30日以上欠席し、病気や経済的理由を除く状態 |
| 非就学・非就業 | 調査時点で学校に通わず、働いてもいない状態 |
| ひきこもり | 社会参加を避け、長期間家庭を中心に過ごしている状態 |
これらを同じものとして扱わないことが大切です。
一方で、生活のほとんどを自室で過ごし、家族との会話や外との接点も減っている場合は、「本人が動き出すまで待つ」だけでは対応が難しくなることもあります。
ひかりすまいるアドバイザー本人が相談を嫌がっていても、まず家族だけで支援機関へ相談することはできます。
※出典:厚生労働省「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」/ 文部科学省「平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書」
長期化が心配なときに見直したいこと
不登校が長引いているときは、学校へ戻れるかどうかだけでなく、現在の支援や過ごし方がお子さんの状態に合っているかを見直します。
確認したいのは、主に次の点です。
- 在籍校と定期的に連絡を取れているか
- 別室や校内教育支援センターなど、利用できる支援がないか
- 教育支援センターやフリースクールを検討したか
- 自宅で取り組める学習方法があるか
- 心身の不調について相談できているか
- 親御さん自身が相談できる人や場所を持てているか
学校とのやり取りが負担になっている場合もありますが、連絡を完全に途切れさせると、学習や進路に必要な情報が入りにくくなります。
担任との連絡が難しい場合は、学年主任、不登校支援の担当者、スクールカウンセラーなど、別の窓口を相談する方法もあります。
ひかりすまいるアドバイザー学校外の居場所についても、最初から週に何日も通う必要はありません。
親御さんだけの相談、施設の見学、短時間の利用など、現在の状態で可能な段階から進めます。
ただし、通う場所や予定を増やしすぎると、本人にも親御さんにも負担がかかります。
利用できる支援を並べるだけでなく、今必要なものを絞ることも大切です。
長期化しても、その後の進路を考え直すことはできる
不登校の期間が長くなり、すぐに学校復帰や進学へ進めない場合でも、そこで将来が決まるわけではありません。
教育支援センターやフリースクールを利用した後に進学する人もいれば、通信制高校や定時制高校で学び直す人、時間をかけて就労支援につながる人もいます。
一方で、「いつか本人が変わるだろう」と、学習や社会との接点がない状態を長く続けることには注意が必要です。
本人を責めたり、急に登校や就職を迫ったりするのではなく、現在の状態に応じて、次のような小さな接点を探していきます。
- 家族以外の相談相手をつくる
- 学校や支援機関との定期的な面談を続ける
- 自宅で取り組める学習を始める
- オンラインから人との交流を再開する
- 教育支援センターやフリースクールを見学する
- 年齢に応じた進学・就労支援の情報を集める
本人が今すぐ動けない場合は、親御さんが先に相談し、利用できる制度や地域の支援先を確認しておくだけでも意味があります。
不登校の期間を短くすることだけを目的にするのではなく、家庭の外との接点が途切れない状態をつくることが、その後の進路を考える土台になります。
不登校のその後をイメージできる3つのケース

不登校のその後は、学校へ戻る人、学校以外の居場所を経て進学する人、時間をかけて社会との接点をつくる人など、さまざまです。
ここでは、考えられる経過をイメージしやすいように、複数の状況をもとにしたケース例を紹介します。
※以下は特定の個人の体験談ではなく、不登校後に考えられる経過を整理したイメージ例です。
| ケース | 主な経過 | その後 |
|---|---|---|
| 小学生 | 休養後、別室登校から学校との接点を再開 | 教室で過ごす時間を少しずつ増やす |
| 中学生 | 教育支援センターと自宅学習を併用 | 通信制高校へ進学 |
| 高校生 | 在籍校での継続が難しく、支援機関へ相談 | 時間をかけて学び直しや就労準備へ |
ケース1|別室登校から学校とのつながりを取り戻した小学生
小学4年生のAさんは、朝になると腹痛を訴えるようになり、学校を休む日が増えました。
当初は教室へ戻ることを目指しましたが、登校を促されるほど体調が悪化したため、学校と相談しながら、しばらく家庭で休む期間を設けました。
その後、担任と放課後に短時間会うところから学校との接点を再開。
校内の別室を利用できることになり、週に一度、短時間だけ登校するようになりました。
すぐに毎日通えるようになったわけではありませんが、先生と話す、学校で課題に取り組むなど、できることが少しずつ増えていきました。
ひかりすまいるアドバイザーこのケースでは、教室へ戻ることを急がず、在籍校で利用できる支援を確認したことが、次の動きにつながっています。
ただし、別室登校を利用すれば必ず教室へ戻れるわけではありません。
利用時間や支援体制も学校によって異なるため、本人の状態と学校の対応を確認しながら進める必要があります。
ケース2|教育支援センターを利用しながら高校進学を目指した中学生
中学1年生から欠席が増えたBさんは、学校の課題にも取り組めない時期が続いていました。
家庭だけで過ごす状態が長くなったため、保護者が教育委員会へ相談し、教育支援センターを見学しました。
最初は保護者だけで面談を受け、その後、本人も短時間の利用から始めました。
通所できない日は自宅でICT教材に取り組み、在籍校とは課題や学習状況を共有。
中学3年生になる前から、保護者が通信制高校や定時制高校の情報を集めました。
本人は大人数の学校生活に不安があったため、登校日数や支援体制を比較し、通信制高校へ進学しました。
ひかりすまいるアドバイザーこのケースでは、学校へ戻るかどうかだけで判断せず、教育支援センター、自宅学習、在籍校との連携を組み合わせています。
進学先についても、通信制高校を最初から正解と決めたのではなく、本人が続けられる環境かどうかを見学や説明会で確認しています。
ケース3|すぐに進路を決めず、支援につながった高校生
高校1年生のCさんは、欠席が増え、単位の修得が難しい状態になりました。
本人は学校の話を避けるようになり、保護者も「早く次の学校を探さなければ」と焦っていました。
しかし、学校を変える場合にも手続きや費用、新しい環境への適応が必要になるため、まず在籍校で続けられる方法を確認しました。
補講や課題提出について相談しましたが、当時の本人には継続が難しく、すぐに進路を決めることもできませんでした。
そこで、保護者が地域の相談窓口へつながり、本人の体調や生活状況を整理することから始めました。
その後、本人も支援者との面談を受けるようになり、生活リズムを整えながら、学び直しや就労に向けた準備を考えられるようになりました。
ひかりすまいるアドバイザーこのケースのように、不登校のその後がすぐに進学や就職へつながらないこともあります。
ただし、進路が決まっていない期間と、支援や外との接点がない状態は同じではありません。
本人が動けない時期でも、保護者が相談先とつながり、次に利用できる制度を確認しておくことはできます。
3つのケースに共通すること
不登校のその後は異なりますが、3つのケースには共通点があります。
- 学校復帰だけに絞らず、在籍校で利用できる支援を確認している
- 家庭だけで抱え込まず、学校や相談機関とつながっている
- 本人の状態を見ながら、学習や人との接点をつくっている
- 進路を急いで決めず、続けられる環境かを確認している
- 保護者の負担も含めて、現実的な方法を選んでいる
不登校を経験した後、すぐに大きな変化が起きるとは限りません。
見学へ行く、先生と話す、自宅で学習を始めるなど、小さな動きが次の進路につながることもあります。
一方で、本人のペースを尊重することと、何も働きかけずに待ち続けることは同じではありません。
今できる接点を探しながら、学校へ戻る道も、学校以外の環境を利用する道も、本人と家庭の状況に合わせて検討していくことが大切です。
不登校の将来のために親ができること

不登校のその後を考えるとき、親御さんがすべての答えを出す必要はありません。
一方で、「本人が動き出すまで何もしない」と決めるのではなく、現在の状態を把握し、学校や相談機関とつながりながら、必要な情報を集めておくことは大切です。
ここがポイント!
親御さんができるのは、進路を代わりに決めることではなく、お子さんが動けるようになったときに選べる環境を整えておくことです。
| 親御さんができること | 主な内容 |
|---|---|
| 状態を確認する | 体調、生活、学習、人とのつながりを見る |
| 学校と連携する | 利用できる支援、出席、成績、進路情報を確認する |
| 選択肢を調べる | 居場所や進学先について保護者が先に情報を集める |
| 本人の意向を確認する | 結論を急がず、受け止められる範囲で話す |
| 外部へ相談する | 家庭だけで抱えず、相談先を確保する |
登校できているかだけでなく、生活全体を見る
不登校になると、どうしても「今日は学校へ行けたか」に目が向きやすくなります。
しかし、将来へのつながりを考えるうえでは、登校以外の変化にも目を向ける必要があります。
- 睡眠や食事を取れているか
- 家族との会話があるか
- 外出や入浴などの日常生活を続けられているか
- 学習や好きな活動に取り組めているか
- 家族以外の人との接点があるか
ひかりすまいるアドバイザー学校を休んでいても、先生と話せるようになった、短時間外出できた、家庭学習を始めたなど、次につながる変化が見られることがあります。
反対に、昼夜逆転が続き、自室からほとんど出ない、家族との会話も減っている場合は、登校を迫るより先に、心身の状態や必要な支援を確認することが大切です。
学校との連絡を途切れさせない
登校できない時期でも、在籍校との連絡はできる範囲で続けておきましょう。
学校とのつながりがあれば、次のような情報を確認しやすくなります。
- 別室や校内教育支援センターを利用できるか
- 家庭で取り組む課題を用意してもらえるか
- 出席や成績がどのように扱われるか
- 進級や卒業に必要な条件
- 教育支援センターなど地域の相談先
- 高校受験や進路に関する情報
担任とのやり取りが負担になっている場合は、学年主任、養護教諭、不登校支援の担当者、スクールカウンセラーなど、別の窓口を相談する方法もあります。
学校との連絡を親御さん一人が背負い続けると負担が大きくなるため、連絡方法や頻度についても調整して構いません。
進路や居場所の情報は、親御さんが先に集めておく
本人がまだ学校や進路の話を受け止められない時期に、将来の選択を迫る必要はありません。
ただし、中学生の高校受験や、高校生の単位・卒業要件など、時期によっては確認を急いだほうがよい情報もあります。
本人にすぐ決断を求めるのではなく、まず親御さんが次のような準備を進めます。
- 在籍校へ進級・卒業条件を確認する
- 教育支援センターやフリースクールの資料を見る
- 学校説明会へ保護者だけで参加する
- 通学方法や費用、送迎の負担を確認する
- 利用や出願に期限があるかを調べる
選択肢を多く示せば安心するとは限りません。
ひかりすまいるアドバイザー本人の状態に合わない情報を一度に伝えると、かえって将来の話を避けるようになることもあります。
必要な情報を整理し、本人が考えられる段階になったときに示せるよう準備しておくことが大切です。
本人の意思を尊重しながら、すべてを任せきりにしない
進路や居場所を考えるときは、本人の意向を確認することが欠かせません。
一方で、「本人が行きたいと言うまで待つ」「本人にすべて決めてもらう」という形では、動けない状態が長く続くこともあります。
親御さんが選択肢を調べたうえで、本人が受け止められる範囲で情報を共有し、学校や支援者とも相談しながら考えていきます。
本人がすぐに答えを出せない場合は、見学ではなく資料を見る、オンライン説明会に参加する、親御さんだけで面談を受けるなど、負担の少ない段階から進める方法もあります。
本人の意向を無視して決めるのでも、本人だけに判断を委ねるのでもなく、周囲が支えながら一緒に考えることが大切です。
生活リズムやゲームだけを切り取って責めない
昼夜逆転やゲームの時間が長くなると、親御さんが心配になるのは自然なことです。
ただし、ゲームを取り上げたり、起床時間だけを厳しく管理したりしても、不登校の背景にある疲れや不安が解消されるとは限りません。
まずは、ゲーム以外の生活も含めて確認します。
- 睡眠時間そのものは取れているか
- 食事や入浴ができているか
- 家族と会話できているか
- ゲーム以外に関心を示すものがあるか
- オンライン上も含め、人とのつながりがあるか
生活全体の乱れや孤立が長く続いている場合は、家庭内のルールだけで解決しようとせず、学校や相談機関へ相談します。
ひかりすまいるアドバイザーゲームや動画が唯一の楽しみになっていることもあるため、急に取り上げるのではなく、日中の活動や外との接点を少しずつ増やせる方法を考えていきましょう。
親御さん自身も一人で抱え込まない
不登校が続くと、学校との連絡、居場所探し、送迎、学習や進路の情報収集など、親御さんの負担も増えていきます。
仕事を休んだり、きょうだいとの時間が取れなくなったりして、家庭全体が疲れてしまうこともあります。
親御さん自身が相談できる場所を持つことは、お子さんへの支援を続けるためにも重要です。
学校のスクールカウンセラー、教育支援センター、自治体の相談窓口、親の会などでは、本人が参加しなくても保護者だけで相談できる場合があります。
家族だけで結論を出そうとせず、学校や支援者と役割を分けながら進めていきましょう。
発達特性や心身の不調が気になる場合は専門機関へ相談する
不登校の背景には、人間関係や学習のつまずきだけでなく、発達特性や心身の不調が関係している場合もあります。
音や光に強い負担を感じる、集団の中で疲れやすい、読み書きや予定管理に大きな困難があるなど、学校生活で繰り返し困りごとが起きている場合は、本人の努力だけで解決するのが難しいこともあります。
また、頭痛や腹痛、朝起きられない状態、強い不安や気分の落ち込みが続いている場合には、医療機関への相談も検討します。
ひかりすまいるアドバイザー診断を急ぐことが目的ではありません。
本人に合う学び方や環境調整、必要な支援を考えるために、学校や専門機関の意見を取り入れるという位置づけです。
不登校の将来のために親御さんができるのは、登校させることだけでも、すべてを見守ることだけでもありません。
現在の状態を把握し、在籍校でできる調整を確認しながら、必要に応じて学校外の支援へつなぐことが、その後の選択肢を支えることにつながります。
一人で抱え込まない|不登校のその後や将来を相談できる窓口

不登校の相談先は一つではありません。
学校との関係を調整したいとき、学校以外の居場所を探したいとき、心身の不調が気になるときでは、相談する相手も変わります。
本人が相談を嫌がっていたり、外出できなかったりする場合でも、まず親御さんだけで相談できる窓口はあります。
家庭だけで答えを出そうとせず、現在困っていることに合う相談先を選びましょう。
| 現在困っていること | 主な相談先 |
|---|---|
| 学校での過ごし方を調整したい | 担任、学年主任、養護教諭、不登校支援担当 |
| 別室登校や校内支援について知りたい | 在籍校、校内教育支援センター |
| 学校への相談が難しい | 教育委員会、教育相談所、教育センター |
| 学校外の居場所を探したい | 教育支援センター、フリースクール |
| 体調や気持ちの落ち込みが心配 | 小児科、児童精神科、心療内科など |
| 発達特性や学びにくさが気になる | 学校、発達相談窓口、発達障害者支援センター |
| 高校卒業後の就労が心配 | 地域若者サポートステーション、ハローワーク |
| 親御さん自身が疲れている | スクールカウンセラー、自治体相談、親の会 |
在籍校|学校でできる調整や進路について相談する
在籍校では、現在の欠席状況だけでなく、学校との接点や学習、進路について相談できます。
相談先は担任だけではありません。
- 学年主任
- 養護教諭
- 不登校支援の担当者
- スクールカウンセラー
- スクールソーシャルワーカー
- 管理職
別室や校内教育支援センターの利用、登校時間の調整、家庭で取り組む課題、定期テストの受け方など、学校内で対応できることがないか確認します。
ただし、学校との人間関係や対応そのものが負担になっている場合に、無理に担任とのやり取りを続ける必要はありません。
窓口を別の先生へ変更したり、教育委員会など学校外の相談先を利用したりする方法もあります。
ひかりすまいるアドバイザー親御さん一人が何度も状況を説明する負担を減らすため、連絡する相手や頻度、方法を学校側と決めておくことも大切です。
教育支援センター・自治体の相談窓口|公的な支援を知る
教育支援センターは、教育委員会などが設置する、不登校の小学生・中学生を主な対象とした公的な支援機関です。
学習支援や相談、活動の場を提供するほか、在籍校と連携しながら支援を行います。
自治体によっては、通所を始める前の相談や、保護者だけの面談にも対応しています。
教育支援センターへ通うことだけが目的ではありません。
地域にある支援先を知りたい、今の対応について第三者の意見を聞きたいという段階でも相談できます。
自治体によって名称や利用条件、開室日、送迎の有無が異なるため、教育委員会や自治体の公式サイトで確認しましょう。
フリースクール・民間支援|利用前に方針や負担を確認する
フリースクールでは、学校外の居場所や学習支援について相談できます。
施設によって、学習中心、体験活動中心、少人数でゆっくり過ごす形など、方針は大きく異なります。
問い合わせの段階では、活動内容だけでなく、次の点も確認しましょう。
- 本人が通えない時期も相談を続けられるか
- 在籍校との連携に対応しているか
- 利用日数や時間を調整できるか
- 月謝、入会金、教材費などの総額
- 送迎や通学にどの程度の負担がかかるか
- 学習や進路について相談できるか
見学したから入会しなければならないわけではありません。
ひかりすまいるアドバイザー親御さんだけで説明を聞き、家庭の負担も含めて続けられる場所かを比較します。
また、フリースクールへ通えば必ず学校復帰や進学につながるわけではありません。
在籍校でできる調整や公的支援も確認したうえで、現在のお子さんに必要な環境かを考えることが大切です。

「学校に行けない日」も、家からつながれる学び場があります。
aini school 小中等部は、不登校のお子さまが安心して参加できるオンラインフリースクールです。
顔出しや発言を無理に求めず、朝のホームルーム・教科学習・マイクラやイラストなどの楽しい授業を通じて、少しずつ生活リズムや人とのつながりを取り戻しやすい環境が整っています。
- 小1〜中3に対応
- 平日9:00〜15:00に開校
- 教科学習+好きなことから学べる授業
- 出席扱い認定の取得サポートあり
心身の不調がある場合|医療機関への相談も考える
頭痛や腹痛、朝起きられない状態、食欲の低下、強い不安などが続いている場合は、学校や居場所だけでなく、医療機関への相談も検討します。
最初から専門の医療機関を探すことが難しければ、かかりつけの小児科などに相談し、必要に応じて専門機関を紹介してもらう方法もあります。
特に、次のような状態が続く場合は、家庭だけで判断しないことが大切です。
- 睡眠や食事が大きく乱れている
- 頭痛や腹痛などの症状が続いている
- 以前楽しんでいたことにも関心を示さない
- 家族との会話が極端に減っている
- 強い不安や落ち込みが見られる
- 自分を傷つける言動がある
医療機関へ相談することは、すぐに診断や服薬を受けるという意味ではありません。
ひかりすまいるアドバイザー心身の状態を確認し、学校生活や家庭で必要な配慮を考えるための一つの方法です。
親の会・保護者相談|親御さん自身の負担も相談する
不登校への対応が続くと、親御さんも疲れや不安を抱えやすくなります。
学校との連絡、居場所探し、送迎、仕事との調整などを一人で抱えると、家庭全体に余裕がなくなることもあります。
親の会や保護者相談では、同じ経験を持つ保護者の話を聞いたり、地域の支援情報を得たりできます。
ただし、考え方や雰囲気は団体によって異なるため、参加して負担を感じる場合は、無理に続ける必要はありません。
親御さんが相談することは、お子さんを無理に動かすためではなく、家庭でできることと、外部へ頼ることを整理するためです。
相談前にまとめておくと伝えやすいこと
相談するときに、状況をすべてきれいに説明する必要はありません。
次の内容を簡単にメモしておくと、相談先へ伝えやすくなります。
- 欠席が始まった時期と現在の登校状況
- 頭痛や腹痛などの体調
- 睡眠、食事、外出などの生活状況
- 家庭での学習状況
- 学校や人間関係で気になっていること
- これまで利用した支援
- 現在、親御さんが一番困っていること
原因がわからなくても相談できます。
「何を相談すればよいかわからない」という状態を、そのまま伝えても構いません。
また、一つの窓口で十分な支援につながらなかった場合もあります。
そのときは、相談を諦めるのではなく、学校とは別の公的窓口や民間支援など、相談先を変えてみることも考えます。
不登校のその後について、親御さんだけで将来の見通しを立てるのは難しいものです。
ひかりすまいるアドバイザー学校、公的機関、民間支援、医療などの役割を分けながら、家庭の負担が大きくなりすぎない形で支援につながっていきましょう。
不登校のその後・将来に関するよくある質問

不登校のその後について、保護者の方から寄せられやすい疑問をまとめました。
不登校でも高校や大学へ進学できますか?
不登校を経験していても、高校や大学へ進学することは可能です。
高校には、全日制だけでなく、通信制・定時制・高等専修学校などがあります。
入試で調査書や欠席日数をどの程度重視するかは、自治体や学校によって異なります。
大学や専門学校を目指す場合も、高校を卒業するほか、高等学校卒業程度認定試験に合格して受験資格を得る方法があります。
ただし、「不登校でもどの学校でも受験できる」と一律にはいえません。
中学生は在籍校や志望校へ入試条件を確認し、高校生は単位や卒業要件を早めに把握しておくことが大切です。
学校に戻らないままでも、将来は大丈夫でしょうか?
学校に戻らなかったからといって、進学や就職の道がなくなるわけではありません。
文部科学省の少し古い追跡調査では、2006年度に中学3年生で不登校だった人のうち、本人アンケートに回答した1,604人の約81.9%が、20歳時点で就学または就業していました。
一方で、学校に戻らなくても何もしなくてよい、という意味ではありません。
教育支援センターやフリースクール、自宅学習などを利用し、学びや家族以外の人との接点を持つことが、その後の進路を考える土台になります。
学校との関係が残っている場合は、別室登校など、負担を抑えた形で接点を保つ方法もあります。
不登校による勉強の遅れは、どのくらいで取り戻せますか?
勉強の遅れを取り戻す期間は、不登校だった期間や理解度、心身の状態によって異なります。
数か月で学年相当の内容へ戻れる場合もあれば、以前の学年の単元から時間をかけて学び直す場合もあります。
大切なのは、学年の内容を最初からすべてやり直すことではなく、現在どこまで理解できているかを確認することです。
学校の課題、ICT教材、オンライン家庭教師、教育支援センターやフリースクールなどを利用し、取り組めるところから進めていきます。
小学生は読み書きや計算、中学生は高校受験に必要な教科、高校生は単位や提出課題など、学年によって優先する内容も異なります。
不登校からそのままひきこもりになることはありますか?
不登校が長引き、社会との接点が少なくなるケースはあります。
ただし、不登校を経験したお子さんが、すべてひきこもりになるわけではありません。
不登校は主に学校へ通っていない状態を表す言葉です。
一方、ひきこもりは、就学や就労、交友などの社会参加を避け、長期間家庭を中心に過ごしている状態を指します。
学校へ行っていなくても、教育支援センターへ通っている、オンラインで交流している、家庭で学習しているなど、外とのつながりを持っている場合もあります。
自室からほとんど出ない、家族との会話も減っている、生活全体が大きく崩れている場合は、本人が相談を望んでいなくても、まず家族だけで相談機関につながることを検討してください。
不登校の期間は、どのくらい続くのが一般的ですか?
不登校が続く期間には大きな個人差があり、「一般的には何か月」と一つに決めることはできません。
令和6年度の文部科学省調査では、小・中学校の不登校児童生徒のうち、欠席が90日以上だった割合は54.2%でした。
短期間で学校との接点を取り戻すお子さんもいれば、学年をまたいで支援を利用するお子さんもいます。
期間だけを見て焦るのではなく、生活や学習、人とのつながりに変化があるかを確認することが大切です。
一方で、長く続くことも珍しくないからと、家庭だけで様子を見続けるのではなく、学校や相談機関とのつながりは保っておきましょう。
昼夜逆転してゲームばかりでも、見守っていてよいですか?
心身が疲れている時期には、睡眠時間がずれたり、ゲームや動画を見て過ごす時間が増えたりすることがあります。
その状態だけを見て、すぐにゲームを取り上げたり、学校と同じ時間に起きるよう強く求めたりすると、親子関係が悪化する場合もあります。
ただし、昼夜逆転や自室だけで過ごす状態を、そのままにしてよいということでもありません。
次のような生活全体の状態を確認してください。
- 食事や入浴ができているか
- 家族との会話があるか
- ゲーム以外にも興味を持てるものがあるか
- オンラインを含め、人とのつながりがあるか
- 頭痛や腹痛、気分の落ち込みが続いていないか
生活全体の乱れや孤立が続いている場合は、家庭内のルールだけで解決しようとせず、学校や相談機関へ相談しましょう。
学校以外に居場所をつくるには、どうすればよいですか?
まずは、在籍校や教育委員会へ、利用できる支援がないか確認します。
主な居場所には、次のようなものがあります。
- 校内教育支援センターや別室
- 教育支援センター
- フリースクール
- オンラインの居場所や学習支援
- 地域の子どもの居場所
- 親の会が運営する交流の場
本人が見学を嫌がっている場合は、親御さんだけで説明を聞くこともできます。
最初から毎日通うことを前提にせず、面談や短時間の体験から始められるかを確認しましょう。
送迎や費用、利用時間など、家庭が続けられる条件かどうかも大切です。
学校以外で過ごす場合、費用はどのくらいかかりますか?
利用する場所によって費用は大きく異なります。
教育支援センターは公的な支援機関で、基本的に無料です。
一方、民間のフリースクールは、月謝のほかに入会金、教材費、行事費、交通費などがかかることがあります。
文部科学省が2015年に実施した調査では、フリースクール等の授業料・会費の月額平均は約3万3,000円でした。
ただし、古い全国調査であり、現在の料金や地域差をそのまま示す数字ではありません。
週1回の利用、オンライン型、自治体の助成制度などにより負担が変わるため、問い合わせ時には月謝だけでなく、年間でかかる総額を確認しましょう。
送迎が必要な場合は、保護者の時間や仕事への影響も含めて検討する必要があります。
きょうだいへの影響が心配です。どう対応すればよいですか?
不登校のお子さんへの対応が中心になると、きょうだいが寂しさや不公平感を抱くことがあります。
きょうだいに我慢を求めすぎたり、不登校のお子さんの支え役を担わせたりしないことが大切です。
家庭の状況を年齢に応じた言葉で説明し、きょうだいだけと過ごす時間もできる範囲で確保します。
また、「お兄ちゃん・お姉ちゃんは休んでいるのに、自分は学校へ行かなければならない」と感じることもあります。
気持ちを否定せず、それぞれに必要な対応が違うことを伝えていきます。
保護者だけで家庭全体の調整が難しい場合は、スクールカウンセラーや自治体の家庭相談などへ相談する方法もあります。
不登校のその後について、どこに相談すればよいですか?
相談内容によって、適した窓口は異なります。
| 相談したいこと | 主な相談先 |
|---|---|
| 学校での過ごし方 | 担任、学年主任、養護教諭、不登校支援担当 |
| 別室登校や学習 | 在籍校、校内教育支援センター |
| 公的な支援や居場所 | 教育委員会、教育支援センター |
| 学校外の居場所 | フリースクール、地域の支援団体 |
| 心身の不調 | 小児科、児童精神科、心療内科など |
| 発達特性 | 学校、自治体の発達相談、発達障害者支援センター |
| 就職や社会参加 | 地域若者サポートステーション、ハローワーク |
本人が相談を拒んでいても、保護者だけで相談できる窓口があります。
どこに相談すればよいかわからない場合は、在籍校または自治体の教育相談窓口へ、現在困っていることをそのまま伝えて構いません。
親として、やらないほうがよい対応はありますか?
不登校の背景や状態は一人ひとり異なるため、すべての家庭に共通する正解はありません。
ただし、次のような対応は、本人を追い詰めたり、相談を避けるようになったりする可能性があります。
- 怠けや甘えと決めつける
- 理由を何度も問い詰める
- 期限を決めて登校を迫る
- きょうだいや同級生と比較する
- 本人に相談せず進路を決める
- 反対に、本人だけにすべての判断を任せる
- 家庭だけで長期間抱え込む
本人の気持ちを尊重することは大切ですが、何も働きかけずに待ち続けることとは異なります。
現在の状態を確認し、在籍校で調整できることを探しながら、必要に応じて教育支援センターやフリースクール、医療機関などと連携していきましょう。
まとめ|不登校のその後は、今の状態に合うつながりから考える

最後にこちらの記事をまとめていきましょう。
こちらの記事では、
- 学校とのつながり:別室登校、校内教育支援センター、先生との定期面談
- 学校外の居場所:教育支援センター、フリースクール、地域の居場所
- 自宅での学習:学校の課題、ICT教材、オンライン学習
- 中学生の進路:全日制・通信制・定時制高校、高等専修学校
- 高校生の進路:在籍継続、通信制・定時制への転入学、高卒認定
- 卒業後の進路:大学、専門学校、職業訓練、就職、就労支援
- 主な相談先:在籍校、教育委員会、教育支援センター、医療機関
などについてご紹介しました。
不登校を経験したからといって、その後の進学や就職の道がなくなるわけではありません。
文部科学省の少し古い追跡調査では、2006年度に中学3年生で不登校だった人のうち、本人アンケートに回答した1,604人の約81.9%が、20歳時点で就学または就業していました。
ただし、この数字は現在のお子さん一人ひとりの将来を保証するものではありません。
不登校の期間中に、生活リズムが大きく崩れている、学習が完全に止まっている、家族以外との接点がなくなっている場合は、家庭だけで様子を見続けず、学校や相談機関と一緒に対応を考える必要があります。
小学生は、生活や学習、人とのつながりを保つことから考えます。
中学生は高校進学、高校生は単位や卒業要件など、学年によって確認したいことも異なります。
学校へ戻れる可能性がある場合は、その道を最初から閉ざす必要はありません。
在籍校で利用できる支援や、負担を抑えた登校方法がないか相談してみましょう。
一方、今すぐ登校することが難しい場合は、教育支援センターやフリースクール、オンライン支援などを利用し、家庭以外との接点や学習の機会をつくる方法があります。
ただし、通う場所を増やせばよいわけではありません。
費用や送迎、親御さんの仕事との両立も含めて、家庭が無理なく続けられる方法かを確認することが大切です。
本人がまだ見学や相談を受け入れられない場合は、まず親御さんだけで話を聞いても構いません。
すぐに入会や進路決定をするのではなく、地域にどのような支援があり、どのような条件で利用できるのかを知るところから始められます。
不登校のその後は、学校へ戻れたかどうかだけで決まるものではありません。
ひかりすまいるアドバイザー生活や学習、人とのつながりを少しずつ整えながら、お子さんが次の進路を選べる状態へ近づいていくことが大切です。




